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- 指の第二関節が腫れる原因とは?受診の目安も紹介!
「急に指が腫れる」「一本だけ第二関節が腫れて曲げられない」などの症状が起こる原因や対処法、すぐに受診すべき症状について解説します。指が腫れる仕組みや腫れやすい人の特徴・年齢は病気によってさまざまです。適切に対処して悪化を防ぎましょう。
指の第二関節が腫れる!考えられる病気は?
指が腫れる場合に考えられるのは、細菌などの感染や突き指・骨折などの外傷・しもやけによる血流障害などですが、第二関節のみが腫れている場合は何らかの病気の可能性もあります。
ここでは、指の第二関節が腫れている場合に、主な原因として考えられる2つの病気の症状や原因などを詳しくご紹介します。
ブシャール結節
ブシャール結節は、指の第二関節に変形や腫れ、屈曲などが起こる病気です。骨同士が擦れ合い、「骨棘(こつきょく)」というトゲのような突起ができることで生じます。
40代以上の女性、特に閉経前後や更年期以降の女性に発症しやすいのが特徴です。
症状
ブシャール結節の症状は、親指以外の4本の指のうち一本、もしくは複数の第二関節に腫れや痛み、こわばりなどが現れるのが特徴です。変形が進行すると関節を動かしにくくなったり、稀に関節に水がたまったりすることもあります。
痛みが強くなると、手を強く握れなくなる、雑巾を強く絞れない、ペンや箸がうまく使えないなど日常生活に支障をきたす可能性もあるでしょう。
なお、指の第一関節が腫れる場合は、ブシャール結節と同じ変形性関節症に分類される「へバーデン結節」かもしれません。
へバーデン結節も、ブシャール結節と同じく更年期以降の女性に多く見られるため、ハルメク世代は注意が必要です。
原因
原因ははっきりとわかっていませんが、加齢や更年期や妊娠・出産時のホルモンバランスの乱れ、遺伝、腎臓機能の低下、家事などでの手先の使い過ぎ(オーバーユース)などが関係しているといわれています。
検査方法
まずは問診を行い、物をつまんだり握ったりする動作で痛みが出現するか、熱を持ったり赤くなったりしていないか、指の腫れや変形具合を触診で確認します。
ブシャール結節では血液検査の数値に異常は出ないため、他の病気との鑑別のために血液検査を行うこともあるでしょう。
その後、関節の隙間が狭くなる、亜脱臼(自分で外れた関節を戻せる程度の脱臼)や骨棘など、関節破壊が認められるかどうか、医師が単純レントゲン写真で確認します。
治療方法
ブシャール結節と診断されたら、テーピングなどで腫れている箇所を固定し、安静を保って痛みを抑えます。その上で湿布や軟膏、温熱療法、炎症鎮痛剤、その他の薬物療法などを行うのが一般的です。
症状が強く、日常生活に支障が出ている場合は、腱(指を曲げる機能を担う部分)を部分的に切除する手術が検討されます。
セルフケア
痛みが強いときは、安静にすることが大切です。指の先に過度な負担がかからないように注意しましょう。
初期の段階であれば、エクオールを増やすことが有効と考えられています。エクオールは腸内細菌で作られるため、納豆や味噌などの発酵食品、食物繊維を多く含む食品を積極的に取るのがおすすめです。
安静にしても症状が改善されない場合や、指を少し使っただけでも痛みが出るなど日常生活に支障をきたしている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
関節リウマチ
関節リウマチは、自分の体内にある免疫細胞が間違えて手や足の関節を攻撃してしまい、関節が炎症を起こす病気で、膠原病(こうげんびょう)の一つ。指の第二関節や付け根に痛みや腫れが現れるのが特徴です。
以前はリウマチというと高齢の人がなる病気だと考えられていましたが、発症のピークは30〜50代で、男性よりも女性の方が多く発症することがわかっています。
50代頃の女性で、日頃手をたくさん使うわけではないのに指が腫れている場合は、まず関節リウマチが疑われます。
症状
関節リウマチは、関節が炎症を起こすことで以下のような症状が起こります。
- 手指や足の指、肘や膝の関節の痛み
- 関節の腫れ、変形
- だるさや微熱、首や脇のリンパの腫れ
- 手首や肘、膝にこぶができる
- 朝に起こる手のこわばり
関節リウマチは、激しい痛みや腫れを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが特徴です。
炎症を起こして軟骨や骨が破壊され、関節の機能が損なわれてしまいます。そのまま放置すると、関節が変形してしまうため、早めの対処が重要です。
関節に現れる症状の他にも、発熱や食欲不振、疲れやすいなどの全身症状が生じ、肺や血管などにまで広がることもあります。
原因
関節リウマチは、免疫細胞が関節を覆う滑膜内の正常な細胞を攻撃することで起こります。
遺伝や感染症、妊娠・出産、虫歯、喫煙などの環境的な要因が影響を与えているといわれていますが、なぜそのような異常が起こるのかは未だ明確にわかっていません。
検査方法
関節リウマチが疑われる場合、まずは関節がどのように痛むか、朝に手のこわばりがないか、倦怠感やその他の症状がないかなどの問診を行います。
その後は、以下の検査を行って関節リウマチの診断を行います。
- 視診・触診:関節の腫れ具合や熱感の有無、リウマチ結節(こぶのようなもの)がないかなどを確認する。
- レントゲン検査:リウマチ特有のびらん(炎症によって骨に穴があいた状態)や、関節裂隙の狭小化(関節の隙間が狭くなった状態)などがないか確認する。
- 血液検査:CRPや血沈などの炎症反応、MMP-3、抗CCP抗体などの項目を検査する。
- 関節液検査:関節液の色や粘稠度、白血球数などを確認する。
治療方法
関節リウマチに対しては、抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤を基本とする薬物療法を行いますが、症状の強さによってはステロイド剤や免疫抑制剤、生物学的製剤を用いることもあります。
リハビリテーションや理学療法も取り入れたり、補助療法としてステロイド剤やヒアルロン酸製剤の関節内注射を行ったりすることもあるでしょう。
炎症が全身の関節にまで及ぶと、関節や背骨の手術が必要になる可能性もあるため、早期に治療を開始することが大切です。
セルフケア
関節リウマチは、基本的に一生付き合っていく病気です。進行を抑えて症状を改善するためにも、日常生活の中でできるセルフケアを行うことが大切になります。
痛みや手のこわばりによって日常の身の回りのことに時間がかかってしまいますが、無理のない程度にできるだけ自分で行うようにしましょう。
また、適正体重を保って関節への負担を減らすよう、食生活に注意してウォーキングや曲げ伸ばしのストレッチなどの適度な運動を行ってください。
指を曲げると第二関節が痛い場合は?
上記でご紹介したブシャール結節や関節リウマチでも、指を曲げると痛みを感じることがありますが、「ばね指」いわゆる腱鞘炎や剥離骨折、靭帯損傷などの可能性もあるでしょう。
指の付け根の手のひら側、もしくは第二関節が曲がって伸ばせなくなっている場合などは、ばね指が疑われます。
ばね指とは、指の使い過ぎによって指の腱と腱鞘の周辺の炎症が強くなり、それが慢性的に続くことで腱鞘が分厚くなって腱が引っかかった状態のこと。
ばね指は妊娠出産期の女性だけでなく、更年期の女性にも多いため、ハルメク世代も注意が必要です。
また、どこかにぶつかったり挟んだりなどした自覚があり、皮下出血がみられる場合は「PIP関節脱臼骨折」や「PIP関節側副靭帯損傷」などの可能性もあります。
以前スポーツで突き指をしたなどの経験がある場合も、剥離骨折や靭帯損傷が疑われます。
指が腫れるときの対処法とすぐに受診すべき症状
指は日常的によく使用するため、急に腫れや痛みが生じると困ってしまうことがあります。
指の腫れで緊急性の高い病気であるケースは少ないため、これからご紹介する方法で一旦対処しておき、早めに都合をつけて医療機関を受診するのもおすすめです。
ただし、症状がなくなった場合でも、指が腫れる原因を知るために必ず医療機関を受診しましょう。
ここでは、指が腫れるときの対処法とすぐに受診すべき症状をご紹介します。
安静にして様子をみるのも一つの方法
指の腫れに痛みが伴う場合は、冷やしたり安静にしたりする、痛み止めの軟膏や湿布を使用するなどして様子をみるのも一つの方法です。
市販のテーピングを使用して患部を固定してみるのも有効ですが、指先がうっ血しないよう注意しましょう。
痛みやかゆみがないのに指が腫れている場合は、水分や塩分の取り過ぎによって一時的にむくんでいるだけの可能性もあるため、一旦様子をみてください。
ただし、指の腫れ以外にも症状がある場合や指を動かしにくい場合、一本だけ腫れている場合は何らかの病気によって症状が出ている可能性もあります。
放置すると悪化する恐れもあるため、数日以内に症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
腫れだけでなく皮下出血している場合などはすぐに受診
安静にする、冷やす、テーピングで固定するなどの応急処置を行って症状が落ち着いた場合でも、指が腫れた原因を知るために早めに医療機関を受診する必要があります。
指の腫れで緊急性の高い病気であるケースは少ないですが、何のきっかけもなく一本の指に腫れや痛みが起こったうえに皮下出血もしているような場合は、骨折している可能性も考えられます。
50代以降の女性は、閉経に伴って骨粗鬆症になりやすく骨折しやすいため、すぐに受診すべきだといえるでしょう。
また、アッヘンバッハ症候群も年齢に伴って血管が脆弱化し、血管が破れて血腫ができる病気で手指の腫れに内出血を伴います。
数日経つと症状は自然に治りますが、血腫の大きさによっては神経や血管が圧迫され、指を曲げにくくなったり指が白くなったりすることもあります。
状態をよく観察して適切に対処しよう!
指の第二関節が一本だけ腫れるときに考えられるのは、ブシャール結節や関節リウマチなどの病気です。
どちらも更年期頃の女性に起こりやすいため、ハルメク世代は特に注意が必要です。
日常的に指をよく使う人や負荷がかかる動きをすることが多い人、他に何らかの病気を患っている人などは、日頃から指への負担を軽減するよう工夫し、腫れや痛みが出た場合は無理せず早めに受診するようにしましょう。
監修者プロフィール:北城雅照さん
東京の足立区に整形外科専門病院である慶友整形外科脊椎関節病院と、整形外科のクリニックである足立慶友整形外科を運営する医療法人円徳の理事長。クリニックは年間延べ10万人以上の患者様が来院。また、instagramやTikTokでも積極的に情報を公開。
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