【56歳サトミの場合】彼を失ったら生きれない

【6】50代から恋に落ちて!恋するが故の苦しみ

【6】50代から恋に落ちて!恋するが故の苦しみ

更新日:2025年01月12日

公開日:2022年07月03日

【6】50代から恋に落ちて!56歳サトミの場合

56歳サトミの恋愛ルポ第6話。結婚していても恋に落ちることがある。高校の同窓会で当時好きだったツチダ君と再会し不倫関係になったが、気持ちの変化が起きていた。

前回までのあらすじ

サトミ(56歳)の恋愛談を紹介しよう。バブル時代に社会人になり、結婚後専業主婦になり28年すでに成人した二人の子がいる。ふと参加した高校の同窓会で当時好きだった「ツチダくん」と再会を果たし、思いが高ぶりついに結ばれた二人は不倫関係に突入したが……。

罪悪感は数か月でなくなった

サトミさんは「自分の恋する気持ち」に気付いたところから苦しくなったという。だがツチダくんは二人の関係に浮かれていた。

家族にバレたらどうしよう不安でしょうがなかった。だけど彼には会いたいので、誘われれば行ってしまう。

けれど、危機感を持っていない方が気は楽だ。いつしか会うことが日常生活に組み込まれていくと、それはそれで慣れてくる。サトミさんの“罪悪感”は数か月でなくなっていった。

「季節の行事があんなに待ち遠しかったことはありませんでした。再会したのが夏前だったので、その夏は花火大会に行き、秋にはお祭りとか紅葉狩りとか。都内だけではなく、少し遠出したりして。二人で遠足に行っている感じ。私のお弁当が食べたいと言うから作っていったこともあります。

彼の仕事は週末が休みではないので、平日にも出掛けやすかったですね。奥さんもフルタイムで働いているし、彼の行動にはあまり関心がなかったみたい。それは我が家も同じですけど」

夫婦がうまくいくコツは、お互いに適度な距離を保つことなのかもしれない。そして、適度な距離が心地いいと夫婦間にストレスがたまらない。相反することなのだが、そういう場合、恋がスルリと入り込んでくる可能性は高い。夫婦間がうまくいかず、恋に逃げた場合は、その恋で変な痛手を負ったりするものなのだ。

彼を失ったら日々の生活が空虚なものになってしまう

彼を失ったら日々の生活が空虚なものになってしまう

サトミさんと彼は1年ほどたった頃には、「ずっと付き合っていきたい」という気持ちがふくらんでいた。お互い、家庭を壊すつもりはない。だが、この人を失ったら日々の生活が空虚なものになってしまうと確信したという。

「彼と会うときは、自然と朝からウキウキしてしまう。夫に『最近、ご機嫌だね。元気そうだし楽しそうだし』と言われたことがあります。ドキッとしましたが『体調もいいし、パート仲間と楽しくやってる』としれっと答えました。私、こんなに嘘がうまかったかしらと自分でもびっくりしましたが、彼との仲を疑われないためにはどんなことでも引き受けなければと思うようになっていたんです」

だがあるとき、パート仲間で世間話をしていると、誰かが芸能人の不倫話を持ち出し、「やっぱり不倫はダメよ、よくない。ちゃんと離婚してから付き合えばいいのにね」と言った。そうよねとうなずく仲間たちを見ながら、サトミさんは「でもきっと離婚できない理由もあるのよ」と思わずつぶやいてしまった。

自分の恋も、他人から見たら「ただの不倫」なのだろうと思うと少し心がへこんだ。

第七話「コロナ禍の二人」に続く…>>

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亀山早苗
亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。

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