私の選択「小さな暮らし」で「豊かな人生」を(7)

一目惚れの「介護付き有料老人ホーム」「終の棲家」に

公開日:2022.05.06

更新日:2022.05.02

琵琶湖岸に位置する「介護付き有料老人ホーム」を「終の棲家」に選んだのはなぜか。脳出血後遺症のため身障者となり新たな視点で始めた「終の棲家」探し。発症から5年目に出合った「介護付き有料老人ホーム」に一目惚れ。広がる老後の夢。

一目惚れの「介護付き有料老人ホーム」「終の棲家」に
中国・湖南省から2隻のペーロン船が贈られたのを契機に1991年から始まった「琵琶湖ペーロン」夏の大会に向けて練習が目の前で繰り広げられる

やっと実現した35回目の旧友たちとの小旅行

「蔓延防止」が解除されて2つ目の行事は、若い頃同じ職場だった旧友たちとの小旅行でした。2年間とんでしまったけれど、回を重ねること35回。

仕事上の信頼感は言うまでもなく、結婚・子育て・親の看取り、何もかも知り尽くした仲間は最高。6人のメンバーが密を避けるため、あえて大型の乗用車2台に分乗して宇治市と京都市からバラバラに出発しました。

約束の場所に到着すると、目の前でもう一台がまさに駐車したところ。そんな小さな出来事にも「パーフェクト!」と、喜びが弾けます。

「ブラタモリを見て予定が変わったけど良い?」と幹事さん。「もちろん」と訪ねたのは「五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡」。平成16年、弥生時代に「鉄器」を製造していた跡が見つかり、平成24年に国の指定遺跡となったそう。

青空の下に映える木々の新芽と山桜。あまりの気持ち良さに、「勝手にコンサート」をすることにしました。昔一緒に歌った歌、オカリナの演奏。私たちのコンサートに小鳥のさえずりが一際大きくなって重なります。

やっと実現した35回目の旧友たちとの小旅行

一目惚れ「介護付き有料老人ホーム」その後

吹き抜けのロビー正面の大きなガラス戸いっぱいに蘆の林を通して広がる琵琶湖。それは、夫の老後に必須の本物の大自然です。「ログハウスにある3艇のカヌーを売って2人乗りカヌーに買い換えようか」「あなただって1人で乗れるよ」「パドルは漕げると思うけど、沈(ちん)したら抜け出せない」「僕が助けるから」早くも夢をふくらませ始めた2人でした。

営業担当の女性が、既に改装が終わった部屋や、まだ改装に取りかかっていない部屋はどこまで希望を入れられるか説明しながら、今空いているいくつかの部屋を見せてくれました。

自宅から車で1時間、ログハウスまで一部高速道路を使って2時間半という距離感も魅力でした。親友が住む京都御苑辺りまで約40分、友達が多く住む宇治市まで1時間以内。夫が運転できる間はこれまでの人間関係も続けられそうです。

残念ながら私たちが望む広さ、一目惚れした景色が良く見える部屋は空いていなかったので、「希望に合う部屋が空いたら連絡して」とお願いして1回目の見学を終えました。

彼女は、部屋が空く度に改装案の間取り図や、その部屋から見える景色を写真に撮って郵送してくれましたが、希望に叶う部屋はなかなか空きません。その頃夫はまだ60歳代。60歳代での入居は高くつくので急ぐことはありません。ゆっくり待つことにしました。

ある日、「レストランは無理ですが、別室で食事をしてもらえるようになったので、ぜひ息子さんもご一緒にお越し下さい」と連絡が入ったので息子にもこの素晴らしい景観を見て欲しいと3人で出かけて行きました。

食事会場は2階和室。大きな窓いっぱいの琵琶湖。正面には「近江富士」(三上山)が美しい姿を見せていました。そして何と!「この真上の5階の部屋が空きました」というではありませんか!

似て非なる物―造花と生花―生が命を励ます

「終の棲家」で1つ残念に思っていることがあります。華やかに飾られている花がすべて造花だということ。脳出血に倒れてから今日まで、植物・動物の逞しく生きる姿にどれだけ励まされてきたことでしょう。

今回の小旅行の宿泊は「休暇村南淡路」でした。高級ではありませんが、廊下の埋め込み棚には野の花等の生花が!「終の棲家」にも生きる力を励ます生花をぜひ!!

似て非なる物―造花と生花―生が命を励ます

 

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harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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