顔たるみ・老け手・首のシワをまとめて解消!#7

首のたるみ&しわは姿勢が原因!解消エクササイズ4

公開日:2023.01.13

更新日:2023.09.12

首は年齢が出やすいパーツの一つ。原因は、年齢とともに姿勢が前かがみになり、筋肉が弱ってしまうこと、と歯科医師の宝田恭子さんは言います。たるみ・シワのない首を手に入れる簡単な「深呼吸エクササイズ」を4つ教えてもらいました!

「生きるための機能」が衰える丸まった姿勢

丸まった姿勢は「生きるための機能」の衰えにも!

スマホ、読書、料理など、日常生活はうつむいて行うことばかり。それに丸まった姿勢はラク。「そんな日々が、首にたるみ・シワを『形状記憶』させるのです。猫背は首の筋肉を弱らせ、たるみシワの原因に。でも、そんな見た目の美しさを失うよりも怖いのは、生きるための機能が衰えること」と歯科医師の宝田恭子さんは指摘します。

猫背で弱ってしまう首の筋肉は、肋骨(ろっこつ)を動かしてもいるので、ここが弱ると深い呼吸ができません。また首の筋肉はのどの筋肉でもあるので、衰えると食事をうまく飲み込めません。

「首の側面にある筋肉『胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)』を弱らせないことが首の機能、美しさにつながります」と宝田さん。

首のたるみ・シワの原因は、首の角度!

首のたるみ・シワの原因は、首の角度!
左が「正しい」姿勢、右が「猫背・うつむき」姿勢

きれいな首のカギを握るのは、首の筋肉「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」の角度。後ろに60度倒れていれば、筋肉にハリがよみがえり、たるみは改善します。

縮んでいた首の前面の皮膚も伸び、しわもスッキリ。さらには、首の筋肉を引き締める舌の位置や歯の噛み合わせも適正に。いいことだらけです。

こんな姿勢がキケン!

こんな姿勢がキケン!

ポイントは「深呼吸エクササイズ」で、首の筋肉を理想の角度“後ろに60度”にすること。

呼吸する力、飲み込む力、さらには噛む力まで取り戻せます。「首のたるみ・シワを見つけたら、『今が機能を取り戻すとき!』と思って、首を強くしましょう。その先に、首のキレイはあります!」と宝田さんは言います。

キレイな首の条件

  • 深く呼吸できる

深く呼吸できる

  • しっかり飲み込める

しっかり飲み込める

「深呼吸エクササイズ」で1週間ですっきり!

胸鎖乳突筋を理想的な角度にして、舌の筋肉やあごの骨を育てるエクササイズです。4つのエクササイズを1日10回、1週間行えば、スッキリ首に!

深呼吸エクササイズ1:姿勢よく座る

深呼吸エクササイズ1:姿勢よく座る
視線は、遠く3階くらいの高さを見ます。かかとはひざより引くのがポイント

かかとを引いて座れば、骨盤が起きて頭が正しい位置におさまります。さらに、目線を少し上げてあごを引くと、胸鎖乳突筋が後ろに60度倒れて理想の角度に!

深く呼吸ができる姿勢の完成です。首の美しさを保つために、この姿勢を体に記憶させましょう。

深呼吸エクササイズ2:2度深く息を吸って、止める

深呼吸エクササイズ2:2度深く息を吸って、止める
視線のポイントはさらに遠く10階くらいの高さを見ること。大きく息を吸って、さらに深く吸います

胸鎖乳突筋は別名「吸気筋」。深く息を吸うと後ろに倒れる特徴があります。2度大きく息を吸って、縮こまっていた首の筋肉を伸ばしましょう。

深呼吸エクササイズ2:2度深く息を吸って、止める

肋骨が左右に大きく広がり、横隔膜が下に大きく膨らむようにイメージすると、より深く吸えます。吸い切ったら息を止めるのもポイント。その瞬間に、取り込んだ酸素が二酸化炭素と入れ替わります。

深呼吸エクササイズ3:息を止めたまま、上の前歯の裏を、舌で5回押す

息を止めたまま、上の前歯の裏を、舌で5回押す
舌の筋肉の動きを手で触り確かめます

舌の筋肉の動きを手で触り確かめます

舌は見えている部分の5倍の大きさがあり、見えないところは喉(のど)についています。その大きな筋肉を鍛えてたるみを解消するために、上の前歯の裏を舌で5回押します。息を止めたまま行います。飲み込む力もつきます。

深呼吸エクササイズ4:息を止めたまま、奥歯で1度噛む

息を止めたまま、奥歯で1度噛む
最後はゆっくり息を吐いて、脱力しましょう!

息を止めたまま最後に奥歯で1度噛んだら、ゆっくりと息を吐き終了です。

胸鎖乳突筋が後ろに60度倒れていれば、正しい噛み合わせに(イラスト右)。上下の前歯の間に隙間があき、しっかり奥歯で噛むことができます(イラスト左)。噛んだ振動は、筋肉の支えとなる骨を活性化。骨を痩せさせないことで、たるみ・シワを防ぎます。

喉の筋肉&首の筋肉にもアプローチ!

喉を鍛えるごっくんエクササイズで、たるみ・シワを解消!

【ごっくんエクササイズ】

【ごっくんエクササイズ】

喉の筋肉が弱り、喉仏の位置が下に下がるのも首のたるみの原因に。ごっくんエクササイズで、予防・解消しましょう。

1.喉仏の上に人さし指を置く。
2.口に唾液をためてごっくんと飲む。
3.喉仏が指よりも上に移ったらその位置を保って5つ数え、脱力……。

1日20回行いましょう。むせにくくなります。

首の筋肉をマッサージ!

【ほうれい線が薄くなる!口角もアップ!】

【ほうれい線が薄くなる!口角もアップ!】
鎖骨と胸鎖乳突筋が交差するあたりをグイグイと押します

首にある表情筋「広頸筋(こうけいきん)」は硬くなると口角を下げてしまいます。マッサージでゆるめれば、口角が上がり、ほうれい線は薄くなります。少し肩を寄せ、鎖骨の一番内側に指を入れるようにし「イタ気持ちいい」強さで押しましょう。

次回は、さらに美しい首を手に入れるために、首のポツポツ・ザラザラの2大原因について皮フ科医の柴 亜伊子(しば・あいこ)さんに伺います。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

宝田恭子(たからだ・きょうこ)さんプロフィール

宝田恭子(たからだ・きょうこ)さんプロフィール

歯科医師。東京歯科大学卒業。同大学勤務を経て、宝田歯科医院の3代目院長に。日本アンチエイジング歯科学会監事。著書に『「顔面地滑り」をくい止める!宝田式 速効5分 顔筋リフトアップ』(PHP研究所刊)など。

取材・文=井口桂介(ハルメク編集部) 撮影=中西裕人 ヘアメイク=AKANE イラストレーション=秋葉あきこ
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年4月号を再編集し、掲載しています。

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