SPFとは?日焼け止めの選び方と効果的な使い方【医師監修】

SPFとは?日焼け止めの選び方と効果的な使い方【医師監修】

公開日:2025年10月21日

SPFとは?日焼け止めの選び方と効果的な使い方【医師監修】

日焼け止めを選ぶときによく目にする「SPF」。実は、50代・60代の私たちの肌を守るために、とても大切な指標なのです。この記事では、美容皮膚科医の小阪捺稀先生の監修のもと、日焼け止めの選び方と効果的な使い方をお伝えいたします。

小阪 捺稀
監修者
小阪 捺稀
監修者 小阪 捺稀 仙台N美容クリニック

この記事3行まとめ

✓SPFとは紫外線B波(UVB)を防ぐ効果を示す指標で、PAは紫外線A波(UVA)を防ぐ指標です。
✓50代・60代は肌が乾燥しやすくバリア機能が低下しているため、保湿成分配合で肌に優しい日焼け止めを選びましょう。
✓日常生活ではSPF30・PA+++程度を目安に、シーンに合わせて使い分け、こまめな塗り直しを心掛けることが大切です。

SPFとは?

プラナ / PIXTA

「SPF」とは "Sun Protection Factor" の略で、肌を赤くヒリヒリさせてしまったり、肌に炎症が起きた状態の日焼け(サンバーン)の原因となる紫外線B波(UVB)を防ぐ効果の高さを示す指標です。数値が大きいほど、UVB波から肌を守る効果が高いことを意味します。

例えば、何も塗らない状態で20分で肌が赤くなる人がSPF30の日焼け止めを塗った場合、単純計算の目安で、約10時間日焼けを遅らせることができる、という目安になります。

一方、日焼け止めには「PA」という表示もあります。これは "Protection Grade of UVA" の略で、肌の奥深くまで届き、シワやたるみといった肌の老化を促進する紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の高さを示します。「+」の数で表され、現在は「PA++++」が最も高い効果を示します。

50代・60代の肌は、長年浴びてきた紫外線の影響が蓄積されている上、加齢により皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなっています。肌の水分が不足すると、外部からの刺激を受けやすくなるだけでなく、肌表面のキメが乱れて紫外線の影響をさらに受けやすい状態に。

また、肌の新陳代謝であるターンオーバーのサイクルも遅くなりがちで、生成されたメラニンが排出されにくく、シミとして定着しやすくなります。そのため、シミやシワ、たるみといった肌トラブルが目立ちやすくなるだけでなく、皮膚がんのリスクも高まります。

だからこそ、SPFとPAを正しく理解し、適切に紫外線対策を行うことが、今の肌と未来の肌の健康を守る鍵となるのです。

紫外線を浴びることで起こる主な症状

SPFやPAで防ぐべき紫外線ダメージは、肌にさまざまな症状として現れます。

よく見られる身体的症状

紫外線を浴びることで起こる肌の症状には、急性のものと慢性のものがあります。

  • サンバーン(急性):紫外線を浴びた数時間後から肌が赤くなり、ヒリヒリと痛む状態です。ひどい場合は水ぶくれになることもあります。主にUVBが原因です。
  • サンタン(急性〜慢性):紫外線から肌を守るためにメラニン色素が作られ、肌の色が濃くなる状態です。主にUVAが原因で起こります。
  • シミ・そばかす(慢性):長年紫外線を浴び続けることでメラニンが過剰に生成され、肌に沈着してしまった状態です。
  • シワ・たるみ(慢性):UVAが肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌の弾力が失われることで生じます。
  • 乾燥:紫外線のダメージにより肌のバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすくなることで起こります。

心理的な変化

目に見える肌の変化は、私たちの心にも影響を与えることがあります。

  • 自信の喪失:シミやシワが増えることで、「老けて見られるのではないか」と感じ、人と会うのが億劫になったり、おしゃれを楽しめなくなったりすることがあります。
  • 将来への不安:「これからもっとシミが増えるのだろうか」「皮膚がんになったらどうしよう」といった、将来の肌状態に対する不安を感じやすくなることも少なくありません。

統計データ

厚生労働省の患者調査など、公的な統計では「紫外線による皮膚障害」といった直接的な項目での大規模調査は限定的ですが、皮膚がんの罹患率データは参考になります。

国立がん研究センターの統計によると、皮膚がんの罹患率は高齢になるほど高くなる傾向にあり、長年の紫外線曝露がその大きな要因の一つと考えられています。特に屋外で過ごす時間が長かった方は注意が必要です。これは、若い頃から浴びてきた紫外線の影響が、時間をかけて肌に現れてくることを示唆しています。

紫外線が肌に与える影響と日焼けのメカニズム

koti / PIXTA

主な原因

肌トラブルの主な原因は、太陽から降り注ぐ「紫外線」です。紫外線には主に「UVA」と「UVB」の2種類があり、それぞれ肌への影響が異なります。

1. 環境的要因(紫外線B波・UVB)

UVBは、エネルギーが強く、主に肌の表面(表皮)にダメージを与えます。短時間で肌に炎症を起こさせ、赤くヒリヒリさせる「サンバーン」の主な原因です。

また、表皮の細胞やDNAを傷つけるため、シミやそばかす、そして皮膚がんのリスクを高める原因にもなります。

2. 環境的要因(紫外線A波・UVA)

UVAは、UVBほどエネルギーは強くありませんが、波長が長いため肌の奥深く(真皮)まで到達します。肌のハリや弾力を支えているコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみといった「光老化」と呼ばれる現象を引き起こします。

UVAは雲や窓ガラスも通り抜ける性質があるため、曇りの日や室内でも対策が必要です。

3. 社会・行動要因

50代・60代になると、子育てが一段落したり、退職を迎えたりと、ライフスタイルが変化し、屋外で過ごす時間が増えることがあります。

ガーデニングや旅行、スポーツなど、趣味を楽しむ時間が増える一方で、知らず知らずのうちに紫外線を浴びる機会が増加し、肌へのダメージが蓄積しやすくなる傾向があります。

発症メカニズム

紫外線が肌に当たると、肌は自らを守るために防御反応を示します。まず、表皮にあるメラノサイトという細胞が活性化し、メラニンという色素を作り出します。このメラニンが、いわば“天然の日傘”のように働き、紫外線が肌の奥へ侵入するのを防ぎます。

日焼けして肌が黒くなる「サンタン」は、このメラニンが増えた状態です。通常、メラニンは肌のターンオーバー(新陳代謝)によって垢として排出されます。しかし、長年にわたり紫外線を浴び続けたり、加齢によってターンオーバーが乱れたりすると、メラニンが過剰に作られ、排出されずに肌内部に蓄積してしまいます。

これが「シミ」の正体です。また、メラニンが生成されるのは、日焼け後約72時間の間といわれています。その間にメラニンの生成を抑えることが大切です。

また、肌の奥まで届くUVAは、ハリを保つコラーゲンなどをじわじわと破壊していきます。このダメージが長年蓄積することで、肌は弾力を失い、「シワ」や「たるみ」として現れるのです。

リスク要因

以下のような方は、紫外線の影響を受けやすいため、特に注意が必要です。

  • 色白で、日焼けすると赤くなりやすい方
  • 屋外での活動(仕事、趣味など)が多い方
  • 若い頃によく日焼けをしていた方
  • 日焼け止めを塗る習慣がない方
  • 家族に皮膚がんになった人がいる方

これらのリスク要因に当てはまる方は、より一層意識的な紫外線対策を心がけましょう。

日焼けや紫外線ダメージに関する皮膚科での相談

Luce / PIXTA

次に、受診する場合の流れについて説明します。

いつ受診すべきか

以下のような症状が見られる場合は、早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

  • 日焼け後にひどい水ぶくれや発熱、強い痛みを伴う場合
  • シミの形が左右非対称、色がまだら、急に大きくなったなど、変化が見られる場合
  • ほくろだと思っていたものの形や大きさ、色味が変わってきた、出血するようになった場合
  • 治りにくい湿疹や、かさぶたのようなものが繰り返しできる場合

自己判断で放置せず、専門医に相談することが大切です。

診断の流れ

皮膚科では、まず見た目の状態(視診)を確認し、必要に応じて詳しい検査を行います。

1. 問診で確認すること

医師は、診断の手がかりを得るために、以下のような質問をします。的確な診断のために、できるだけ詳しく答えましょう。

  • いつからその症状に気づきましたか?
  • 症状はどのように変化していますか?(大きさ、色、形など)
  • 痛みやかゆみはありますか?
  • 普段、どのくらい紫外線を浴びる生活をしていますか?
  • 日焼け対策はしていますか?
  • これまでにかかった病気や、家族の病気について教えてください。

2. 身体検査

問診の後、医師が詳しく皮膚の状態を観察します。ダーモスコピーという、光を当てて皮膚を拡大して観察する特殊な虫眼鏡のような機器を使うこともあります。これにより、シミやほくろが悪性のものでないかを、より詳しく調べることができます。検査に痛みは伴いません。

3. 代表的な検査例

悪性の病気が疑われる場合など、より詳しい診断が必要な際には、以下のような検査を行うことがあります。(医師により必ず実施するわけではありません)

  • 皮膚生検:局所麻酔をして、病変の一部をメスなどで小さく切り取り、顕微鏡で詳しく調べる検査です。確定診断のために行われます。

受診時の準備

受診する際は、以下のものを準備しておくと診察がスムーズです。

  • 健康保険証、お薬手帳
  • 症状の変化がわかるメモ:いつから、どんな変化があったかを時系列でメモしておくと、医師に伝わりやすくなります。スマートフォンのカメラで定期的に撮影しておくのも良い方法です。
  • 質問したいことのリスト:不安なことや疑問に思うことを事前にリストアップしておくと、聞き忘れを防げます。

受診すべき診療科

肌の気になる症状については、まずは皮膚科を受診するのが一般的です。シミやシワなどの美容的なお悩みについては、美容皮膚科も選択肢になります。かかりつけの医師がいる場合は、まず相談してみるのも良いでしょう。どの科を受診すればよいか分からない場合は、お住まいの自治体の保健所や相談窓口で情報提供を受けられることもあります。

日焼け後のケアとシミ・シワの治療法

ダイ / PIXTA

治療方針の決定

シミやシワの治療は、その種類や状態、ご本人の希望によって方針が異なります。皮膚科や美容皮膚科では、医師が肌の状態を正確に診断した上で、どのような治療法が適しているか、期待できる効果やダウンタイム(治療後に通常の生活に戻るまでの期間)、費用などについて詳しく説明してくれます。

その説明に納得した上で、ご自身に合った治療法を医師と一緒に決めていくことが大切です。

薬物療法

シミに対しては、以下のような塗り薬や飲み薬が用いられることがあります。

  • ハイドロキノン(塗り薬):メラニンの生成を抑える働きがあり、シミを薄くする効果が期待できます。
  • トレチノイン(塗り薬):肌のターンオーバーを促進し、メラニンの排出を助けます。
  • ビタミンC、トラネキサム酸(飲み薬):メラニンの生成を抑えたり、炎症を抑えたりする作用があり、シミの改善や予防のために処方されることがあります。

これらの薬は、医師の処方が必要です。赤みやかぶれなどの副作用が出る可能性もあるため、自己判断で使用せず、必ず医師の診断と指導のもとで正しく使用してください。

非薬物療法

美容皮膚科では、より積極的な治療として、以下のような施術が行われることがあります。

  • レーザー治療:特定の波長の光を照射し、シミの原因であるメラニン色素のみを選択的に破壊する方法です。薄くお顔全体に広がるシミよりは、濃くはっきりとしたシミに効果的です。
  • 光治療(IPL):幅広い波長の光を照射することで、シミやそばかす、赤ら顔など、さまざまな肌トラブルを同時に改善する治療法です。
  • ケミカルピーリング:酸性の薬剤を肌に塗り、古い角質を取り除くことで、肌のターンオーバーを促します。

これらの治療は、効果が期待できる一方で、ダウンタイムやリスクも伴います。治療を受ける前には、必ず専門医から十分な説明を受け、納得した上で選択することが重要です。

生活習慣による管理

できてしまったシミやシワを悪化させない、また新たなトラブルを防ぐためには、日々の生活習慣が非常に重要です。

  • 徹底した紫外線対策:日焼け止めを毎日塗ることを習慣にし、帽子や日傘も活用しましょう。
  • バランスの取れた食事:抗酸化作用のあるビタミンC(パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツなど)やビタミンE(ナッツ類、アボカドなど)、β-カロテン(にんじん、かぼちゃなど)を積極的に摂りましょう。トマトやスイカに含まれるリコピン、緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールも、体の内側からのケアに役立ちます。
  • 十分な睡眠:睡眠中に分泌される成長ホルモンが、日中に受けた肌ダメージの修復を助けます。質の良い睡眠のため、就寝1〜2時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控え、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなど、リラックスできる環境を整えるのがおすすめです。
  • 正しい保湿ケア:肌が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線の影響を受けやすくなります。洗顔後はすぐに化粧水や乳液で十分に保湿しましょう。セラミドやヒアルロン酸などの高保湿成分が配合された化粧品を選ぶのも効果的です。

治療期間と予後

シミやシワの治療は、一朝一夕に効果が出るものではありません。治療法にもよりますが、数か月から一年以上かかることも珍しくありません。

特に、内服での治療の場合まず、最低半年間程は様子をみていく必要があります。治療で一度きれいになっても、その後の紫外線対策を怠れば再発する可能性があります。

根気強く治療を続けること、そして治療後も継続してセルフケアを行うことが、美しい肌を維持するための鍵となります。

予防法と日常生活での注意点

starmix / PIXTA

一次予防(発症予防)

シミやシワなどの紫外線ダメージを未然に防ぐためには、日々の予防が最も効果的です。

  • 日焼け止めを習慣にする:天候や季節、屋内外を問わず、毎日、顔や首、手の甲など、衣類で覆われていない部分に日焼け止めを塗りましょう。
  • 紫外線の強い時間帯を避ける:一般的に午前10時から午後2時頃までは紫外線が最も強くなります。できるならば、この時間帯の長時間の外出はなるべく避けましょう。
  • 物理的な遮光を心がける:帽子(つばの広いもの)、日傘、サングラス、UVカット機能のある衣類(長袖、長ズボン)などを活用し、肌に直接紫外線が当たるのを防ぎましょう。
  • 経口の紫外線対策(いわゆる“飲む日焼け止め”)を併用する:必要に応じて飲み薬での日焼け止めを併用するのもおすすめです。飲む日焼け止めは紫外線をカットするのではなく、あらかじめ飲んでおくことで、紫外線による肌ダメージを軽減するのが主な目的です。

二次予防(早期発見・早期治療)

毎日ご自身の肌をチェックする習慣をつけましょう。

  • セルフチェック:お風呂上がりなどに、鏡で全身の肌をチェックし、シミやほくろの形・色・大きさに変化がないかを確認します。「何かおかしいな」と感じたら、早めに皮膚科を受診することが、万が一の病気の早期発見につながります。

日常生活の工夫

紫外線と上手に付き合いながら、生活の質を保つための工夫をご紹介します。

シーンに合わせた日焼け止めの選択

  • 日常生活(散歩、買い物など):SPF10〜30、PA++〜+++程度
  • 屋外での軽いスポーツやレジャー:SPF30〜50、PA+++〜++++
  • 炎天下でのマリンスポーツなど:SPF50+、PA++++で、水に強い「ウォータープルーフ」タイプ

テクスチャーで選ぶ:日焼け止めにはさまざまな種類があります。ご自身の肌質や好みの使用感で選び、毎日心地よく使えるものを見つけるのが長続きのコツです。

  • クリームタイプ:保湿力が高く、しっとりした使用感。乾燥が気になる方におすすめです。
  • 乳液・ジェルタイプ:みずみずしく、伸びが良いのが特徴。白浮きしにくく、普段使いに最適です。
  • スプレータイプ:髪や背中など、手の届きにくい部分にも手軽に使えます。塗り直しにも便利ですが、ムラになりやすいので、肌に近づけてスプレーしたり、スプレー後に手でなじませたりする工夫が必要です。
  • パウダータイプ:メイクの仕上げや、日中の塗り直しに便利です。皮脂を抑え、さらっとした肌を保ちます。

正しい塗り方

  • 十分な量を使う:メーカーが推奨する量を使いましょう。量が少ないと、表示されている効果が得られません。顔全体ならパール粒2つ分程度が目安です。
  • ムラなく塗る:おでこ、鼻、両頬、あごの5点に置き、そこから指の腹全体を使って、優しく丁寧に顔の中心から外側に向かって広げます。髪の生え際、フェイスライン、耳、首の後ろ、デコルテ、そして年齢の出やすい手の甲なども忘れずに塗りましょう。
  • こまめに塗り直す:汗をかいたり、タオルで拭いたりした後はもちろん、2〜3時間おきに塗り直すのが理想です。

家族・周囲のサポート

ご家族やご友人と一緒に紫外線対策に取り組むのも良い方法です。

  • 情報の共有:「この日焼け止め、使い心地が良かったわよ」など、お互いにおすすめのアイテムや工夫を教え合うことで、楽しく対策を続けられます。
  • お互いの声かけ:「日差しが強いから帽子をかぶったら?」「日焼け止め、塗り直した?」といった、さりげない声かけが、うっかり日焼けを防ぐ助けになります。

よくある質問(FAQ)

Nishihama / PIXTA

Q1: SPF値は高ければ高いほど良いのでしょうか?

A: 必ずしもそうとは言えません。SPF値が高いものは、紫外線防御効果が高い反面、肌への負担が大きくなる傾向があります。

大切なのは、生活シーンに合わせて適切なSPF値の日焼け止めを選ぶことです。日常的な買い物や散歩程度であればSPF30程度で十分な場合が多く、炎天下でのレジャーなど、紫外線を長時間浴びる特別な時だけSPF50+のものを選ぶなど、使い分けるのが肌への負担も少なくおすすめです。

Q2: PAとは何ですか?SPFだけ見ていれば大丈夫ですか?

A: PAは、シワやたるみの原因となる紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の指標です。SPFは肌を赤くする紫外線B波(UVB)を防ぐ指標なので、両方の対策が必要です。

UVAは窓ガラスも透過するため、室内にいるときでも肌に影響を与えます。若々しい肌を保つためには、SPFとPAの両方の表示を確認して日焼け止めを選ぶことが非常に重要です。

Q3: 去年の夏に使った日焼け止めが残っています。使っても大丈夫ですか?

A: 一度開封した化粧品は、品質が劣化している可能性があります。特に日焼け止めは、表示されている紫外線防御効果を十分に発揮できなくなっていることも考えられます。

雑菌が繁殖している恐れもありますので、肌トラブルを避けるためにも、開封後1年以内を目安に使い切り、残ってしまった場合は新しいものを使用することをおすすめします。

Q4: 敏感肌でも使える日焼け止めはありますか?

A: はい、あります。敏感肌の方は、「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル処方」と表示されているものを選ぶと良いでしょう。これは、紫外線を反射させて肌を守る「紫外線散乱剤」を主成分としたもので、肌への刺激が少ないとされています。

また、「アルコールフリー」「無香料」「無着色」「パッチテスト済み」などの表示も参考になります。

Q5: 日焼け止めは、どのくらいの頻度で塗り直せば良いですか?

A: 2〜3時間おきに塗り直すのが理想的です。日焼け止めは汗や皮脂、摩擦などで落ちてしまうため、効果を持続させるにはこまめな塗り直しが欠かせません。

特に汗をたくさんかいた後や、海やプールから出た後、タオルで肌を拭いた後などは、すぐに塗り直すように心がけましょう。

Q6: 「飲む日焼け止め」だけで紫外線対策は万全ですか?

A: 「飲む日焼け止め」として販売されている製品の多くは、抗酸化作用のある成分を含むサプリメントです。紫外線によるダメージを内側から軽減する補助的な役割は期待できますが、塗る日焼け止めのように紫外線を直接ブロックするわけではありません。

したがって、「飲む日焼け止め」だけで対策が万全とは言えません。必ず塗る日焼け止めと併用することが大切です。

Q7: 日焼け止めの正しい落とし方を教えてください。

A: 日焼け止めの落とし方は、製品によって異なります。石けんや普段お使いの洗顔料で落とせるものもあれば、クレンジングが必要なものもあります。特にウォータープルーフタイプのものは、専用のクレンジングでないと落ちにくい場合があります。

製品のパッケージに記載されている落とし方をよく確認し、その日のうちにきちんと洗い流すことが肌への負担を減らすポイントです。

Q8: 曇りや雨の日、冬でも日焼け止めは必要ですか?

A: はい、必要です。曇りの日でも、晴れの日の半分以上の紫外線が降り注いでいると言われています。また、シワやたるみの原因となるUVAは、季節による変動が少なく、一年中注意が必要です。

天候にかかわらず、毎日のスキンケアの一環として日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。

Q9: 化粧下地やファンデーションにSPFが入っていれば、日焼け止めは不要ですか?

A: 化粧下地やファンデーションだけでは、十分な紫外線防御効果を得るのが難しい場合があります。なぜなら、効果を発揮するために必要な量を塗れていないことが多いからです。

安心のためには、スキンケアの最後にまず日焼け止めを塗り、その上からSPF表示のある下地やファンデーションを重ねるのがおすすめです。

Q10: 効果的な紫外線対策で、未来の肌は変わりますか?

A: はい、大きく変わります。今からでも、毎日コツコツと正しい紫外線対策を続けることで、未来のシミやシワ、たるみを予防し、肌の健康を維持することができます。肌の変化に一喜一憂することなく、前向きな気持ちでケアを続けることが、5年後、10年後の自信に満ちたご自身の肌へとつながります。諦めずに、今日から始めてみましょう。

まとめ

ネモ / PIXTA

大切なポイント

  • SPFはUVB(サンバーン)、PAはUVA(光老化)を防ぐ指標。両方を意識して選ぶことが大切です。
  • 治療でシミが改善しても、日々の紫外線対策を怠れば再発の可能性があります。予防とケアの継続が鍵です。
  • 日焼け止めはシーンに合わせて使い分け、十分な量をムラなく塗り、こまめに塗り直すことで効果を発揮します。
  • 紫外線対策は、肌の健康を守るだけでなく、皮膚がんのリスクを減らす上でも非常に重要です。

これまで浴びてきた紫外線の影響を、今、肌で感じているかもしれません。でも、決して遅すぎることはありません。今日から始める正しい紫外線対策が、これからのあなたの肌を健やかに育んでくれます。未来の自分のために、楽しみながらケアを続けていきましょう。


健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ

この記事の健康情報は一般的な内容です。ご自身の症状や体調について心配なことがある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。

適切な診断・治療には専門医による個別の判断が不可欠です。自己判断せず、まずは信頼できる医師にお話しすることをおすすめします。

かかりつけ医について詳しく知る(厚生労働省)

 

 

監修者プロフィール:小阪捺稀 先生

監修者プロフィール:小阪 捺稀さん

日本医科大学卒業。大手美容クリニックにて院長経験後、2024年に仙台駅前で「仙台N美容クリニック」を開業。カウンセリングからアフターサポートまで全て院長自らが行い、県外からも指名多数の人気クリニック。目元整形の症例は年間1500件以上を誇る。

 

HALMEK up編集部
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