ぼちぼち付き合わな、続かへん

認知症の父との嚙み合わない会話

公開日:2022/05/16

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認知症の人といると、「何度も同じことを聞かれて大変でしょう?」と言われますが、それ以外にも、とんちんかんなことは、毎日起こります。はたから見てると笑い話にもなる、父との噛み合わない会話をご紹介したいと思います。

認知症の父との噛み合わない会話

他人のものを、自分のものと言い張る!

ある日、主人が野球の練習で使う手袋が、車の助手席のポケットに入っていました。その手袋を見た父。

他人のものを、自分のものと言い張る!

「これ、わしのやんな」と言って、持ち帰ろうとしました。

「違うで、その手袋は、H(私の主人の名前)のやで」

「いや、わしのや。わしが、今日、車に乗るとき、ここに入れた」

「嘘、いいな~、それは、私が、今日、車に乗るときから、ずっとあったで」

「いや、わしのや」

なぜ、他人の手袋を自分のもの、と言い張るのか。

どうやら認知症になると、他人のものも、全部自分のものと思うようです。

買ったことは、すぐに忘れる

父と買い物に出かけたときのこと。

パン売り場で立ち止まり、今日のおやつを吟味していました。

買ったことは、すぐに忘れる

やがて、ワゴンの中にある菓子パンの中から「今日はこれにする」と一つ選んで、買い物かごへ。

パン売り場の先には和菓子コーナーがあり、父はそこでも立ち止まり、何やらまたおやつを選んでいる様子。

「どら焼き、買っていい?」と聞くので、「さっき、(おやつは)パン食べるって言ったやん」と私が言うと、「これ、どら焼きやな?」と商品を指さします。

「たしかに、それはどら焼きや。でも、さっきパンを食べるって、これ選んだやろ」と、パンを見せると、やっと納得。

おやつを選ぶときは、毎回こんな感じです。自分がおやつを選んだことはすぐに忘れてしまい、あげくの果てには「何も買ってくれへん」と言う始末。

そのたびに、父におやつを見せて納得させています。

いつもしていることを忘れる

父の体調がいまいちの時の会話は、こんな感じです。

実家に着くなり、

「車で来たん?」(いつも車で来てるやん)

「どこ行くの?」(自分がこれから「眼科行く!」って言ったやん)

自分が言ったことや、いつもの行動パターンを忘れています。

わたしの体調がいいときは、こういうやりとりも苦にならないのですが、しんどい時はめんどくさいなぁ、と思ってしまいます。

いつもしていることを忘れる

ときには、なげやりな態度になることも。

そういう時は、実家からの帰り道に運転しながら「あんな態度をとって悪かったな」と反省。

認知症の本には「認知症の人が言うことを否定してはいけない」と書いてありますが、正直、毎回否定せずに明るく対応することは無理です。

父も私もお互い機嫌の悪いときはある。ぼちぼちじゃないと続かないよな、というのが介護している側の本音です。

 

■もっと知りたい■

家事代行会社に勤務。整理収納アドバイザー。子どもは男子3人。大腸の機能障害で、闘病中の3男が寛解したと思ったら、今度は実父(要介護1)が認知症に。ここ数年は看病&介護と縁が切れません。現在、週1で実父を介護中。認知症の父とのリアルな介護経験をつづっていきたいと思います。
 

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