蛭子能収さん・認知症がもたらした生活と夫婦の変化
2024.06.142021年08月13日
忘れてしまうことが引き起こす認知症のリスクとは?
父の介護体験でわかった、認知症という病気が持つ怖さ
認知症の一つで、みなさんもよく知っている物忘れの症状。この症状、実は日常生活に支障をきたすだけでなく、認知症以外の病気を引き起こす原因になることもあります。
あっという間に糖尿病が悪くなってしまった!
4年前から要介護1の父を別居介護しています。前回は、私の夏バテ予防法「夏野菜と柑橘系の香りで、夏バテを撃退!!」について書きました。今回は、 認知症という病気が持つ怖さについて書きたいと思います。
私の父は40年ほど前から 糖尿病を患っています。と言っても、定期的に薬を飲んで、食事や運動に気をつけるぐらいで大丈夫でした。
ところが、認知症になってから、食欲が止まらなくなり、夜中の飲食が常態化。あっという間に、血糖値が上がってしまいました。
自己管理やコントロールができなくなる
認知症の症状の一つである、食べたことを忘れてしまうため、いくら注意しても、夜中の飲食がやめられません。どんどん数値が悪くなっていきました。
仕方がないので、せめて父が口にするものには気をつけようということになりました。糖質オフのスイーツを買ってきたり、習慣になっていた野菜ジュースを飲むのをやめさせたり。食事日記を見ながら、訪問看護師さんと相談し、徐々に数値を下げていきました。
ただ、本人と食べない約束をしても、すぐに忘れて食べてしまうので、数値が下がったといってもごくわずか……。
父が自分で「おやつを食べない」とルールを決めて、自己管理をしないと、いつまた数値が悪くなるか、分かりません。
認知症になると、自分で注意していても、忘れてしまうため、病気が悪化してしまう。そんな怖い側面があります。
痛みや不快感を感じにくくなる
最近、父は、よくすり傷を作ってくるようになりました。
「ここ、ケガしてるよ」と、伝えても痛くないようで、自分で鏡を見て気づくこともしばしば。
また、深夜におやつを食べても、胃がしんどくならず、朝食をしっかり食べられるのは、認知症で不快感がわかりにくくなっているから、と看護師さんに言われました。
こんなふうに、認知症になると、痛みや不快感が鈍くなるようです(ただし、個人差があり、痛みをちゃんと感じる人もいます)。
痛みや不快感がわかりにくくなってしまうと、例えば、ふとしたきっかけで骨折してしまっても、本人も周りも気づかないことがあるそう。
そんな話を聞いて、これからますます、父の様子には気を配らないといけないと思いました。
さて次回は、介護をしやすくする工夫「プチDIY」について書こうと思います。
■もっと知りたい■