【1】独身歴50年!A子誕生日の婚活決意(前編)
2025.01.082025年01月15日
50代婚活奮闘記2・A子の場合
【2】独身歴50年!A子誕生日の婚活決意(中編)
恋愛・婚活ジャーナリストである清葉アキコのもとには、老若男女関わらず、相談が集まってくる。この婚活奮闘記は、「人生の後半戦を共に生きるパートナーを見つけたい!」というハルメク世代の女性たちの物語。今回は、50歳の大台に乗り、結婚について語る親友・A子の話の続編。
“結婚できない=ダメ人間”なのか⁉
50歳――たしかに結婚適齢期からはずいぶん経ってしまっているけれど、これからの人生を一人で過ごす……と決めるには早いような気がする。
A子はすごいモテるというわけではないけれど、まったくモテないというわけではない。学生時代もA子を気に入っている男子学生や若い教諭がいたし、20~30代に一緒に合コンに一緒に行っていたときも、何度かに1回は次につながる出会いがあった。
お付き合いが始まると、それなりに長いのは知っている。恋愛至上主義ではないけれど、仕事も恋愛も一途にがんばるタイプだ。過去に、プロポーズをされたことが何度かあるが、タイミングが合わずに別れたというのも知っている。
長い付き合いだからこそ、A子の良いところも悪いところも知っているけれど、 “当然結婚できない”ような人じゃない。それは自信を持って言える。だから、私自身も友人を紹介したことがあるが、遠距離が長くなりすぎてうまくいかなかった。これもタイミング――。
共通の知り合いに聞いても、A子のことを「理想が高いからじゃないの?」「恋愛より仕事が好きなんでしょ?」という人がいても、「あの性格じゃあ…ちょっとねぇ~」という人は、私が知る限り、いない。その証拠に、老若男女問わず、友人は多いのだ。お付き合いした相手を前にしたA子がどうなのかは知ることはできないけれど、とてつもないわがままを言うとか、束縛するとか、依存するとか、そういう“問題物件”ではないはず……。
本当なら私が誰かを紹介してあげたいのだが、もう、私のまわりには、おすすめしたい独身男性がいない。「だから独身なんだよ!」という男性を、A子に紹介するわけにはいかないもの!
今さら「婚活」なんて……
今まで、恋愛や婚活についての取材を重ねてきた私は、A子に一つの提案をした。
「婚活しよう!」
A子は、「今さら…ねぇ」と笑い飛ばしたが、私は本気だった。
正直、現在、自宅で一人で仕事をしている50歳のA子が新しい出会いを見つけるのは難しい。50歳で独身だと、「結婚しない主義」と勝手に位置づけられてしまうのもあり、最初から結婚や恋愛の対象とみられることがない。私を含め、誰かからの紹介も期待できないだろう。
自ら異性と出会える市場に出ていかなくては、結婚したいと思える相手は永遠に見つからない。
婚活をしても結婚できるとは限らないが、諦めてただ生きているよりは可能性は上がる!これだけは断言できる。
「でもね…」と言うA子の言葉を遮るように、私は言った。
「人生100年時代。100歳までは生きないにしても、70歳まで生きるならあと30年、80歳まで生きるならあと20年。今のその寂しい顏のまま、そんなに長く、一人で生きていける⁉ 本当にもう、諦めていいの⁉」
A子のことを考えすぎたせいか、ちょっと強く言いすぎたかもしれない。A子はまた静かに涙を流した。
店が閉店の時間となり、私たち3人は静かに店を出て、駅に向かった。駅までは誰も口を開かず、駅では静かに解散した。恒例のお別れハグも、次の約束もないままに……。
(次回予定)【第3話】A子…ついに婚活スタート!
取材協力
婚活初心者専門コンサルタント・三島光世さん
三島さんからの一言
『50代以上の結婚は、子どもを育てるための家族というのとは別もの。何歳でも結婚を望んでもいいんです!ずっと一人で生きていきますか?』
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある。