マジメに考察!50代夫婦の性&セックスレス事情1

50代夫婦の7割超がセックスレス…何歳までする?

公開日:2021.09.28

更新日:2023.07.06

あなたは今、夫婦生活に満足していますか? 50代夫婦の7割以上がセックスレスといわれている日本。連載「マジメに考察!50代夫婦の性事情」1回目は、調査データを基に検証し、セックスレス事情に詳しい三松真由美さんにお話をお聞きしました。

50代夫婦のセックスレス事情について教えてくれたのは?

三松真由美

三松真由美(みまつ・まゆみ)

会員1万3000人超のコミュニティサイト『恋人・夫婦仲相談所』を運営し、夫婦関係やセックスレスの改善法、ED予防法を真剣に考える専門家。

取材・文=宮崎希奈子 

「1か月以上の性接触がない」50代夫婦の7割以上が回答

50代のセックスレス事情

本記事では、50代夫婦の性&セックスレス事情を調査データを基に検証し、日本のアラフィフ夫婦のセックスライフの現状についてお伝えしていきます。

まず、「日本性科学会セクシュアリティ研究会2000年調査」によると、50代カップルの実に7割以上がセックスレスなのだそう。

そもそも「セックスレス」とはどういう状況のことなのでしょうか? セックスレスの定義について、カップル不仲の原因を「性」を通して考える夫婦関係&セックスレス改善専門家の三松真由美さんに聞いてみました。

「セックスレスとは、性交渉あるいはセクシュアル・コンタクトが1か月以上ないカップルのこと。これは日本性科学会が定義しています。一般的な認識では、いわゆる挿入を伴う性交渉のことを指すのですが、私はセックスをもっと広義に捉え、『お互いを異性と認める性的接触が1か月以上ないこと』だと考えていいと思っています」(三松さん)

セックスレスといっても、いわゆる挿入という行為にこだわる必要はないと言う三松さん。素肌をなで合う、肌と肌をくっつけて眠る、さらには髪をなでる、手をつなぐなどの行為でも十分で、お互いに心地よいと感じる夫婦間の触れ合いが大切だと言います。

「50歳前後は、多くの女性が閉経を迎え、更年期障害が出てくる時期。汗が止まらないホットフラッシュや、だるさや眠さといった特有の症状に加え、濡れにくくなることで性交痛が生じやすくなるという問題も……。性交を停止した年齢に50代が多いのは、こうした体の不調が出始める時期であることも要因の一つといえるでしょう」(三松さん)

「性に対する夫婦の価値観」が一致しているかどうかが重要

50代夫婦のセックスレス事情1

セックスレスの割合ばかりが注目されることが多いのですが、実はセックスの有無よりも「セックスに対する思いや価値観が夫婦で一致しているかどうか」の方が根深い問題だと三松さんは言います。

「問題なのは、セックスに対する夫婦の思いにズレがあること。セックスはあくまでもコミュニケーションの一つです。互いに肌をなで合うだけでも満たされるというなら、それは二人にとっては立派なセックス。夫婦の認識さえ一致していれば、どんな形であっても幸せなセックスだと言えます」(三松さん)

若い頃に「いい経験」があるとセックスレスになりにくい

50代夫婦のセックスレス事情2

排卵が終了し、生殖機能がなくなってもセックスをエンターテインメントとして楽しめるのが人間という生き物。では、加齢に伴う体の不調などを乗り越え、セックスを続けられるのはどんな夫婦なのでしょうか?

「若い頃に満足できるセックスをしてきた人、パートナーがいなかったとしても自分の性に関心を持って過ごした人は、年齢を重ねても性欲が衰えない傾向があります。技術的に優れているだけでなく、女性として大切に扱ってくれるパートナーに出会えた過去があることは幸せです。セックスに対してポジティブなイメージを持っていると、いつまでも好奇心が旺盛で、体に何らかのトラブルがあっても工夫して楽しもうと思えるんですよね」(三松さん)

健康なら持続可能!70代でも性生活を楽しむ夫婦も

50代夫婦のセックスレス事情

人間は生殖機能がなくなっても、性欲自体はなくなるわけないので、中には70歳を過ぎても性欲が衰えないという人もいるほど。50代の7割がセックスレスである一方、3割が70代を過ぎていてもセックスを継続中というデータもあるそう(『セックスレス時代の中高年「性」白書』より)。

「体力や気力、性欲は人によって個人差があるものなので、何歳までセックスができるかは一概には言えませんが、いつまでも生き生きと元気でいるために、セックスレス状態で過ごすなんてもったいない! 実際に性行為が、脳内伝達物質を活性化させるというデータもあります(厚生労働省『e-ヘルスネット』より)。行為があった翌日は、気分がウキウキして肌ツヤが良くなるという女性も多数います」(三松さん)

大切なのは、他人と比べないこと、固定観念に捉われないことだと三松さんは説きます。

「50代以降になると性交から遠ざかる人と積極的に楽しむ人とが、二極化する傾向にあることは確かです。とはいえ、友人が頻繁にセックスしていることを知ったとしても、まったく焦る必要はありません。

年齢や体調とともに、セックスの捉え方を変えていけばよいですし、夫婦二人ともが性的触れ合いをしたくなければ、あえてセックスという形にこだわらず、自分たちらしいコミュニケーションを続けていけばいい。あくまで『二人とも』がです。

もし、どちらかが不満を抱えたまま内緒にしていたとしたら、それは円満とは言えません。欲求を言わないだけで我慢しているのは、セックスレス夫婦のよくあるパターンです。自分たちなりに指針を決めて、幸せな夫婦の形を探してほしいと思います」(三松さん)

4回シリーズの第2回目の記事では、セックスレスの原因についてご紹介していきます。

取材・文=宮崎希奈子 

※この記事は2021年9月の記事を再編集をして掲載しています。

■もっと知りたい■

ハルメク365編集部

女性誌No.1「ハルメク」の公式サイト。50代からの女性の毎日を応援する「観る・聴く・学ぶ・つながる」体験型コンテンツをお届けします。
会員登録をすれば、会員限定動画を始めさまざまな特典が楽しめます!

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

みんなのQ&A みんなのQ&A

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事

365会員特典

365会員に登録する
無料会員に登録する
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • line

LINE友だち追加