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公開日:2025年01月29日
50代婚活奮闘記4・A子の場合
恋愛・婚活ジャーナリストの清葉アキコが出会った婚活女子の第4話。A子は50歳を機に「人生の後半戦を共に生きるパートナーを見つけたい!」と本格的に婚活を決意。いよいよ「結婚相談所」探しを始めたのだが、予想外の結果が待っていた。
前回の話はコチラから。急ぎで仕上げなくてはいけない原稿も人と会う予定もない……こんな週末は珍しい。そんな週末は、ちょっと手の込んだブランチを作って、ネット配信の映画を見ながら食べることにしている。
映画も後半の盛り上がりに差し掛かったところで一時停止し、食後のコーヒーを淹れた。ハンドドリップで淹れたコーヒーの味わいと香りは、ゆったりと過ごす休日のお供にふさわしい。
コーヒーカップを片手に、映画の続きを見ようとしたちょうどそのとき、メールの着信音が鳴った。
「さっき、『結婚相談所X』に行ってきたんだけど……」
A子からのメッセージがちらっと見えた。あぁ、そうか。この間、「婚活をしたい」と決めたA子に、いくつかタイプの違う結婚相談所をおすすめしたので、その報告かもしれない。そう思いながらも、熱々のコーヒーと映画の、特別な時間を優先させた。
映画をエンドロールまでしっかり見終えてその余韻が冷めたところで、A子からの報告でも見てみるか、とスマホを開いてみると、そこにはA子のメッセージとともに、ウサギが涙を滝のように流しているスタンプが何個も連なっていた。
ナニゴト!?
受信から1時間以上経ってしまっていたが、A子にすぐさまメッセージを送った。
A子は興奮がいまだ冷めず、私とすぐに話したかったのだろう。1分と間を空けず、返信が来た。
「説明を聞きに行っただけなのに、
なんでそんなことに!?どんな話の流れでそんなことになったの? あぁ~、聞きたいことがたくさんありすぎて、メッセージのやり取りがまどろっこしい! 私は久々の穏やかな休日をお預けにし、A子から直接話を聞くことにした。
30分後、私の家に現れたA子は、玄関の扉を開けるや否や、「ねぇ、聞いてくれる~?」と言い、私の返事も聞かずに話し始めた――。
『結婚相談所X』を訪れたA子を迎えてくれたのは、パンツスーツで身を固めた30代後半と思われる女性。婚活アドバイザーである彼女から、婚活の流れや紹介システムについての説明があった。
その後、相手に求める条件などを書いた事前アンケートをもとに、どんな人と出会えるのか、試しにその会社のマッチングシステムを使ってシミュレーションをしてみることになったらしい。事件が起きたのはその後だ。
ノートパソコンを広げ、A子のアンケートを見ながら慣れた手つきで何やら打ち込んでいたそのアドバイザーが、ふと指を止めてゆっくりとA子の方に顔を向けた。
「A子さん」と声をかけ長い瞬きをした後、A子の顔を見てこう言った。「……条件をもう少し広げませんか?」
「私もね、50歳になっちゃったし、ハイスペックな男性と結婚できるなんて思っていない。普通の男性でいいの!書けって言われたアンケートにも、かなり譲歩して現実的なところを書いたのに……」とA子は早口でまくし立てた。手の振りが大きい。A子がこうなっていたら、かなり興奮しているといっていい。
結婚相談所でA子がそのように伝えると、アドバイザーはノートPCの画面をゆっくりとA子の方に向けて、無機質な声で静かにこう言ったそうだ。「A子さんが挙げた条件の中で、年齢、年収、身長、居住エリアに当てはまる人は0人です」
「もう、思考停止しちゃった。目の前が真っ暗になるってよく聞くけど、人生で初めて体験したわー」とA子。
さっきまで大きな手ぶりで身を乗り出して、一気に話をしていたのに、最後にはカラッカラに乾いた笑いをしながらそう言って、ソファの上にあった大きくてやわらかいクッションに体を沈めた。
A子、完全撃沈――。
三島さんからのひと言
『すべて理想どおりのお相手を探していては「結婚相談所」でも、それ以外でも、永遠に出会えませんよ。条件を譲って対象人数を増やさなくても、”絶対に譲れない条件”を3つに絞ると、自分にとっていい人に出会える確率が上がります』
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある
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