【56歳サトミの場合】学生時代に好きだった彼と再会
【2】50代から恋に落ちて!運命の同窓会
【2】50代から恋に落ちて!運命の同窓会
更新日:2025年06月26日
公開日:2022年07月03日
前回までのあらすじ
サトミ(56歳)の恋愛談を紹介しよう。バブル時代に社会人になり、3歳年上の夫とは社内恋愛だった。専業主婦になり28年、すでに成人した二人の子がいる。そんな平凡を絵にかいたような生活の中でも、ふとしたきっかで恋に落ちることがあるのだ。
命には限りがある!思い切って参加した高校の同窓会

高校時代のクラス会に参加してみようと思ったのは、52歳のときだった。卒業して30年たったとき大々的に開催されたのだが、サトミさんは当時、義母と実父の介護に明け暮れていて出席できなかった。その後、二人を見送り、ひと息ついたとき、またクラス会が開かれると連絡があったのだ。
「実は私、クラス会って今まで出たことがないんです。だけどそのときは命に限りがあることを痛切に感じていたので、なんだか昔の友人たちに無性に会いたくなって」
参加してみると、みんな変わったようで変わっていない。話せば「あの頃」がよみがえってくるのが楽しかった。それぞれに個性豊かな人生があった。
気分は高校生!?かわいいなんて言われたのは何十年ぶり?

「ふと気付くと、隣に当時好きだったツチダくんがいたんです。 付き合うところまではいかなかったけど仲はよかった。当時のことを話していたら、ツチダくんが『サトミちゃん、あの頃かわいかったよなあ』って。『どうせ今はオバサンよ』と拗ねると『オレだってオジサンだよ。でもサトミちゃんは今もかわいいよ!』って」
「私、彼の声が好きだったんですよ。その声で『サトミちゃん』と言われるたびに胸がキュンとするんです。ちゃん付けで呼ばれたのなんて若い頃以来ですから。しかもかわいいなんて言われたことは……もう何十年もありませんからね。それだけでけっこう舞い上がりました」
お酒のせいだけではなく、彼女は体の奥が熱を持つのを感じたという。その日の帰り際、同級生たちはLINEのグループを作り、今後も定期的に会おうと約束した。
憧れの彼と抜け出して二軒目のバーへ

ぞろぞろと駅に向かって歩いていくと、ツチダくんが「サトミちゃん、もし急いで帰らなくてもいいなら、もう一軒少しだけ行かない?」と声をかけてきた。
「時間はまだ早い。その日は土曜日でしたけど夫は出社していて帰宅は遅い。上の子はもう独立していましたし、下の子は同居していたけど食事などは自分でやっていましたから、誰か待っているわけでもない。彼と二人でみんなの列から抜けて、駅の近くのバーに行きました」
まさかこれがきっかけで、自分が変わっていこうとは……、ついに歯車が動き出したのだった。
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