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公開日:2025年07月02日
50代婚活奮闘記23・バリキャリB美の場合
恋愛・婚活ジャーナリストの清葉アキコが出会った婚活女子の第23話。お見合いを申し込んでも決まらないことが続き、自分の何がいけないのか?とモヤモヤし続けているバリキャリ雑誌編集長B美。婚活を続ける気力も失いかけ…。
「私はそんなにもダメな人間なのか?」「一生誰からも愛されず孤独に生きていく将来しかないのか?」。そんな思考のループにハマり、すっかり自信を無くして涙ぐんでいるB美に、私はどんな言葉をかけてあげたらよいのだろう。
この状態で婚活をしても、うまくいく気がしない。それよりも、すっかり自信を失ってしまい、仕事にまで支障をきたしてしまっている状況を何とかしてあげたい。
長年、独身バッシングをスルーしながらがんばってきた仕事は、彼女の人生を構成してきた重要なものであるし、特に定年前のラストスパートとして今の彼女を支えているものでもある。彼女が人生をかけてやってきた仕事に悪い影響が及んでほしくはない。私はただただ彼女の話を聞くことしかできないでいた。
B美自身も、仕事がうまくいかなくなっている理由が、自信喪失やネガティブな言動であることに気付き始めていた。「そもそも婚活をしなければこんなことにはならなかったのに……」とまたまたネガティブな思考が頭の中に浮かぶ。
彼女が「もう一度結婚をしたい」と婚活を始めたのは、一緒に独身を貫くつもりでいた友人が結婚したのがきっかけだった。口では「恋愛で生活のペースや気分を乱されるのが嫌だし、人と暮らすのは面倒くさい」と言っていたものの、実はずっと“近い存在”といえる関係性の“誰か”が欲しかったのに、その思いを心の奥底に押し込んで封印していたB美だったが、友人の結婚は、長いこと守り抜いてきた封印を解くほどのものだったのだ。
しかし、婚活はまったくと言っていいほどうまくいかない。年齢的にすんなりといかないのは覚悟していたものの、本質的な自分自身の自信を喪失することになったのは想定外だった。
自信を失うほどつらい思いをして婚活を続けるべきか?そこまでして本当に結婚したいのか?B美は改めて“結婚”について考えたそう。
「私、気付いちゃったの。ずっと『近くに“誰か”がいて欲しい』と思っていたけれど、それって若い頃に抱いていた結婚感を引きずっていたのかもしれない……」。そうB美は低いトーンで私に言った。
「これまで、ひたすら仕事に人生を捧げてきたけれど、定年退職する60歳が近づいてきたのもあってその後の人生について考えることが増えたのよね。ずっと仕事一筋で “やりたかったこと”を我慢してきたから、退職後はそれらを全部やろうと思っていて……。それを一緒に楽しめる相手がいたらいいなっていうのが最初に思ったこと」
「それとね、老後に2000万円必要って言われているでしょ?これまでがんばって働いてきたからお金の心配はそこまでしていないけれど、一人より二人で暮らした方がコスパがいいなって思って(笑)」
B美の一度目の結婚は20代後半だった。妙齢になったら結婚して家族を作るのが当然だと思っていたため、ちょうどその頃付き合っていた男性と結婚した。恋人同士の頃と同様、ときどき休みを合わせて旅行に行ったり、仕事帰りに食事に行ったりしていたものの、お互い仕事が忙しかったのもありすれ違いも多かった。そのすれ違いがどんどん増え、お互いに我慢が限界に達したことで離婚――。
結婚生活はいろいろあったけれど、オフの時間に一緒にいてくれる相手の存在は心のよりどころだった。一日の終わりや休日に、仕事の愚痴を吐いたり、くだらない話をしたりできる相手がいることはありがたかった。
「私も大人になったし、相手も大人なら、今度はうまくいくような気がするの。お互いに退職してしまえば、あの頃のようなすれ違いもなくなるし、楽しい時間を共有できるような気がしたのよね」
しかし、婚活でいろいろな男性に会い、見ず知らずの相手から会いもしないうちに断られているうちに、B美は気が付いたのだ。
「大人になった分、いろいろなことが受容できるようになったと思っていたけれど、逆だったのよ。一人で何でもできるようになって、一人で楽しむ方法も知ってしまった今、いろいろ我慢してまで誰かと一緒に必要があるのか?ってね」
もちろん、“誰か”と一緒に暮らすことにまったくストレスを感じずにいられるわけがないのはわかっている。なに一つ我慢したくないということではない。ただ、これまで一人で生きてきた大人同士が一緒に生きていくということは、若い頃よりも難しい、と思い知ったとB美。
「大人の婚活は自分の思い描く結婚生活が先にあって、それを叶えられる相手を探すというもの。私の場合、定年までは仕事を思いっきりがんばりたい。それまでは、仕事の邪魔になるようなこと……自分の感情を揺さぶる不安定な要素は極力避けたいの。
楽しい老後のためにも1日でも早くパートナーを見つけたいと思ったけれど、婚活をしている自分は、どんどん自分らしくなくなっている気がしてきちゃったの。自分らしくない私が受け入れられ、自分もいろんなことを我慢して結婚したとしても、人生の最後がそれでいいの!?って思っちゃったのよね」
ずっと忙しさの中で生きてきたB美が、自分自身の人生についてじっくりと考えたのは、今回が初めてだった。
「自分がこれから先をどう生きていきたいか」。B美が出した答えは「老後を一緒に楽しむ相手は欲しいけれど、必ずしも結婚という形じゃなくてもいい」。お互いに我慢を重ねながら毎日一緒にいる必要はなく、何かをしたいときにそれを一緒にしてくれるパートナーや友達がいれば十分だと。
「そういう人生の方が私らしくいられるの!そんな毎日を送っている中で、毎日一緒にいたいね!って相手が見つかったら同居するかもしれない。もしかすると、それは男女2人ではなく、男女問わず何人かでのシェアハウスのような感じになるかもしれないわね。どう?こんな老後、楽しそうでしょ(笑)」
そう語ったB美の顔には、久々に凛とした表情が戻っていた。
B美が自分自身の心と真剣に対話をした結果を私に報告しているところに、結婚相談所Tからメッセージが届いた。
「B美さん、お見合いが決まりましたよ!」
三島さんからのひと言
『“婚活”は単に結婚相手を探す活動ではなく、これから先の人生を考える活動と言っても過言ではありません。どういう相手を選ぶかを考える前に、どういう人生を送りたいかを真剣に考える必要があるからです。婚活をしてみて「私に必要なのは結婚ではなかった」という結論に至った人も少なくありません』
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある。
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