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- 乗船から2年。仲間と再びピースボートに乗船しました
海への憧れを、66歳にして叶えた松本悦子さんの105日間の北半球のクルーズ旅行記をお届けします。最終回の今回は、下船から2年経っても続く友人との縁についてお伝えします。
余韻に浸って
2年ぶりのピースボート乗船と広島の原爆で被爆した、ピアノとヴァイオリンを使ったコンサートを堪能した私達4人は、市電の宇品港駅に向かって静かな夜の港街を歩いています。
2017年4月、思い切って参加した105日のクルーズとその後の日々を思い返しながら……。
ピースボートの平和を願う活動に参加して
ピースボートは2008年よりNGO(非政府組織)として、広島・長崎の被爆者からの、核兵器の非人道性を伝えるメッセージを世界に伝える「おりづるプロジェクト」活動を行っています。
その活動を含めて、101か国468団体が参加する「ICAN (核兵器廃絶国際キャンペーン)」は2017年にノーベル平和賞を受賞しています。
私の参加した第94回クルーズにも広島・長崎の被爆者の方達が各寄港地での体験証言と国際交流活動のために乗っておりました。
その活動のサポートをする「おりづるパートナー」、通称「おりパ」というボランティア支援活動が有り、私も微力ながらお手伝いをさせていただきました。
各寄港地へ持参する核兵器廃絶国際署名の用紙やパンフレットの折り込みや、折鶴を折り 千羽鶴を作ったり、活動の一環として合唱「花は咲く」・「大地讃頌」・「わせねでや」・「ベネズエラ国家」等を日々集まって練習して、何回か船内イベント等で発表の機会をいただき、盛り上がりました。
2018年は、長崎の平和記念式典へ
そんな仲間と広島・長崎の原爆をより深く知ることが第一歩と、2018年8月7日~10日、仲間5人と長崎の原爆慰霊平和記念式典に参加しました。
何回か観光で訪れた長崎を、原爆・被爆という視点で爆心地・原爆資料館・大浦天主堂などを夏の日差しの中を巡りました。
8月9日クルーズに乗船していたM氏と再会して、夕食をご一緒して、94回クルーズの思い出話やその後の平和活動などを聞かせていただきました。
M氏の勧めで稲佐山の夜景を楽しみ、翌日は軍艦島ツアーにも参加し、卓袱料理(しっぽく料理)も味わい「来年は広島でと」それぞれ帰路につきました。
そして今年、「広島いかがする?」の連絡をいただきき、1年で1番混雑する8月5日~6日の広島市内のホテルの予約をメンバーのIさんにお願いして、去年のメンバーに連絡、今年は4名との事で始動開始。
2019年は、仲間と広島へ行くことに
94回クルーズの時お世話になった広島在住の「被爆証言者のTさんとYさん」に、お時間があったらお会いしたいとのはがきを出しました。
Tさんより8月6日ピースボートが広島宇品港に寄港、原爆で亡くなった広島の少女とロシア人音楽教師の持参していた「明子さんのピアノ」と「パルチコクフさんのヴァイオリン」を修理・復元してのコンサートが開かれるとの情報をいただきました。
「懐かしいピースボートでのコンサート」。これはぜひにということで、「Tさん」に乗船手続きをお骨折りいただき、4名分のチケットを確保、広島行きが一段と意義深くなりました。
8月5日、私と夜行バスで来たIさんは、岡山城・後楽園の見学をしてから広島駅で合流し、Nさんと1年ぶりの再会を喜び合いました。
早めに着いた3人で元安川のほとりをのんびり歩いて、明日の平和記念式の会場近くの平和記念資料館に見学に行きました。今年リニューアルされた資料館は、国内外から訪れた人々で非常に混雑していましたが、じっくり見学し、展示物・写真・映像などから原爆の悲惨さを胸に深く刻み込みました。
夕食前には、Mさんともホテルで合流。「お好み焼きだよね!」ということでホテル近くのお店で1年ぶりの4人の再会に盛り上がりました。
8月6日、5時起床。朝食を取り5時50分歩いて式典会場へ。すでに200名位の列ができ、6時30分からの開場を待っていました。
4人がそれぞれ作ってきた千羽鶴を献納。雨が振ったので、少し早めの開場となったので、前方のテント席に座りました。雨の中でしたが「慰霊・平和祈念式」は47か国の参列者・政府関係者・御遺族等たくさんの参列の中、厳かに執り行われ、終了後も献花の長い列が続いていました。
関連施設の見学・イベント参加し、昼食後。向かった先は、広島在住のYさんと東区在住のTさん宅です。Tさんは七宝焼き作家として作品に平和への祈りを込め、自宅を「PEACE交流スペース」として国内外の方々や地域に開放して平和交流を行っています。
Tさんと娘さんから歓待を受け、宇品港に移動。2年ぶりの赤い煙突のピースボートと94回クルーズの仲間たちと再会!! 広島在住の方達は、県人会をしてから来たというので盛り上がっていました。
2年ぶりの8階スターライトラウンジでは、お世話になったスタッフの方達ともお会いでき、若手のピアニスト(女性)とバイオリニスト(男性)の素晴らしい船上コンサートを満喫いたしました。
「お茶でも……」とのお誘いもありましたが、コンサート終了から下船の混雑の中で合流できずにホテルに帰ることにしました。
このクルーズ105日の中で被爆者の方々の平和活動を知り、戦争・原爆・被爆・世界平和について改めて触発され、長崎・広島の地を仲間たちと訪ねてみました。
何十年間も被爆の地には草木は生え育ちはしないと言われたが、長崎・広島は復興再生し74年間余り、慰霊・平和を発信し続けていることに目を向け、私自身の68年を振り返り昨日・今日・明日と過ぎてゆく日々に改めて感謝していました。
さらには最後に船上コンサートというご褒美をいただいて、私のクルーズ記も第14回で完了といたします。
おわりに
北半球を1周し、24寄港地とオーバーランドして訪れたマチュピチュの旅は、2年たった今も心に深く残り生きています。
その後、ピースボートの説明会での、体験談をお話しする機会を何回かいただいたり、ショップチャンネルのCMに出させていただいたりと未知なる体験もさせていただきました。
クルーズ記を書いて発信することも、清水の舞台の下の柱を必死にしがみついて滑り降りる思いでした。
ようやく着地して、見回すと日本の四季折々に訪ねてみたい街や風景・祭り・温泉・城・街道・宿場町・食べ物・組子の町を手すき和紙の里・等々……日本は広いと思いました。
この歳になって、今だからわかる私の中の日本を再発見の旅を始めたいと思っています。言葉の通じない国々を歩き回った経験は、国内なら多少まごついても、好奇心とチャレンジ精神全開で尋ね歩けると自負しています。
68歳、人生の旅が続く限り日々を楽しみ、ゆっくりと私の旅を歩いて行こうと、今は思っています。
ピースボートクルーズ105日間を感動のままに13回書かせていただく機会を作って下さった「ハルメクWEB」の編集の皆さま様有難うございました。
家族・友人達・クルーズで出会った方達・これから出会う方々に慈愛の心と感謝を持って。クルーズ記に目を留めて、お読みくださった方々にも心からお礼申し上げます。
ありがとうございました。
▼▽松本さんのクルーズ体験記はこちら▽▼
- 第1回 私にもできた!北半球105日クルーズの旅
- 第2回 クルーズ準備(1)クルーズにかかるお金と長旅への覚悟
- 第3回 クルーズ準備(2)家のこと、洋服のこと
- 第4回 クルーズ準備(3)実際に便利だった雑貨と生活必需品
- 第5回 いざ、横浜港へ。準備万端でも心の片隅ではドキドキ
- 第6回 クルーズ中は、24時間自分の時間!船内での過ごし方
- 第7回 105日間のクルーズ中は、毎日イベントで大忙し!
- 第8回 北半球クルーズでよかった観光地ベスト5!(1)
- 第9回 北半球クルーズでよかった観光地ベスト5!(2)
- 第10回 北半球クルーズでよかった観光地ベスト5!(3)
- 第11回 北半球クルーズでよかった観光地ベスト5!(4)
- 第12回 上げ膳据え膳で飽き知らずのクルーズの食事
- 第13回 今もつながり続ける、クルーズで生まれた交友関係
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