障害者になって初めての飛行機でのアメリカ行き(2)

長女宅にてー9年前と変わらないこと、変わったことー

公開日:2023.07.06

2023年5月、ボストン近郊の長女の家を9年ぶりに訪れました。家と家との境は原生林。道と家とを区切る門もないといった佇まい。9年前と変わらず伸びやかで静かです。木にはリスが、庭の芝生には野ウサギやチップモンクが姿を見せます。

長女宅にて9年前と変わらないこと、変わったことー
私たちが寝泊まりしたゲストルームから見える景色ー5月初めのボストンは未だ早春ー

9年前と変わらない家の様子と家族の温かさ

ボストンローガン空港から高速道路を15分走ってボストンの町を通り抜けると、教会の見えるところで高速道路を降ります。それから閑静な住宅が立ち並ぶ丘の道を5分走ると長女の自宅です。

9年前と変わらない家の様子と家族の温かさ

シンメトリーのコロニアル様式に、インナーガレージが付随したシンプルな佇まい。私たちを歓迎するかのように庭に、野ウサギが姿を現わしました。

9年前と変わらない家の様子と家族の温かさ

前庭の芝生の間の石畳を夫のサポートを受けながら杖をついてゆっくりゆっくり玄関に向かって歩いている間に、Son in lawがスーツケースを運び込んでくれました。

玄関を入ると、たたきはなくそのままメインの廊下につながります。娘家族は部屋の中では靴を脱いで過ごしているので、靴脱ぎ用のマットが敷いてあります。

靴を脱いで、廊下を奥へと進み、大きすぎるソファには座らずダイニングの椅子に腰を掛けて、初めて来たときと同じようにレモネードを頂きながら、JALの素晴らしかったプライオリティサービスなどの話をしました。

孫息子に変わってそこにいたのは!

孫息子に変わってそこにいたのは!

私たちが玄関に近づくに連れて大きくなる犬の鳴き声。「家の中で犬を飼うなんて」「犬は犬。家族じゃないでしょ」と思っていた私たち。でもこの犬、家族と一緒に帰ってきた人たちは歓迎すべき人たちだと分かるようで、歓迎の気持ちを表わしての鳴き声なんだそうです。

9年前に来たとき、小学生だった孫息子は今や高校生。ニューヨークで寄宿舎生活を送っています。その穴を埋めるよう飼われ始めた小型犬。夫の膝に乗せるようにとせがみます。

「UP UP」と声を掛けて膝を広げると、すぐに飛び乗り、うつらうつらとし始めました。そんな人懐っこさと、決して粗相をしない賢さに、私たち二人ともすぐに虜になってしまいました。

「ご飯できたよう」と、娘の声がかかると、「早く! 早く! ママの言うこと聞きなさいよ!!」とばかりに、家中を駆け回ってみんなを呼び集めます。5人全員がそろうと、安心してダイニングテーブルの下に潜って大人しくなります。夜は孫娘と共に眠り、朝は孫娘と共に起きます。その間はワンとも鳴きません。これはやっぱり家族だわあ! と納得。

もうすぐ娘家族はボストンを離れます

1階メインの廊下の横に、2階に上る階段があります。緩やかで広く、手すりも両側に付いていて体が不自由な私にも何の不便もありません。

もうすぐ娘家族はボストンを離れます

2階には2つの子ども部屋とゲストルーム、バスタブ・洗面所・トイレが一つになった明るいバスルームがあります。2階廊下の突き当たりは主寝室。寝室の中にはウォークインクローゼットとジャグジー付のバス・ツインの洗面所・トイレがあります。

主が滅多に帰らない青い壁の子ども部屋―たくさんあったレゴの作品も見当たりません―。第2子が女の子だと分かってSon in lawの手でピンクに塗り替えられた壁のもう一つの子ども部屋―韓流アイドルのポスターが貼られて、すっかりティーンエイジャーの部屋―。 

もうすぐ娘家族はボストンを離れます

私たちがいる間、長女は家具や自転車、草刈り機などを毎日写真に撮り、マサチューセッツのコミュニティーで売りに出していました。7月にはまず娘と子どもたちが東京に引越してきます。この家で生まれ育った孫娘にとって、ここはかけがえのない原風景となるだろう場所です。

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harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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