いきなり始まった私の介護に関わる人生(2)

亡き父のお話~入退院の繰り返しの末~

公開日:2022.02.27

心臓の手術をして入院生活をした後、10数年元気に過ごしていた父でした。しかし、亡くなる半年前から、突然の体調不良に。そこから何度もの救急搬送、手術入院を繰り返したときのお話です。

亡き父のお話~入退院の繰り返しの末~
突然の入退院の始まり

調子が悪いと訴え始める父

猛暑で厳しい日、私が実家へ行くと、近所の眼科に行くためにヨロヨロしながら自転車を引き、その横を母が連れ添うように歩いているところでした。車なら5分ですが、この歩行だと30分はかかってしまう。熱中症にならなくて良かったと安堵したのと同時に、こんな姿を目の当りにして父の老いの早さを感じました。

「何だか具合が悪い。どこが痛いとかじゃなくフラフラするんだ」と、この頃から訴えるようになりました。2階の部屋に行くのもつらいと、1階の部屋に布団を敷いて昼間からゴロゴロしていました。私が見ていても心臓ではない病を感じていました。

真夜中の病院からの電話

その数日後の真夜中に、家の電話が鳴りました。

病院から「お父さまが腕を七針縫いました。このまま帰宅されて良いので、お迎えに来てもらえますか?」との電話を受け、頭が回らぬまま急いで迎えに行くと、病院の外ベンチに両親が小さい姿で座っていました。その姿を見て、何ともいえない寂しい気持ちになったのは言うまでもありません。

「悪いな、どう倒れたのか覚えていないんだ。気づいたら腕を切っていた」

父は昔から眠剤を服用しているので、薬が効き始めた頃にトイレに行きフラフラして倒れたんだろうと予想できました。

「家にいるんだから眠剤はやめなさいよ、頭でも打ったらどうするの」と小さくなった父に、初めてキツく怒った時でした。

真夜中の病院からの電話
調子が悪いと訴え始める父

父の隠れていた病

数日後、病院からの着信がありました。

「今、お父さまが救急搬送されてきました。入院手術になりますので、こちらに来ていただけますか」

やっぱり具合が悪かったんだ、早く病院に連れて行けば良かったと猛省しながら急いで病院に向かいました。

そして私の目に飛び込んできたのは、ICUにいた父でした。声をかけると聞こえていたようで起き上がろうとしましたが、目は開かずそのまま無反応になりました。悪い方向に考えてしまったのは言うまでもありません。

面談室で「急性硬膜下血腫です。血を抜く手術をします」と看護婦さんから言われました。

初めて聞く病名に、それは助かる病気なのか、何でそんな病気になったのかと質問攻めにしてしまいました。血を抜いてしまえば、早い人で退院は10日間くらいの病気であること。原因は、強く頭をぶつけてしまったことではないかとのことでした。

頭を強打? もしかしたらこの間腕を切った時の転倒か! しかし、父はこの硬膜下血腫をすぐまた起こしてしまうのでした。

父の隠れていた病
父の隠れていた病とは?

 

■もっと知りたい■

亡き父のお話 ~突然の介護~

あさくら さとみ

生前の父の介護を3年前に携わり、母のアルツハイマー認知症の介護に7年。介護のことを何も知らない状態から始まりました。2年前には兄が急死し不安な状況での介護。介護する側の気持ちや、認知症というものの現実などお話しできたらと思います。

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