50代から始める「お茶」その1
50代から始めたい「お茶」の4つの魅力~茶室はマインドフルネス空間!
50代から始めたい「お茶」の4つの魅力~茶室はマインドフルネス空間!
公開日:2025年09月25日
教えてくれる人:松村宗亮さん(裏千家茶道準教授)

茶道教室SHUHALLY代表。”茶の湯をもっと自由に、もっと楽しく”をモットーに、茶の湯の基本に創意工夫を加えた独自のスタイルを構築。これまで海外や首相公邸などから招かれ、多数の茶会をプロデュース。
「お菓子がおいしい!」こんなきっかけでも大丈夫
「お菓子が楽しみでお茶を始める方も多いんですよ」と松村さん。そんなきっかけから、 和菓子の名前の由来を調べて古典に興味を持ったり、器に魅せられて陶芸を学んだり、着物を着たくなって着付けを始めたり……。
お茶には日本文化のエッセンスがぎゅっと詰まっているので、お茶そのものも面白いのですが、さまざまな新しい興味がわいてくる起点にもなります。これから新しい趣味を見つけたい方に、茶道はぴったりなのです。
自分をいたわる「マインドフルネス時間」
お茶席で供される一服は、あなたのために用意されたもの。 茶室に入ったら、家事や仕事のことは一度忘れて、目の前のお菓子や器、お茶を楽しみましょう。
「30分でも1時間でも、“おいしい・美しい”に集中する時間は、まさにマインドフルネス体験です」と松村さん。忙しい日常を送る大人女性の心を解放してくれます。
「自分の好み」が育っていく場所
茶室では、花や掛軸、茶碗に亭主(もてなす人)の美意識が込められています。
「どんな世界観をどう感じるかは、あなた次第。“これは好き”“これはちょっと違う”と感じる体験を重ねることで、自分の美意識が育っていくんです」と松村さん。
人の評価やブランドに左右されがちな日常から離れて、本当の“自分の好み”を見つけられるのもお茶の魅力です。
初めてでも自然に人とつながれる
お茶席の作法を気にされて奥手になられる方も多いようですが、茶席では、正客(いちばん上座のお客様)が全体をリードしてくれるので、初心者でも安心です。 終了後には亭主と直接話す機会もあり、自然に会話が広がります。
「一人で参加しても大丈夫。知らない人とも不思議と打ち解けられるのが、お茶のいいところですよ」と松村さん。 子育てが落ち着いたり、仕事が一段落したりして、新しい人間関係を作りたい方にもおすすめです。
お菓子や器、日本文化の奥深さ、自分の好みを見つける体験――。 お茶の世界には、大人の暮らしを豊かにするヒントがたくさんありました。ちょっと参加してみたいな、と思いませんか?
次回は「お茶席に招かれたときに役立つ作法編」をお届けします。 服装や持ち物など、知っておくと安心できるポイントをご紹介します。
文:岡島文乃
「はじめての本格・茶道体験を~ハルメク茶会」10月8日開催
隠れた名館、荏原 畠山美術館の通常非公開のお茶室で茶会の基本をお伝えします。
今回は松村さんによるお茶の講義はもちろん、国宝、国指定重要文化財を含む数々の茶道具の名品を有する、この美術館をじっくり見学できる講座です。昨年秋にリニューアルしたばかりの美しい建物と自然そのものを感じさせる見事な庭園をご堪能いただけます。





