足底腱膜炎の症状と治療方法

足の裏に痛みがある場合に考えられる原因と対処法

公開日:2020/06/24

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かかとや足の裏が痛い原因は、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)や外反母趾(がいはんぼし)かもしれません。足の裏に痛みがある場合に考えられる原因と対処法について、足指研究所・湯浅慶朗さんが解説します。効果的な治療法・足指ストレッチは必見です。

足底腱膜炎の症状と治療方法

足の裏が痛い原因とは?痛む場所とタイミングをチェック

足の裏に痛みが生じる病気はいろいろあり、痛い場所や痛みを感じるタイミングによって、原因は異なります。それぞれの病気の特徴を確認していきましょう。

1.足底腱膜炎(足底筋膜炎)

足底腱膜炎(足底筋膜炎)

足底腱膜炎は足底筋膜炎とも呼ばれます。朝起きて立ち上がったときや、立ちっぱなしのとき、歩きはじめの1歩目などに、かかとや土踏まずなど足の裏に痛みを感じます。安静時は痛まず、歩く・走るなど足に衝撃がかかるときだけ痛みが出てくるのが特徴です。

2.外反母趾

外反母趾

親指の付け根の内側の突き出したところや、親指の裏側に痛みや痺れが出ます。靴に当たったり、歩くとき親指に体重がのると強い痛みを伴います。

3.モートン病

モートン病

中年期以降の女性によく見られます。足の中指と人差し指の付け根付近の痛みや痺れが特徴です。歩行時に鋭い痛みを感じます。

4.魚の目やタコ

魚の目やタコ

足の裏の突出したところや指のふち、指の間などに多く見られます。 体重が多くかかる部位や、すれやすい場所に起こります。圧迫されると強い痛みを伴います。

5.糖尿病

糖尿病

血行が悪くなって足裏に腫れがあったり、皮膚が黒っぽく変色したり、足全体にピリピリした痛みや痺れを強く感じられることが多く、日常生活が送れないほど強い痛みになる場合もあります。痛みによる冷えや痺れが現れたりもします。

中でも、足底腱膜炎は患者数が多く、人口の約10%が罹患する病気といわれています。

今回は、足底腱膜炎について、原因や症状をはじめ、新しい治療法(予防法)である「足指の矯正」について解説していきたいと思います。

 

足底腱膜炎(足底筋膜炎)の原因は足裏の筋肉の硬さ

足底腱膜炎(足底筋膜炎)の原因

足底腱膜炎は、足の裏にある腱膜の炎症です。「足底腱膜」とは、かかとの骨から5本の指のつけ根の骨に向かってと腱が扇状に広がっている組織のこと。足底腱膜は足のアーチ構造を保持し、スプリングのように荷重時にショックを吸収する役目があります。

一般的に、足底腱膜炎の原因は以下の3つとされます。

1.使いすぎ(オーバーユース)
足底腱膜炎は、一日中立ち仕事をされている方や、ランニングなどのスポーツをされている方に多いため、足の「使い過ぎ」が原因といわれます。

2.扁平足・ハイアーチ(甲高)
扁平足(へんぺいそく:足の内側にある縦アーチ=土踏まずが平らになっている状態)や逆に甲高(土踏まずが高い状態)の足の場合、ランニングや歩行などで足底腱膜に強いストレスが加わるため、足底腱膜炎になりやすいといわれます。

3.体重の増加
体重が重いと足にかかる負荷が大きくなるため、体重増加も足底腱膜炎になる原因といわれます。

しかし実際には、足底腱膜炎の痛みは「足裏の筋肉の硬さ」に影響を受け、よくいわれるこれらの3つの原因を助長すると考えられています。そうでなければ、オリンピック選手や扁平足の人、お相撲さんは、みんな足底腱膜炎になっていなければ話が合わないからです。

4.足裏の筋肉の硬さ
筋肉が硬いと、歩いたり走ったりジャンプしたりするときに、本来は柔軟なはずの組織がうまく伸び縮みできません。無理にギュッと引っ張られるため、足底腱膜がくっついている、かかとの骨の部分や足指の付け根の部分辺りに小さな筋断裂が起きて、痛みを引き起こします。

これこそが、本当の足底腱膜炎の原因です。

 

足底腱膜炎の治療は対症療法が基本

足底腱膜炎の治療

足底腱膜炎の治療法としては、理学療法・薬物療法・体外衝撃波治療・外科手術があります。

理学療法には、ストレッチ、筋力訓練、インソールの装着などの装具療法などが含まれます。いずれの場合も、足底腱膜に負荷がかかることを防ぎ、痛みがでないよう痛みのコントロール(疼痛コントロール)を行います。

しかし、一時的な疼痛軽減効果はありますが、再発率が高く、対症療法的な治療といえます。根本的に足底腱膜炎を治療するためには、足底周辺の筋肉を柔らかくしていくことが大切です。

ところが、ストレッチやマッサージをしても、足底腱膜炎が治らないという方は多いはずです。そこには2つの理由があります。

  1. 筋肉を柔らかくするための治療方法が間違っている
  2. 筋肉を硬くしてしまう原因が解消されていない

同じ仕事、同じスポーツをしているにも関わらず、なぜあなただけが足底腱膜炎になってしまったのか。それには日常生活で足底腱膜炎になりやすい生活習慣があったからなのです。その生活習慣を解消せずに治療をしても再発を繰り返すか、思うような効果は出ません。

 

足に合わない靴が筋肉の硬さ、足裏の痛みを引き起こす!

実は足裏の筋肉の硬さに、履いている靴が大きく影響することがあります。

特に以下のような靴を履いている方は要注意です。

  • スリッパ・サンダル・草履・下駄・長靴など固定ができない履物
  • ひもが緩く、靴の中で足が泳いでいる
  • 柔らかい靴
  • クッション性がありすぎる靴
  • 幅が広い靴
  • 凹凸のある中敷の靴
  • 指先を圧迫したり、滑りやすい素材の靴下を履く

なぜ、これらの靴が良くないのか? それは靴の中で足が滑ることで「足指が変形」するからです。

かかとがない靴やかかとが脱げやすい靴は、靴の中で足が滑るため、靴が脱げないように無意識に足指に力が入りがちです。

足に合わない靴が筋肉の硬さ、足裏の痛みを引き起こす

試しに立っている状態で思いっきり足指をギュッと握ってみてください。ふくらはぎや太ももだけでなく、足裏の筋肉が硬くなることがわかります。足にフィットしない靴を長く履き続けると、足裏の痛みにつながってしまうのです。

足に合わない靴が筋肉の硬さ、足裏の痛みを引き起こす

また、疲れにくいように工夫されたクッション性の良い靴も、かえって体のバランスを取るために力が入りすぎてしまうため、足裏の痛みを引き起こしがちです。

 

効果的な足底腱膜炎の治療法!足指ストレッチのやり方

では、足底腱膜炎を治すためにはどうしたら良いのでしょうか? 

足底腱膜炎の治療でまず大切なのは、足にフィットする適切な靴を履くこと。そして、足底腱膜炎の原因になっている筋肉の硬さを柔らかくすることです。

ただし、闇雲にストレッチをすればいいわけではなく、足底腱膜が硬くなる原因である「足指」を伸ばすことが大切です。

ここでは、簡単な足指ストレッチ「ひろのば体操」のやり方を写真で簡単にご紹介します。

足指のばし・足指ストレッチのやり方

STEP1
いす、または床の上に座り、片方の足を太ももの上に乗せる

足指ストレッチ

  • 膝をなるべく倒す
  • 足首が上に反らないようにする
  • ももの上にきちんと足を乗せる

足指ストレッチ

  • 足の甲はしっかり反らせましょう
  • 足首が少し太ももから出るようにします


STEP2
足指の間に、手の指を入れる

足指ストレッチ

  • 手指の根元に1本ずつ足指の先端を入れる
  • 足指の根元にすきまができるようにする

足指ストレッチ

  • 手の根元に足指の先端だけが乗るようにする
  • 手の根元にぴったりと足指先密着させる

▼ポイント
足指の間に、手の指を入れすぎないように注意!

OK

足指ストレッチ

  • 足指が手の指から出ないくらいが理想です

NG

足指ストレッチ

  • 足指の根元まで手指を入れるとうまく曲げれません
     

STEP3
足指を入れた手を優しく握る

OK

足指ストレッチ

  • 足指の付け根より少し上に手がくるよう、優しく握る
  • 手の親指で足の親指を軽く押さえる

NG

足指ストレッチ

  • 手の指を足の付け根いっぱいまで差し込んでいると反らせにくい
     

STEP4
足指を甲の方へそらす

足指ストレッチ

  • 優しく、ゆっくりと反らせる
  • 手の根元で足指先を押すようなイメージ
  • 足指の関節が90度になると理想的

足指ストレッチ

  • やさしく、ゆっくりと
  • 甲を伸ばすイメージで反らせていく
  • 手のひら全体で足裏を軽く押す


STEP5
「4」を繰り返す。その後、逆の足も同じように反らせる

両足で最低5分ほどできればOK。かたい場合には、片足10分ほど行うと効果的です。

足指ストレッチ

また、ストレッチをして足底筋膜炎の痛みがなくなったからといって、それは必ずしも完治しているとは限りません。筋肉を硬くしてしまう要因が残っていると、足裏の痛みが再発してしまいます。足指を矯正する靴下を履いて、足指の使い方を再学習させることも大切です。

※「YOSHIRO SOCKS」は足指研究所にて開発した足指矯正用の5本指靴下
※「YOSHIRO SOCKS」は足指研究所にて開発した足指矯正用の5本指靴下

 

足指のばしと靴下で足裏の痛みが改善!

私の患者さんの一人、Tさんも歩くときの足の裏の痛みを訴えていました。整形外科の診断では手術しかないが、それが嫌なら中敷き(インソール)を作るように指示されました。しかし、何度作り変えても改善しないため、私のところに相談にいらしたのです。

足元を見て、靴が足の痛みの原因だと確信しました。Tさんは非常に窮屈な靴を履き、靴ひもは緩く、家の中ではスリッパを履いていたのです。

早速、足指のばしで矯正して、足に合った靴でひもの調整をしました。その場で歩いてもらうと、痛みがなくなり、雲の上を歩いているくらい足が軽く感じられたそうです。以来、一切足の裏は痛まなくなり、とても感謝されました。


病院で足底腱膜炎の治療をしても、なかなか痛みが減らないという人は、足にフィットした靴や足指をしっかり伸ばせる靴下を探しましょう。そして、足指の機能改善のための習慣として、足指ストレッチ「ひろのば体操」を取り入れてみてくださいね。

 

■執筆者プロフィール

湯浅慶朗

湯浅慶朗

ゆあさ・よしろう 理学療法士。足指研究所 所長。独自に開発した足指を広げて伸ばす「ひろのば体操」を世に広めるべく、全国で講演や出張講座を行っている。また、リハビリテーションの安全性や効果の検証を目的として、東京大学との共同研究や学会発表も実施。著書に『1日5分! 足指をそらすと健康になる』(PHP研究所刊)、『足指のばし』(マキノ出版刊)など。


■もっと知りたい■

 

湯浅慶朗

ゆあさ・よしろう 理学療法士。足指研究所 所長。独自開発の「ひろのば体操」を世に広めるべく、全国で講演や出張講座を行う。リハビリテーションの安全性や効果検証を目的として、東京大学と共同研究も実施。著書に『足指のばし』(マキノ出版)など。https://beauty.yoshiroyuasa.com/

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