50代から始める「お茶」その2
初めての「お茶の作法」――服、足元、アクセサリー、通っぽいアイテムまで
初めての「お茶の作法」――服、足元、アクセサリー、通っぽいアイテムまで
公開日:2025年09月25日
教えてくれる人:松村宗亮さん(裏千家茶道準教授)

茶道教室SHUHALLY代表。”茶の湯をもっと自由に、もっと楽しく”をモットーに、茶の湯の基本に創意工夫を加えた独自のスタイルを構築。これまで海外や首相公邸などから招かれ、多数の茶会をプロデュース。
服装は“きれいめ”で十分
着物でなくても、きれいめのワンピースやスカート、パンツでOK。 ただし、花柄は避けるのが無難です。
「亭主は茶室に季節の花を飾るもの。その心遣いと重なってしまう花柄は控えた方が安心です。結婚式で花嫁とかぶらないようにするのと同じです」と松村さん。
アクセサリーと足元に気を付けて
高価な茶道具を傷つけないよう、ネックレスや指輪は外して。 スマートフォンも電源を切るか、機内モードにしておきましょう。 足元は白足袋が理想ですが、なければ白い靴下でOK。
「それだけでも『お茶の心を大切にしています』というメッセージになります」と松村さん。
あると安心な“通っぽい”アイテム
なくても参加できますが、持っていると気持ちが落ち着きます。
- 茶道用の小さめの扇子
- 懐紙(二つ折りの和紙)
- 黒文字や菓子切り
- 裏千家なら「古帛紗(こぶくさ)」と呼ばれる布
「必須ではありませんが、用意していくと亭主への敬意が伝わり、安心感にもつながります」と松村さん。
お茶席の作法は、難しいルールではなく「相手を思いやる心」を形にしたもの。 服装や持ち物に少し気を付けるだけで、安心してお茶を楽しめます。
ただし、本当にお茶の魅力を知るには、やはり実際に体験してみるのが一番。 お茶室の空気、道具の扱い、一期一会のおもてなし――文字では伝わらない発見があります。
茶道体験は全国の教室やイベントで開催されていますから、 ぜひ、この機会に一歩を踏み出してみませんか。
文:岡島文乃
「はじめての本格・茶道体験 ハルメク茶会」10月8日開催
隠れた名館、荏原 畠山美術館の通常非公開のお茶室で茶会の基本をお伝えします。今回は松村さんによるお茶の講義はもちろん、国宝、国指定重要文化財を含む数々の茶道具の名品を有する、この美術館をじっくり見学できる講座です。昨年秋にリニューアルしたばかりの美しい建物と自然そのものを感じさせる見事な庭園をご堪能いただけます。





