食費節約の近道は冷蔵庫にあり!

お金がたまる!冷蔵庫の整理と管理のコツ

公開日:2020.06.26

更新日:2024.08.27

値上げラッシュに、家計は悲鳴をあげている今。節約のために食事の質を落とそうとしていませんか? 見直すべきは「冷蔵庫」なんだとか!食材や食費を無駄にしない冷蔵庫の管理術を、料理研究家でラク家事アドバイザーの島本美由紀さんに教わりました。

冷蔵庫の管理【冷蔵室・ドアポケット】
冷蔵庫の整理と管理のコツ

教えてくれた人:島本美由紀さん

島本美由紀さん

しまもと・みゆき 料理研究家・ラク家事アドバイザーとして家事をラク(楽しく、簡単)に、をモットーにテレビや雑誌で活躍。冷蔵庫収納や食品保存のスペシャリストとしても活動。近著『野菜保存のアイデア帖』(パイ インターナショナル刊)が好評発売中。

二人暮らしで損している金額は…年間4万4000円も!?

「冷蔵庫の奥で青菜がしなびている……」「あれ? 使いかけのからしのチューブが2本も」。こんな経験はありませんか? 実はこうした積み重ねが食費のムダを生むと、料理研究家でラク家事アドバイザーの島本美由紀さんは話します。

「横浜市の調査によると、買ったのに使い切れずに捨てた食材や食べ残しなどを合わせると、年間で一人当たり2万2000円分に及ぶそうです」と島本さん。

食費の無駄を生む大きな要因は、冷蔵庫を管理できていないこと。今ある食材を把握せず新たに買い足したり、使い切れずに腐らせてしまうことで、食材も食費もムダにしてしまっているのです。

島本さんが、お金がたまる冷蔵庫の条件としてまず挙げたのは「見やすさ」。「今ある食材を把握しやすければ、気付かない間に野菜が傷んだり、食べ忘れたりするのを防げます」。

また、冷蔵庫内で散らばりやすい調味料や使いかけの野菜などは「まとめておく」のが吉。見落として同じものを買うのを予防し、使いかけの食材を優先的に使おうという意識も生まれます。

最後に「取り出しやすさ」も重要です。重い容器同士を重ねたり、冷蔵庫の奥に食材をしまいこむとそれだけで手が遠のき、余らせがちになります。また、冷蔵庫を20秒開けていると庫内の温度は10度ほど上がります。取り出しやすく、冷蔵庫の開閉時間が短いことは電気代の節約にもつながるのです。

お金がたまる冷蔵庫はここが違う!

  • 見やすい
  • まとまっている
  • 取り出しやすい

「冷蔵室」はスペースが広い分、見落としを減らす工夫が肝心!

ここからは、さらに具体的な冷蔵庫の管理アイデアを、「冷蔵室」「ドアポケット」など場所別に紹介します。まず、冷蔵室です。

「中身が見える容器」で食材や料理を見逃さない

ホーロー容器(下写真右)はおしゃれですが、中身を忘れがち。左のように透明な容器が安心です。

中身が見える容器

「セット収納」で見落としを防ぐ

セット収納

こまごまとした瓶などはまとめることで見落としを防止。朝食セットなど、トレイにまとめておけばすぐに取り出せて節電効果も。

作り置きおかずは見やすい真ん中に置き、食べ忘れなし

作り置きおかずは見やすい真ん中に置く

早く食べた方がいい作り置きは、見やすい場所(真ん中の棚)で保存を。一方、見づらい最上段は、日持ちする飲み物などの置き場所に。

棚板の奥行きを半分にし、死角をなくす

棚板の奥行きを半分にし、死角をなくす

棚板は収納力を高める一方、上の写真のように下の段が見づらくなり、また食材をたくさん入れられるので買い過ぎも招きます。棚板はなるべく奥行きを半分にしましょう。

7割収納で見やすく、電気代もカット

7割収納で見やすく

冷蔵室は適度な余白があった方が、効率よく冷却できます。収納の目安は7割です。

「ドアポケット」には調味料をまとめ、使い忘れと余分買いを防止

「ドアポケット」には調味料をまとめ

調味料はまとめて収納し、余分買いをなくす

ドアポケットは温度変化が大きく、生鮮食品の保存は不向き。一方、広い冷蔵室では行方不明になりやすいチューブ調味料などはここにまとめ、見落としをなくして余分買いを防ぎましょう。

開封日を書き、使い忘れを防止

開封日を書く

使用頻度が少ないものこそ、しっかり書いておきましょう。なるべく開封日から2~3か月以内に使い切りを。

塩・砂糖以外の調味料は冷蔵庫保存で変質を防ぐ

塩分や糖分が多い塩や砂糖、ハチミツ、アルコール度数が高い純米酒以外の調味料は冷蔵庫で保存を。変質を防ぎ、最後までおいしくいただけます。

次回は、食品ロスをなくして節約をするための冷蔵庫の整理と管理&レシピを教えてもらいます。

取材・文=大門恵子、大矢詠美(ともにハルメク編集部) 撮影=安部まゆみ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2019年10月号に掲載した記事を再編集しています。


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