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- 原発再稼働の意気込みを示す首相記者会見の足元では
避難指示が解除されたからといってすぐに住み慣れた故郷に帰れるでしょうか。壊れた家の修理、あるいは建て直す費用は? つてを頼って遠くへ避難した人たちは、そこでの生活を苦労しながらも始めていたことでしょう。
日本が進もうとしている先に見えるのは?
2022年7月14日岸田首相が電力供給確保について、官邸で記者会見をしました。今年冬の電力供給確保のため、最大9基の原子力発電所の再稼働を進めるように萩生田経済産業相に指示をしたそうです(2022年8月1日現在、7基稼働中)。
また、この冬のみならず、将来にわたって電力の安定供給が確保されるよう全力で取り組むことを強調し、追加的に休止中の火力発電所10基分の確保も指示したそうです。
最高裁が「原発に対する責任能力がない」とお墨付きを与えた国、日本の首相の記者会見です。
再生可能エネルギー・省エネルギー推進の世界的な流れにも逆行するこの記者会見、日本はどんな世界に向かって進もうとしているのでしょうか?
簡単です
「多面的に」「総合的に」考えてという言葉も政治の場面ではよく使われます。私はそう言われると、多面的・総合的に考える賢さを持ち合わせていない自分にがっかりします。
一方で、「多面的」や「総合的」の内容が、(なるほど、そういうふうに考えたら良いのか)と、納得できたことが滅多にないことも確かです。そして、青田さんの詩を読むと、一般市民の感覚こそが一番本質を突いているのではないかと思えるのです。
避難者から難民に
徐々に避難指示区域が解除されていることも、度々報道されていました。その時も私は違和感を持ちながらニュースを見ていました。半壊となった自宅を取り壊すのには補助金が出るけれど、建て直すのはもちろん、修理するのにさえ補助金は出ないという。なぜ?
避難指示区域が解除された地域に住んでいた人たちには、復興住宅の申し込み資格もなく、仮設住宅や借り上げ住宅からも出て行かなければならないという。なぜ?
シリーズを終えるに当たって
青田さんの布絵と詩に突き動かされて、4回のシリーズ(1回・2回・3回)で、「1冊の本『森の匂いは消えていった』との出合いから」をテーマに書いてきました。書く中で新聞の記事の中から、「福島」「裁判」「再稼働」などの言葉が浮き上がって目に飛び込んでくるようになりました。書くことの正確を期すために、たくさんのことを調べもしました。
そして分かりました。フクシマの原発問題は、「東北支援」という問題に留まらず、私たちの今・子や孫の未来について考える上で、避けて通れない問題なのだと。
青田さんのお宅には2回お邪魔し、何回か電話もし、こんな拙い文章を書くことをお許し頂きました。「布絵や詩は好きなように使ってくれて良いですよ」とも言って頂きました。このシリーズを一旦終えるに当たって心から感謝申し上げます。これから、朗読発表に向けて、青田さんの詩を入れたエッセイに取りかかろうと思います。
青田 惠子 作 『森の匂いは消えていった』は共感された方々が協力し合って出版された本です。
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