病名は「急性腎盂腎炎」敗血症の一歩手前で救われた命
右手を癌のために切断した夭逝の画家「三橋節子」が、左手で初めて描いた長等山の菩提樹の樹下で拾った種

公開日:2023年09月21日

「老い」を実感―慌てず騒がず受け止めて―

病名は「急性腎盂腎炎」敗血症の一歩手前で救われた命

病名は「急性腎盂腎炎」敗血症の一歩手前で救われた命

2023年7月31日、ボストンの人から東京の人となった長女母子との終の棲家での再会を前に救急搬送されてしまった私。その病名は「急性腎盂腎炎」でした。搬送が少しでも遅れていたら「敗血症」になって命を失っていたのだとか。

2日間のICU個室への入院

救命救急センターに入ってから夫とも会えないままに2日間が過ぎました。増えていく点滴を見て看護師さんに「何の点滴ですか?」と盛んに聞いていました。「血圧を上げる薬です」「その小さい点滴は何ですか?」「抗生物質です」自分の状態を知りたかったのです。

脳出血から6年9か月、食生活の改善と終の棲家でのストレスのない生活で血圧は100~130。正常値であるにもかかわらず再発防止のために飲んだ方が良いと言われて続けてきた降圧剤。「血圧を上げるってどういうこと?」と、朦朧とした頭で考えていました。

やがて、救命救急センターで対応して下さった若い男性の先生(主治医)が初めてICUの個室に来て「センターでもお話はしたのだけれど覚えていないでしょうから」と、こんな説明をして下さいました。

2日間のICU個室への入院
*イメージ 腫れ上がった腎臓

(1)左の腎臓が3倍にも腫れ上がり膿でいっぱいになっていたこと。(2)すぐに処置をしないと敗血症になって命を失うところだったこと。(3)その原因は左の尿管に直径1cmの結石が2つ居座っていて尿の流れが悪くなり尿路感染を起こしたから。

さらに(1)血圧が異常に下がっているので血圧を上げる点滴を続けること。(2)炎症を起こしたら増えるはずの白血球も減ってしまっているので抗生物質を点滴して細菌をやっつけること。(3)食べられるようになるまで栄養の点滴をすること。など、当面の治療方針を説明して下さいました。

さらに、さらに「膀胱の膿を出してしまうために、尿道カテーテルを入れました」とも。

さらに2日ICU大部屋でー初めての幻覚ー

3日目になると体温が38度台で安定してきたからかICUの大部屋に移りました。とは言え、同じ部屋に他の人がいるのかどうか全く認識できず、自分の体につながれた装置のことが気になり始めました。

両胸にぺったりと貼り付けられているのは心電図。恐らくどこかにその情報が送られ観察されているのでしょう。ベッド脇に置かれているのはバイタルチェックの装置。1番大きく表示されている数字を差して「この数字は何ですか?」「血圧です。上85下40であることを表わしています」と看護師さん。

その日の午後3時半。初めて家族との面会が許されました。本来2人までのところ、ボストンから東京に引越してきた長女家族が会いに来ていることを話して、夫、息子、長女と2人の孫、計5人の面会が許されたそうです。

たった15分間の面会。うれしくて元気が出たのですが、ちょっと刺激が強すぎたようです。その夜、生まれて初めて幻覚を見ました。

寝ている部屋に突然夫と18歳の孫が入ってきました。「どうしたん?」と言って目を開けると、ベッドが立っていてそれを背にして私も立っているのです。点滴を付け替えに来ていた看護師さんが点滴スタンドの横にしゃがんでいたので「私変な寝方していませんか?」と尋ねました。「私には普通に寝ているように見えますけど」と看護師さん。

もう目はパッチリと開いてあちこち見回し、ようやく自分が当たり前の状態で寝ていること、夫と孫が入ってきたのは幻覚だったのだと分かりました。あの看護師さんも幻覚だったのでしょうか。

上の血圧95でICUから一般病棟へ

体を拭き髪も洗ってもらってから、看護師さんたちに笑顔で手を振って見送ってもらい一般病棟へ移ったのは救急搬送から5日目のことでした。

面会もままならない夫は、病院近くの「三橋節子」美術館を訪れ、利き腕を失ってもなお描き続けたその前向きな姿勢にあやかれるようにと、菩提樹の種を分けてもらってきたのでした。

上の血圧95でICUから一般病棟へ

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harumati
harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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