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- 私にもできた!北半球105日クルーズの旅
生まれも育ちも埼玉県。海への憧れを、66歳にして叶えた松本悦子さんの105日間のクルーズ旅行記をお届けします。「長期間も家を空けるなんて」「夫を家に残すなんて」「高い」と躊躇している人必読。旅の準備から実際の旅行の話まで語ります。
ある日目にしたクルーズ説明会の広告
旅好きの私は30代後半頃から母や叔母、姉たちと温泉旅行、スポーツ仲間や友人達と年に数回は出かけ、40代からは夏は登山(百名山)、冬はスキー、そこに海外旅行も加わり、アクティブに楽しんでいました。
あるとき、知人の参加したクルーズの体験談や写真等を目にして、実現不可能な夢と思いながらも、心の片隅には青い洋上が住みついてしまいました。
そして、2年前の6月のある日、雑誌と新聞広告でピースボートクルーズの募集と説明会の記事を目にして、誘われるようにさいたま市内の説明会に申し込んでいました。
説明会を聞き、即決で申込み
猛暑の8月駅近くのビルでの説明会。
「第94回北半球105日クルズ」横浜・神戸発着。
会場は各国のお土産品や旗、ポスター等で飾られ、タイ、インド等の民族衣装に身を包む関係者女性と、スタッフ一同は、満面の笑顔で出迎えてくれました。
席に案内されてパンフレット,冊子等をいただき、クルーズの魅力、安全性、寄港地について、スライドを見ながら説明を受けます。
その後、4月にクルーズから帰って来たばかりのご夫婦の方が、ご自身の各国でのさまざまな体験を話してくれました。洋上の船から見る日の出と沈む太陽、非日常を楽しむ船上生活、寄港地でのツアー、買い物、街歩き……。
船に乗りながら観光をして、地球を一周できるなんてすごい!!
実現不可能なクルーズの夢が、俄然身近に感じられてきました。4月12日~7月25日の105日間なら、地区のスポーツ団体等にも休部届をだして静かに行って来れば大丈夫……。
お彼岸も終わって、お盆参りまでには帰宅出来るし……と私の心にGO!サインのスイッチが入りました。
説明会終了後、さっそく申込書にクルーズ代金の5%の予約金、8万4500円を添えて、クルーズ参加決定!!
私がクルーズ決行した理由
その日の夜、クルーズ説明会の話をして「一緒に行かない?」と低姿勢で切り出すと、夫は私の予想通り「クルーズなんて、105日なんてとんでもない」との答え。
「でも、私は今しかチャンスはないと思うので行きます」。
こうして、私のクルーズは一人参加で本格的に決定……?
生まれも育ちも埼玉県、結婚後もさいたま市。65年間、年に1回位海水浴に行くぐらい海とは縁がなく、マリンブルーの、水平線の向うに憧れ続けてきました。
子供達3人も結婚して孫も6人。同居していた夫の両親も見送り、サンデー毎日の二人暮らしも10年余り……このあたりで私、人生のご褒美をいただいても良いのでは。
それに今は、家事全般私が一手にしていますが、この先私に病気やけが、最悪は死ぬこともありえる。そうしたら、生活技術の乏しい夫はどんな日常生活を送るのだろうか。
限定105日であれば、一人で暮らす日々を、新しい体験として、夫もやる価値はあるのでは……。
何回かの話し合いの結果、そんな方向性も提示して、すでにクルーズに申込んだ事はふせたまま夫を説得してOKを勝ち取りました。
実現不可能な夢に踏み切るまでの、心の葛藤
3か月余りも家を空けて、草花や家庭菜園、仏様等の管理、家の手入れ、ご近所、親戚、子供達等の付き合いをどうするのか。
老後に向かっての貯蓄を今使うことへの恐怖心。
夫が言うように身近な人を見渡しても、3か月余りもクルーズなどに行っている人は誰もいないという庶民感覚の正論。して、三半規管の弱い私は自分で運転する以外は酔いやすいこと。
もちろん私も、あれやこれやの懸念点から105日間のクルーズなんて、実現不可能だと思っていました。でも説明会で揺れ動く心の振り子が「行きたい!」に振り切って、申し込んでしまったわけです。
でも、夫は行かないから、結果オーライ、家やお付き合い関係はクリアー!! お金の心配に関しては、結局、自分を生かす使い方をしなければ価値はありませんよね。そして、人それぞれ価値観が違うので、夫の正論は却下。
船酔いに関しては、常備の酔い止めを日数分用意しよう!と、クルーズ参加に向けての対処策が次々と浮かびました。
そんなこんなで迷いを振り切り、青い海の上で朝日を、夕日を、波間に遊ぶイルカやトビウオを眺めて過ごす、そんな人生ごほうびをいただけることになったのです。
次回は、第2回 クルーズ準備(1)クルーズにかかるお金と長旅への覚悟をお届けします。
▼▽松本さんのクルーズ体験記はこちら▽▼
第2回 クルーズ準備(1)クルーズにかかるお金と長旅への覚悟
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