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2023年1月の記事に―「芸は身を助く」好きで続けていたことが結果的に役に立ちました―そんな記事が書けることを願って―と書いていました。それが去年のハルメク365への抱負。遅ればせながら、そんなことを意識しながら1年を振り返ってみました。
介護付き有料老人ホーム初の自主音楽会
2023年夫が自治会役員に選出されました。ここでは年少組の夫。「100歳を超える長老組も、シルバーカー組も、車椅子組もみんなが楽しめる音楽会がしたい」というのが自治会役員としての夫の夢でした。
「老人ホーム」と言えば、施設が行事を計画してそれを楽しませてもらうのが一般的なイメージです。でも、「人生100年時代の今時の老人が受け身の行事だけで本当に楽しめるのだろうか」というのが夫の考えです。
「出演・協力者募集」のポスターを掲示板に張り出すと約10名の方が集まって下さり、展示室で、会社主催の「居住者作品展」が行なわれる日に、大ホールで自治会主催の音楽会を開催することが決まりました。
90歳代の方のシャンソン独唱・80歳代の方のピアノ独奏に弾き語り。急きょ80歳代、70歳代、60歳代の方々の音楽会専属トリオも組まれました。夫は司会進行役です。
企画好きの私たちは音楽会の流れを考えました。出演者が少ないのでインタビューで膨らませたり、専属トリオの伴奏で「みんなで歌おう」の時間を設けたり、未だマスクは外せない状況ではあったけれど、「集まり」が禁止されていたコロナ禍の鬱憤を晴らすと共にお互いを知り合う機会になるようにと。
夫が出演者と打ち合わせをしたり当日正面に掲げるポスターを作ったりしている間、私は話し合いのレジメや歌集をパソコンに打ち込みました。そうこうしている間に私が救急搬送されるような事態になってしまったけれど、出演・協力者の方々が一致団結して準備を進めてくれました。
去年(2023年)の夏から秋のこと、一つめの「芸は身を助く」出来事でした。
母親大会での詩の朗読と「本音トーク」
自宅がある町の友人から「母親大会」での福島の難民「青田惠子」さんの布絵の展示と「本音トーク」の依頼を受けた後、7月31日に救急搬送(根本原因は尿路結石)される事態が起こりました。
主催者は当日までに治るだろうか、無理をさせることになりはしないだろうかと心配して下さっていたそうですが、結石に塞がれて尿が出なくなっている腎臓から膀胱までステントを通して凌ぎながら治療を続けていました。それはかなり不快なものであり、突然襲う強い尿意に悩まされるものでもありました。
それでも企画することが大好きな私は「本音トーク」の構成を考え、標準語で書かれた青田さんの詩3編は私が朗読し、福島弁で書かかれた1編は青田さんに福島弁で読んでもらうことにして朗読の練習に熱中しました。
11月26日、処方してもらった尿意を抑える薬を飲んで本番に臨みました。後日実行委員の友人が参加者の感想文を届けてくれました(文字通りの「本音トーク」と二人の対照的な詩の朗読で福島のリアルがよく分かった)等々と書かれていて、お役に立てたのだとうれしくなりました。
これが、2023年二つめの「芸は身を助く」出来事でした。
「ハルメク365」の記事を書くということ
生活リズムとバランス良い食事を作り、自身の趣味の時間も取る、いつも平常心を保てる夫に守られながら、日々の悲喜交々を「ハルメク365」に書くことを通して、右半身麻痺やwithステントの不自由さを忘れる時間が作れました。
これが、三つめの「芸は身を助く」出来事でした。
2024年は、2月19日にステントを取るのを最後に半年以上にわたった「尿路結石」とお別れし、老いと共に増して行くであろう右半身麻痺のしんどさを受け入れながら、ハルメク365を書くことで美しいこと・楽しいこと・幸せなことを見つけて、充実感あふれる年にしたいと思います。
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