中村格子流!大人のための美からだ学4

ポイントはひざ裏!きれいに歩ける美脚の作り方

ポイントはひざ裏!きれいに歩ける美脚の作り方

更新日:2024年05月24日

公開日:2020年11月03日

中村格子流!大人のための美からだ学
中村格子流!大人のための美からだ学

今回のテーマは「美脚」。健康的な歩行やスタイルを整えることにも役立つ、大人のための美脚の作り方を、スポーツドクターや整形外科医としても活躍する医師の中村格子さんに教えてもらいましょう。

単に細いだけの脚は「美脚」とは言えない!

美脚

美脚と聞くと、細くてすらりと長く伸びた脚を思い浮かべていませんか?ところが、単に細いだけの脚は、歩くための筋力が足りず、機能美の条件を満たした美脚とはいえません。脚は筋肉の変化が見た目に表れるため、ポイントを押さえて筋肉を鍛えることで、脚だけでなくヒップラインも美しく変えていくことができます。機能美を兼ね備えた「美」を手に入れて、さっそうと美しく歩きましょう。

「きれいに歩く姿には憧れるけど、特にひざも痛くないし、健康的にも問題なし」と思っていませんか?実は、脚の衰えの始まりは、ひざの屈曲にあります。ひざが伸びず、歩き方が美しくなければ、見た目が老けるだけでなく、ひざの老化を早め、いずれ痛みを招くことにもなります。

ひざに大きな影響を与える一因は「体の重さ」

ひざに大きな影響を与える一因に「体の重さ」があります。ひざを含む下肢の関節は「荷重関節」と呼ばれる、体を支える大切な部分。体が重ければそれだけ負荷も高まり、老化を早めることになります。

体の重さと聞いて、やせ型だからと安心するのもダメ。体重以外の荷物なども負担になります。もともとやせ型の人は支える体重が少ない分、ひざ回りを支える筋力も低下しがち。買い物などで重い荷物を持ったときに痛みや疲れが出るのは、ひざへの負荷が高まっているサインなのです。

脚の衰えを防ぎ、いつまでもさっそうと美しく歩くために、ひざの裏を伸ばし脚の筋力をつけていきましょう。

必要なのはひざ裏を伸ばす筋力! あなたの歩く姿は若々しく映りますか?

歩く姿

鏡に映り込む自分の歩く姿を見たことはありますか。下の「チェック2」の右のようにひざの裏がきれいに伸び、重心を軸に前後左右対称に歩けていれば、見た目も若く、きれいな状態。反対に左のようにひざが伸びず、体が傾いていると、老けて見える上に、ひざへの負担も高まります。

ひざは蝶番関節と呼ばれる蝶つがいのような関節です。毎日歩いたり、立ち上がったりするたびに、蝶つがいであるひざに大きな衝撃が加わります。蝶つがいをメンテナンスせずに使い続けると壊れてしまうように、ひざも意識せずに使っていると、どんどん老化が進むもの。ひざの老朽化を防ぐために欠かせないのが、ひざを守り支える脚の筋力を維持していくことです。

脚の筋力の中でも重要なのが、ひざを伸ばす「筋力」と「柔軟性」をつけること。「ひざが悪い=正座ができない」と思う人も多いですが、実は正座のできる・できないよりも重要なのが、ひざの裏がきちんと伸びるかどうかなのです。逆にひざの裏が伸びないと、体をきちんと支えることができず、姿勢が崩れたり、つまずきやすくなり、転倒にもつながります。ひざの裏が伸びない状態が続くと、ひざの老化も進み、やがて歩けなくなってしまうことにもなりかねません。

ひざの裏をしっかり伸ばし、美しく歩くために鍛えてほしいのが、太ももの筋肉。前面にある大腿四頭筋の筋力とその裏のハムストリングスの柔軟性をつけ、ひざの裏を伸ばすように意識します。ひざに痛みがあるという人も、まずはひざの皿を動かすことから柔軟性を取り戻し、脚を伸ばしたままもち上げられるよう、脚の筋力を鍛えましょう。

【美脚チェック1】ひざの皿は動きますか?

ひざの皿は動きますか?

ひざの皿の動きで、ひざを伸ばす筋肉、太もも前面の大腿四頭筋に力を入れるイメージをつかみましょう。

軽く片脚を伸ばした状態で座る。伸ばした脚のひざの皿の上部を手で覆い、ひざを強く伸ばすイメージで、手で覆った部分に力を入れる。ひざの皿が太もも側に動く感覚をつかむ。

【美脚チェック2】歩く重心は中心にありますか?

脚を蹴り出すときに、しっかりとひざを伸ばすことが歩くときの注意ポイント。ひざが伸びれば、歩幅も自然と広がり、ふらつかずに歩けます。

歩く重心は中心にありますか?

左のNG歩行

ひざが曲がり、重心が前に偏るため、姿勢も悪く見える。

右のOK歩行

重心を軸に前後左右が対称で、重心がキープできている。

【美脚エクササイズ1】片脚ひざ伸ばし(座位)

筋力が弱まって歩くのが億劫になると、さらに筋力が低下し歩けないといった悪循環にも。まずは軽いエクササイズで、歩くための筋力を鍛えましょう。

片脚ひざ伸ばし(座位)

  1. 姿勢は維持したまま、手を後方につき、 長座で片脚を曲げる。
  2. 伸ばした脚のひざの下に8つ折り程度にしたバスタオルを置き、タオルを押すようにひざを伸ばす。
  3. 伸ばしたときにかかとが地面から離れるようにして5秒キープ。
  4. 左右脚を換えて各5回を目安に行う。

もっとできるという人は……

ひざの下に敷いたタオルをはずす

ひざの下に敷いたタオルをはずして、ひざの裏を地面につけるようにします。しっかりと伸びる健康なひざであれば、かかとが地面から1~2cm離れるはず。エクササイズを続け、ひざの柔軟性を取り戻しましょう。

【美脚エクササイズ2】片脚ひざ伸ばし(立位)

歩くときにひざをしっかりと伸ばし、脚を持ち上げる筋力を鍛えます。

片脚ひざ伸ばし(立位)

  1. 姿勢を正して立った状態で、つま先を下にし、片脚を軽く曲げて持ち上げる。
  2. 脚を持ち上げたまま、ひざをまっすぐ伸ばし5秒キープ。
  3. 脚を換えて左右各5回を目安に。

NG例

NG例

脚を伸ばすために、背中が曲がるのはNG。姿勢は正したまま、ひざを伸ばし、脚が持ち上がるように気を付けて。

【美脚エクササイズ3】片脚蹴り出し

脚を蹴り出すときにひざを伸ばす筋力を鍛えます。ひざが伸びれば、蹴り出しから着地までスムーズに、重心のブレがなく行えます。下肢のエクササイズはヒップアップ効果も期待できます。

片脚蹴り出し

  1. 片脚のひざを伸ばし、少し後ろに引く。
  2. ひざは伸ばしたまま、後ろに脚を持ち上げて5秒キープする。
  3. 左右脚を換えて各5回を目安に。

NG例

脚を持ち上げるときに、体を前傾させないように注意! 股関節の可動域を広げるように意識して。

NG例

【美脚エクササイズ4】スクワット

スクワットは、歩行に欠かせない下半身全体の力を鍛えるのに最適な動きです。無理のない範囲で行いましょう。

スクワット

  1. 足を肩幅より少し大きく開いてつま先は少し外に向けて立つ。ひざはつま先と同じ方向に曲げるように。
  2. 上半身はそのまま、いすに座るイメージでゆっくりと腰を落とす。曲げる角度は60度程度でOK。
  3. 10回を目安に行う。

NG例

ひざをつま先より前に出すと、体重がすべてひざにかかり、痛みをより強める恐れがあります。ひざを内側に曲げると筋肉が鍛えられないどころか、痛みを起こすことにも。  

NG例

もっとできるという人は……

もっとできるという人は

  1. 脚を前後に開き、体重を前方にかけるような姿勢をとる。
  2. そのまままっすぐ腰を落とし、ひざの角度が左右ともに90度となるところで止め、ゆっくりと元に戻す。ひざを床につけないように。
  3. 脚を換えて左右各10回を目安に。

きれいな歩き方で脚もおなかもすっきり

おなかもすっきり

下肢全体の筋力を鍛えるのにおすすめなのがスクワットです。大腿四頭筋やハムストリングスが効率よく鍛えられ、重心のバランスも整うため、ふらつきや転倒予防にもなります。

また、美しい歩き方による健康効果の他に、美脚やヒップアップなどの見た目にも効果が表れるのが下肢のエクササイズのうれしいところ。長時間歩くことも苦痛でなくなり、脂肪燃焼や動脈硬化予防のウォーキングもラクに行えるようになります。

ひざの曲げ伸ばしで注意したいのが、正しい向き。内側や外側にぶれていると、乱暴に扱ったドアの蝶つがいのように、どんどん老化してしまいます。

ひざの痛みや体のバランスの変化は、急にはやってはきません。今日歩けたなら、明日も歩けるはず、と毎日できることを確認しながらエクササイズを行うことが、一生歩くことにつながっていきます。

最後に、セレモニーなどで正座をするときのアドバイスを。曲げたひざに全体重をかける正座は、ひざの裏の腱を痛め、ひざの痛みを生じさせてしまう行為ともいえます。そのため、正座をするときは、ひざにかかる体重を分散させることが大切です。小さな座椅子を使う、タオルを折ってひざに挟むなどして、お尻を少し浮かせるだけで、ひざへの負担が軽減できますよ。

「大人のための美からだ学」を教えてくれたのは?

中村格子(なかむら・かくこ)
整形外科医 医学博士 スポーツドクター
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長
「健康であることは美しい」をモットーにトップアスリートから一般まで健康で美しい人生をサポートをすべく自身のクリニックや講演、多数メディアなどで幅広く活動。特別な道具やテクニックは必要なく誰でも取り組みやすい独自のエクササイズを提案。
『大人のラジオ体操』(講談社刊)はシリーズ累計83万部。『究極のストレッチ』(日経BP社刊)は複数の海外翻訳版発行。
Dr.KAKUKOオンラインクラス開講中 https://dr-kakuko.teachable.com/
取材・文=中嶋信次(編集部) ヘアメイク=木村三喜(マスキュラン) 撮影=中西裕人(編集部) 衣装協力=チャコット

※この記事は雑誌「ハルメク」2013年5月号に掲載した記事を再編集しています。

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