突然届いた「ハルトモ倶楽部終了」のお知らせ

春は出会いと別れの季節―さようならライター活動―

春は出会いと別れの季節―さようならライター活動―

公開日:2025年03月20日

春は出会いと別れの季節―さようならライター活動―

「椅子ヨガ」「声ヨガ」「ウォーキングセミナー」「コグニケア」等々、高齢化に伴う悩みに寄り添った終の棲家での取り組み。書きたいことがまだまだいっぱいあったけれど、新年度からは「ハルトモ倶楽部」がなくなり、私のライター活動も今回を以て終了です。

ライター活動に助けられた脳出血からの再生

2016年11月3日、何の前触れもなく脳出血に襲われてから、3か月の入院生活でのリハビリとそれに続く訪問リハビリ、デイサービス、通所リハビリで、要介護2から要支援2まで回復したものの、自分が自分でないような、水の中をフワフワと漂っているような、心許ない日々が長い間続いていました。

ライター活動に助けられた脳出血からの再生

2018年春、そんな私の元に一通のメールが届きました。「ハルメクWEBを開設するのでライターを募集します」と。子どもの頃から書くことが大好きだった私は、これに応募してみることにしました。

ライター活動に助けられた脳出血からの再生

​長い間共生してきた「慢性C型肝炎」の事、アメリカで出産する長女に付き添うために52歳から始めた「英会話学習」の事を、それぞれ400字の原稿にしたためて応募しました。

電話やメールでのやり取りを経て、「慢性C型肝炎」と向き合ってきた日々のことを記事にすることが決まりました。私の「ハルトモライター活動」のスタートです。

「脳出血」と向き合うまでにさらに1年が

担当の編集部員さんのアドバイスを受けながら、月1~2回のペースで「慢性C型肝炎」のことを書き、2019年になってようやく「脳出血」と向き合う気持ちが起きてきました。発症から実に2年の歳月が流れていました。

リハビリのモチベーションとなっていたのは、2011年からのリタイア生活3本柱を崩したくない! 生活の質を落としたくない! 私らしく生きたい!! ということでした。

3本柱 その1:夫の故郷での大学生漁業体験コーディネーターとしてのボランティア活動。その2:アメリカに住む長女母子との夏休みプチ同居。その3:夫と2人での旅行。

「脳出血」と向き合うまでに更に1年が

自分を楽しませる自己流のリハビリのメニューを作り、訪問リハビリやデイサービス、通所リハビリと並行して毎日続けました。全く動かなくなっていた右手を使って字を書く練習を繰り返して、筆記体で英語の文章が書けるまでになりました。5cmヒールの靴を処分し、気分が上がるようなスニーカーを買いました。

そうした中で、大学生漁業体験コーディネーター・長女母子とのプチ同居を、方法は変わったものの1回も飛ばすことなく実現することができました。

残るは夫と2人での旅行

残るは夫と2人での旅行

杖歩行がやっと、同じ姿勢を保っていられない……そんな体で、果たして飛行機に乗ることができるのかしら? 無理だと考えた私たちは初めての船旅に挑戦することにしました。

残るは夫と2人での旅行

人生の中で最もよく体を動かし、根気よく調べて模索を続ける時間を過ごしました。そうする内に、私の中に眠っていた「根気強く続ける」力が目覚めました。できないことを嘆くのではなく「できることを広げる」思考パターンが身につきました。

そして何よりも、支えることの方が多かった人生が「支えてもらうこと」の多い人生になったことで「感謝する」気持ちが大きく育ちました。楽しく豊かに年を重ねていく上で、大切だと思える思考パターンや気持ちを身につけられたのは幸せなことでした。

「ハルトモライター活動」を通して、自分の人生に向き合うことで、こんなにも多くの気付きを得ることができたのです。「ハルトモ倶楽部」終了の春を迎え、今、私はプライオリティーサービスに助けられながら「沖縄の離島―6島を訪ねる」旅に、夫と2人で飛び立ちます。

残るは夫と2人での旅行
2025年3月8日 終の棲家の眼下では春を呼ぶヨシ焼きが行なわれています

      緑よぶ 揺れる炎(ほむら)に 繋ぐ夢

■もっと知りたい■

harumati
harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

みんなのコメント
  1. ハルトモ倶楽部終了のお知らせに同じく虚脱感というか喪失感を抱いているライター仲間のとし古です。harumatiさんとは、ライター活動のスタートからずっとご一緒でした。不屈の精神でご病気と闘っていらっしゃるお姿に畏敬の念をいだいていました。ご主人とまた旅行を楽しまれているのは素敵ですね。故郷に帰省するたびに湖西線を使いますので、この琵琶湖の湖畔のどこかにharumatiさんがいらっしゃると感じ、自分を奮い立たせておりました。これで終わりでなく、お互い、また新たな何かをめざしていきたいですね。とし古