孫曰く「えっそれ全部フリーなの?日本らしいねえ」
伊丹空港から成田空港へと飛び立った

公開日:2023年06月22日

障害者になって初めての飛行機でのアメリカ行き(1)

孫曰く「えっそれ全部フリーなの?日本らしいねえ」

孫曰く「えっそれ全部フリーなの?日本らしいねえ」

2023年5月、3週間アメリカへ行ってきました。23年間のボストン暮らしを終え間もなく帰国する長女家族との思い出を噛み締めたい、次女家族のニューヨークの新居での生活振りを見たい、たくさんのハードルを覚悟しての渡米でした。が、意外にも……。

アメリカ行きを決意するまで

6年半前の脳出血後遺症のため、右半身麻痺です。杖をついてゆっくりと休み休みでしか歩くことができません。右手に荷物を持つことができません。同じ姿勢で長時間いると、違う姿勢に移ることが難しくなります。

広い空港ターミナルでの移動、セキュリティチェックでの靴の着脱、エコノミークラスの座席間の狭さ、揺れる機内でのトイレへの移動……難しそうなことを数え上げればキリがありません。

事故が起きたら避難できるか、機内で脳出血を再発したら……これはもう諦めるしかありません――今回のアメリカ行きは命をかけてでも行きたいのか――という選択でした。

行きたい! このチャンスを逃せばもう二度とアメリカ行きの決心はできない。初めて欧米スタイルの暮らしを体験し数々の思い出を作ったボストンへ行くことも、次女のニューヨークでの暮らしぶりを見ることもできない。行きたい! 何としても行きたい!!

JALプライオリティー・ゲストセンターに電話して、どのような支援が受けられるか聞いてみました。チェックインカウンターから搭乗口まではもちろん、成田での乗り継ぎもボストン到着時の荷物の受け取りも、車椅子を用意して支援してもらえるとのこと。

今回は迷わずJALで伊丹⇔成田⇔ボストンの便を選びました。

驚きの障害者への配慮

驚きの障害者への配慮

息子に終の棲家まで迎えに来てもらって、高速道路を通って1時間余りで伊丹空港到着です。

杖をついてチェックインカウンターへ行くと、すぐに車椅子を持った係の方が来てくれたので車椅子に乗って手荷物預けを済ませ、ボストンへの乗り継ぎであること、荷物はボストンまで運ばれることを確認しました。

伊丹空港は2020年8月にリニューアルオープンしたそうで、かつて利用していた頃とはすっかり様変わりしておしゃれに。車椅子を息子に押してもらっての移動の楽さとうれしさとも相まって、既に気分は絶好調。搭乗時間まで1時間半あったので、レストランへ向かいランチを済ませました。

搭乗開始45分前に保安検査場入り口で係の方と待ち合わせて、車椅子は息子から係員へ。息子とはそこで3週間のお別れです。保安検査もプライオリティゲスト専用の場所で靴も脱がずにスムーズに。

これまでは、ゲート番号をキョロキョロ見ながら搭乗口まで行っていたけれど、空港内を知り尽くした係員が付いてくれているので、あっという間に成田行きの搭乗口へ。

驚きの障害者への配慮
この車椅子が優れもの。温もり溢れる木製で狭い機内では肘掛けを外せるようになっている

驚きの障害者への配慮

成田空港に到着すると、他の乗客が全員降りるのを待って飛行機の降り口まで係員が迎えに来てくれ、又々別ルートで出入国審査場へ。

成田空港でのプライオリティー・ゲスト担当は、JAL関連会社のスリランカの方。私を担当してくれたのは、ビジネスの専門学校を出ていつかスリランカで起業することを夢見る背の高い優しい青年でした。

驚きの障害者への配慮
プライオリティー・ゲスト専用の移動ボックス
移動ボックスをリフトで搭乗口と同じ高さになるまで上げて飛行機に接続

成田からボストンまで13時間のフライトの間、フライトアテンダントが何度も声をかけてくれました

「車椅子でトイレに入れますのでよろしければいつでもお声かけ下さい」「しばらく姿勢を変えた方が良ければ、こちらへどうぞ」と、両手でバーを持って立っていられる場所へ案内してくれました。

そこで、安心して足踏みしたり、足上げの運動をしたりできたので随分楽になりました。

何度も通ったボストンに9年ぶりに到着

こちらの担当は、ラテン系の方。スムーズに入国審査を済ませると手荷物受取所へ。手荷物を受け取って外へ出ると娘と孫娘の姿が。「ぐったり疲れ切って出てくると思っていたのに溌剌と出てきたのでびっくりしたあ」と娘。係員がSon in lawが待つ駐車場まで車椅子で送ってくれました。

1週間後、ニューヨークの次女の家でこの話をすると、日本で生まれ3歳まで日本で過ごした孫が、「それ全部フリーなの?日本らしいねえ」と。全くその通り! 素晴らしい日本のホスピタリティでした。 

■もっと知りたい■

harumati
harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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