公開日:2025年01月08日

50代婚活奮闘記1・A子の場合

【1】独身歴50年!A子誕生日の婚活決意(前編)

恋愛・婚活ジャーナリストである清葉アキコのもとには、老若男女関わらず、相談が集まってくる。この婚活奮闘記は、清葉が出会った「人生の後半戦を共に生きるパートナーを見つけたい!」というハルメク世代の女性たちの物語。今回は、50歳の大台に乗り、結婚について語る親友・A子の話。

A子のプロフィール

50歳。大学卒業後、食品メーカーに勤務。営業職として、残業・休日出勤が当たり前!というハードな生活を送ってきた。「このプロジェクトが落ち着いたら…」「この仕事で成果を上げられたら…」と仕事中心の生活を送っていたことで、結婚をあと回しにして来た。モテないわけではなく、たいてい彼氏がいる状態だが、なぜかいつも結婚に至らない。

50歳誕生会の最後にこぼした涙

それは、学生時代からの友人・A子の50歳の誕生会のことだった。彼女と私ともうひとりの友人の仲良し3人組は、お互いの誕生日前後にステキな店で食事をするのが恒例だった。ちょっと特別感のあるステキなお店を予約し、どうでもいい話をしながら食事をし、最後にバースデーメッセージ入りのスイーツプレートが出てきたタイミングでプレゼントを渡す……。今回も、いつものように盛り上がるはずだった。

いつもと違ったのは、食後のコーヒータイムも終えようとしていたタイミング。プレゼントを手に写真撮影しているときまではいつものように笑っていたA子だったが、冷めかけたコーヒーカップを見つめて、ぽつりと言った。

「私、もう、ずっと独身で生きていかなくちゃいけないのかな……?」

30数年前に知り合って以来、会社や家族には言えない本音も言い合い、お互いのことはある程度、わかっていると思っていた。A子は20代後半から「結婚したーい(笑)」とギャグのように笑って言い続けていたし、仕事三昧の忙しい中でも、たいていの期間、彼氏がいたので、私たちは「そのうち結婚するだろう」と心配はしていなかったし、そこまで結婚願望が強いとは思っていなかったのだが、まさか、そこまで“独身でいること”を思い詰めていたとは……。

いつもなら「A子なら大丈夫でしょ!」と一笑するところだが、この夜は、そういう空気ではなかった。私ももうひとりの友人も、冷めたコーヒーカップを両手で包んで、残り少ないコーヒーを見つめながら、脳内でかける言葉を悩んでは打ち消していた。

すると、A子から鼻をすするような音がした。ふと顏を上げると、A子の頬には静かに涙が流れていた。

過去、仕事でつらい思いをしたときも、彼氏と別れたときも、泣きながらやけ食い&やけ飲みして笑い飛ばしていたが、こんなに静かに涙を流したA子を見たのは初めてだった。

いつか結婚できると思っていたのに……

半年ほど前、約5年付き合ってきた3歳年下の彼氏にA子から逆プロポーズをして、断られたのは知っていた。彼からの返事は、A子がどうこうというのではなく、自分が独身主義者だから、一緒に住むのではなく、今までのように付き合っていきたい……というものだったそうだ。

彼と出会ったとき、40代半ばでアラフィフに足を突っ込んでいたA子は、「これが結婚に向けての最後のチャンス!」とがんばっていたのは知っている。あんなに仕事が好きで仕事三昧だったA子が、仕事の量を大幅に減らして彼との時間を作っていたことに、私たちは驚いていた。彼と別れたときも、いつものように笑い飛ばしてやけ食い&やけ飲みして吹っ切ったような気がしていたのだが……。

「20代から、『次お付き合いする人とはゴールインしたい』って本気で付き合ってきたのに、相手にはそう思ってもらえない。私、そんなにダメ人間じゃないと思うのに……。まさか自分が、50歳になるまで結婚できないなんて、想像もしなかったな」

どうやら、元彼が吹っ切れていないわけではなさそうだ。50歳という大台に乗った今、もう、結婚を望むことはできないということに悲観的になっているようだ。

「いつか結婚できる……って思っていたら、もう50歳だよ」

A子はそう言いながら、静かに笑った。でも、その笑った顔はつくられているものであることは、長い付き合いの私たちにはわかっていた。

(次回予定)【第2話】結婚できない人は…「ダメ人間」なの?

取材協力
婚活初心者専門コンサルタント・三島光世さん

三島さんからの一言
『今の時代、結婚って自然とできるものじゃないんです。だから、とても魅力的なのに結婚していない女性、意外と多いんです』

婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある。

 

清葉アキコ
清葉アキコ

雑誌編集部に在職していた20年間、「恋愛」「婚活」など女性の生き方に関する企画を多く担当。編集者として25年以上、年間1000人以上の声を聞いてきた取材・分析力や多くの専門家への取材で得た人脈や知識を活かし、恋愛・婚活ジャーナリスト/コラムニストとして独立。女性たちのインサイトに訴えかける恋愛関連記事の制作・アドバイスや、自身の「婚活」経験をもとにした婚活コラムの執筆などを行っている。

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