干すだけで、えのき茸の味と香りが「さきいか」に!
2022.11.032022年09月16日
色の持つパワー
色が教えてくれること
国際薬膳師の資格を持ち、中医学を勉強中の森taitaiです。料理の盛り付けをする時は彩りを考えます。目で美しく、食欲をそそるように。食材の色にはそれだけでなく、その色なりの作用があります。
五行学説と色
中医学の考え方にはいろいろなアプローチがありますが、その中の基本的な考え方に五行学説というものがあります。これは、哲学的な考え方です。
自然界に存在するものすべてを5つの物質に区分する考え方ですが、その分類を体の各臓腑(体内に存在する内臓とその働きをするもの)にも当てはめて考えます。
5つの物質とは木・火・土・金・水です。
そのつながりは、臓腑から季節に、そしてそれぞれの関係する色と関連づけて考えます。
木→肝・春・青
火→心・夏・赤
土→脾・長夏・黄
金→肺・秋・白
水→腎・冬・黒
例えば、春は肝を傷めることが多く、その肝の養生のために使われる食材には青いもの(緑)が多いです。スナップエンドウ、春菊、三つ葉、山菜など。
また夏は暑く、熱を冷ます(清熱)食材にはトマト、西瓜。
長夏の頃(梅雨の時期と重なります)は、湿を除く養生の食材としては、とうもろこし、大豆などの黄色いもの。
秋は乾燥を治療するために長いも、レンコン、ゆり根などの白い食材。
冬は腎を労わる食材として黒いもの、黒豆、黒胡麻、黒きくらげなどが有効です。
色で診断
中医は患者を診る時に、顔色(皮膚の色)や舌の色などを観察して重要な情報として治療方針に生かします。それを五色診と言います。
症状によって体表に現れる色は違ってきます。例えば、冷えている時は顔色は青白く、熱がこもっている時は赤くなります。また、お腹の調子が悪い(脾の作用の低下)時は黄色っぽい土気色の顔色になりやすいです。
また舌診と言って、舌の色を観察することは中医の診断でもっとも重要視されています。いつもより暗かったり、赤かったり、白かったりと今の体の状態を的確に表しているそうです。
毎朝、歯を磨く時に、ついでに自分の舌の状態を確認することは、自分の体調を知る上でとても有効的です(が、この診断がなかなか難しい)。
色のイメージ
また、色は私たちの普段の生活に、多くの情報や印象を与えてくれます。
知人に「色の学校」を開いている方がいます。色彩学ですが、色の理論を学び、実生活に役立たせ、感情の整理整頓もできるようになるそうです。もちろん、自分に似合う色も見つけることができます。
色には個人が抱くイメージや、ステレオタイプのイメージがありますよね。例えば、赤は勝負色、黄色はビタミンカラー、白は清楚、黒は個性的など。
若い時は、“好きな色は何ですか?”と聞かれれば、“紫”と答えていました。ちょっと神秘的な自分でありたかったのでしょうか(笑)。
最近は“黄色”か“オレンジ”かな~。好きな色も、その時々の自分の生き方や思いを反映して変わっていくのでしょうか?
中医学的な色の考え方、そして日常の自分色。色は私たちに、色々影響を与えてくれるものです。
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