顔たるみ・老け手・首のシワをまとめて解消!#4

キャシー中島さん、20年超ヘバーデン結節を患って

公開日:2023.01.21

更新日:2023.05.06

20年以上前に、ヘバーデン結節を、その後ブシャール結節を発症したキルト作家でタレントのキャシー中島さんに発症当時のことを伺います。最初は病名すらわからなかったというキャシーさんが、痛みとの付き合い方と対処法についてお話してくれています。

キャシー中島(きゃしー・なかじま)さんプロフィール

キャシー中島(きゃしー・なかじま)さんプロフィール

キルト作家・タレント。1952(昭和27)年ハワイ・マウイ島生まれ。69年にモデルとしてデビュー。夫は俳優の勝野洋(かつの・ひろし)さん。

20歳の頃からパッチワーク教室を始め、現在全国に6店舗のキルトスタジオを展開。アメリカンパッチワーク、ステンドグラスキルト、アップリケキルト、ハワイアンキルト等の制作・デザインを手掛けている。キルト関係の著書は65冊を超える。2022年にはキルト生活50年、芸能生活55年を迎えた。

※インタビューは2022年4月に行いました。

40代でヘバーデン結節を発症……

40代でヘバーデン結節を発症……
「まず右手小指の第1関節が痛み、次に人さし指。そして親指はコブのように腫れました。今でも第1関節は腫れ、指は曲がっています」とキャシーさん

最初に異変に気付いたのは45歳頃です。右手小指の第1関節が赤く腫れ、何かに当たるとすごく痛い。でもキルトを縫うときは痛まなかったので放っていました。

2年くらいたつと、右手人さし指の第1関節がコブのように赤く腫れ、痛みをやわらげようと、なでるのが癖になっていました。

私の母も指先の痛みがあり「リウマチ」と言っていたので、私も同じかな?と人間ドックで検査しましたが、リウマチではないとの診断でした。そのうち他の指も痛くなってきた頃、キルト教室の生徒さんの一人が「ヘバーデン結節かもしれないから病院に行った方がいいですよ」と教えてくれました。

症状が出て10数年たった57歳の頃、初めて整形外科で診察してもらったのです。

医師からは「ヘバーデン結節です。老化現象ですね」と言われました。「40代で痛みが出たのに老化?」と聞くと「そういう人もいます」と。

治す方法はなく、痛み止めを飲むのと湿布を貼るくらいで、手術方法もないと。これからどうしようと思いました。

65歳で右手の薬指が「ブシャール結節」に

65歳で右手の薬指が「ブシャール結節」に

日常生活で、特に指を引っ掛ける動きは痛みでとても大変でした。

ペットボトルやプルタブは開けられません。雑巾は絞れない。でもそういったことは夫(俳優の勝野洋さん)や、まわりの人に頼むことができます。実はトイレが一番苦労しました。

ズボンを下げるのはなんとかできますが、指を掛けて上げることが痛くてできないんです。そぉーっとやるのですごく時間がかかります。なので、トイレは十分な時間の余裕を見て行くようにしていました(笑)。

ただ幸いだったことに、好きなキルトを縫っているときだけは痛くないので、湿布やテーピングでなんとか生活していました。

その後、65歳くらいのとき右手の薬指の第2関節が腫れてきました。指輪が入らないほどで、そのときもキルト展で指をさすりながら作業していたらお客様が「キャシーさん、それはブシャール結節ですよ」って。

その頃には私もスマホを使えるようになっていて(笑)。「ブシャール」と入れて検索して、「ヘバーデンの次にかかるのはブシャールなのね」と知りました。

それで再び病院に行ったのですが、やはり治療法はないと。そこでSNSやテレビの取材で、自分の手の痛みのことを話し始めました。すると「私もヘバーデンで苦しんでいたけど、エクオールのサプリメントで治りました」というコメントがいっぱい来たんです。

サプリと「指反らし」で痛みのない生活に

サプリと「指反らし」で痛みのない生活に
針を立てて倒して押すことを繰り返すことで針を持たずに縫えるアメリカンキルティングの技法。指を使わず、肩もこりにくいそう

手指の痛みは「エストロゲン」という女性ホルモンの減少が深く関わっているといわれています。

「エクオール」はエストロゲンに似た働きを持っていて、大豆イソフラボンが腸内細菌で代謝されてできる成分。そのサプリなのですが、私はそういうのを信用しないタイプだったんで半年ぐらい飲まなかったんです(笑)。

それでもSNSで「1回だまされたと思って飲んでください」という熱心で親切なコメントが来て、まぁ試してみようかと。飲み始めて3日ぐらいは、特に変化はなく、夫に「3日じゃ効かないよ」と言われて(笑)。

2週間目くらいから「あれ、ちょっと痛くないかも」と思い始め、それからはもうずっと痛くないです。飲むのをやめたら、あの痛みがまた襲ってくるのかと思うと怖くてやめられないですね。

私はこのサプリ以外のことは何もしていません。大豆製品をとれば指にいいのかもしれませんが、サプリでよくなっているので、それ以上余計な気遣いはしないんです。その方がストレスがなくて、私にはいいのかもしれません。

他に指のために続けているのは指反らし体操です。

これはある程度痛みが治まった後に診てくれた医師が「血流をよくしないとだめだ」と教えてくれたから。キルトを縫うとき指を曲げることが多いですから、親指から順番に1本ずつ、両手の10本の指をじわーっと反らす体操をしています。

気持ちのいいところまで反らして10数えます。気が向いたときにいつでもいいですが、私は毎朝やっています。

毎朝行っている「指反らし体操」

毎朝行っている「指反らし体操」

1本ずつ、気持ちいいところまで10秒間反らします。

まわりの人に知ってもらうことが大切

ヘバーデン結節は命に関わるわけではないですが、痛みとはずっと付き合っていかなければならず、毎日が苦しい深刻な病気だと思います。

そのことを周囲の人や身近な人に知ってもらうことが大切。いかに想像を絶する痛みであるか、そのためにできない動作や家事がいろいろある、そのことを知ってもらえれば、手を貸してもらえます。

「痛いけどやらなきゃいけない」と一人で抱え込まないようにしてください。私がこうしてお話ししていくことで、同じように苦しむ人を助けていけたらいいなと思います。

【キャシーさん流】ヘバーデン結節と無理なく付き合うコツ

  • ものすごい痛みであることを伝え続ける
  • できないことは我慢せずに協力してもらう
  • 痛みがなくても、指反らし体操は続ける
【キャシーさん流】ヘバーデン結節と無理なく付き合うコツ
キャシーさんが愛用しているキルトの道具とポーチ。キルトを縫っているときだけは痛みがなかったそう

キャシーさんの「ヘバーデン結節」発症から現在まで

45歳頃
右手小指第1関節の違和感と腫れに気付く。
その2年後
右手人さし指第1関節にも痛み。
その半年後
コブのようになり、指をぶつけると激痛が走る。
40代後半
リウマチと思い、人間ドックで検査。
50歳頃
他の指や親指にも痛み。
57歳頃
知人に「ヘバーデン結節」と教えられ、初めて受診。治療法はないと言われる。
60代
第2関節も痛み出す(ブシャール結節の症状)。
65歳頃
SNSで公表。ファンの方から、エクオールサプリメントをすすめられ、痛みが消える。
現在
サプリメントと毎朝の指反らし体操を続けて、今は痛みはない。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じた場合はおやめください。

次回は、80代後半になっても、ふっくら&つやつやの手を保つ美容研究家・小林照子(こばやし・てるこ)さんに、手を美しく保つための秘訣を伺います。小林さんのメソッドを体験した読者の成果報告もあります。

取材・文=原田浩二(ハルメク編集部) 撮影=中川まり子
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年4月号を再編集しています。


■あわせて読みたい■


手指のしびれ・痛み対策特集を見る

手指のしびれ・痛み対策特集を見る
↑特集を見るには画像をクリック
  1. 隠れた国民病!手指のしびれ・痛みとは?
  2. 手指トラブルの予防&改善!「10秒神経マッサージ」
  3. 1回1分!手指の健康を守る「指エクサ」
  4. 手指への負担を軽減する、8つの生活習慣 
  5. 手指のしびれ&痛み、受診の目安と治療法

■もっと知りたい■

【特集】顔たるみ・老け手・首のシワをまとめて解消!

  1. シワ・たるみは、骨と筋肉から解決!簡単「骨たたき」
  2. 2週間で読者も実感!ハリとツヤを取り戻すマッサージ
  3. 最短1回10秒!「深層筋マッサージ」で肌を引き締め
  4. キャシー中島さん、20年超ヘバーデン結節を患って
  5. 読者も2週間で実感!手のシミ・シワ・血管浮きを改善
  6. 3分でOK!「温冷ケア」で手のシミ・シワを改善
  7. 首のたるみ&しわは姿勢が原因!解消エクササイズ4
  8. 皮膚科医が教える首のポツポツ&ザラつきの簡単ケア7
  9. 50代からのスキンケア7つの常識!ウソ?ホント?
  10. 大人世代を美肌に導く9つの生活習慣!ウソ?ホント?

雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事