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認知症予防に!脳トレ・生活習慣・食べ物・ツボ・運動
脳の血流を良くする方法11選!血行を悪くする原因も
脳卒中リハビリセンターMOMOKA
藤澤素子
公開日:2023.10.27
酸素や栄養素を届ける血液は、脳にとって非常に重要なものです。脳血流を良くする方法を詳しくご紹介!脳トレや運動、生活習慣や食習慣の改善、おすすめの食べ物、ツボなど簡単にできる方法で脳の血流アップにつなげましょう。血流を悪くする原因も解説!
脳の血流の役割
人間の体の中では、絶えず血液が循環しています。血液には栄養素や酸素を体中に届ける役割があり、脳の活動にも大きく関わっています。
脳の活動を維持するためには、多くの血液が必要です。心臓から送り出される血液量のうち、約20%が脳に供給されるといわれています。
血液の供給がなくなると、脳は数分でその機能を停止してしまいます。脳にしっかりと血液を循環させることは、生命を維持する上で欠かすことができません。
よく「脳を活性化させよう」といわれることがありますが、脳の活性化とは、脳血流の量が豊富な状態のことを指します。
たっぷりと血流が巡ることで、脳は本来の能力を発揮できるようになるのです。
脳血流が悪くなると機能低下につながる
脳は、その働きを維持するために、多くの酸素や栄養が必要です。そのために全体の約20%もの血液量が供給されていますが、脳への血流が低下すると、脳の機能低下につながります。
脳は、大きく「前頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」に分けられます。この中でも、集中力や注意力を司る「前頭葉」は、加齢に伴い血流の量が少なくなることがわかっています。
加齢による脳の血流量の低下は、認知症にも関連する要素です。
年齢を重ねると物忘れが多くなったり、うっかりミスをしてしまったりということが起こりますが、これは脳の血流量の低下の影響だといわれています。
血の通り道である血管は、老化に伴う硬化やコレステロールなどの付着によって狭くなり、血流が悪くなります。
脳の機能を低下させないためにも、脳の血流が良い状態にすることが重要です。
脳血流を良くする11の方法
ここからは、脳血流を良くし、脳を活性化させるための方法をご紹介します。
1:脳トレをする
脳は部位ごとに役割を持っています。
異なる役割を持った脳の部位を脳トレで刺激すると、脳が活性化。脳トレは簡単な計算やクイズ、昔のことを思い出す問題、間違い探しなど種類豊富です。ゲーム感覚で楽しみながら取り組むことができるでしょう。
ここでは、頭頂連合野を活性化させられる間違い探しの脳トレをご紹介します。
【問題】下の2枚は、鏡合わせになった絵です。絵の中に、全部で間違いが「7か所」あります。どこか答えてください。
間違い探しの正解は、以下の7か所です。
- 月の向き
- 壁の絵画の向き
- おつくりのレモンとバラ
- 赤ちゃんの髪型
- 中央の男性の前のコップの並び
- ししおどしの向き
- ワイングラスの傾き
2:運動を習慣化する
運動をすると、全身の血液の循環が良くなります。
最近の研究では、軽い運動やジョギング程度の運動を行うと、脳血流が増加するという報告が多く見られます。また、低強度の運動を続けると、海馬(記憶に関わる重要な脳の器官)の血流量が増え、海馬の神経細胞の増加につながるという研究も。
このように、運動を習慣化することは、脳血流量の増加や神経細胞の働きの活性化につながると考えられるでしょう。
簡単にできる運動としては、散歩やウォーキングがおすすめです。足は第二の心臓ともいわれ、足の筋肉を動かすことでしっかりと全身の血液が循環します。
景色や気温、空気や音によって目は肌、耳が刺激されると、それが脳の刺激となり、神経細胞の活性化につながるでしょう。
3:指先を動かす趣味を始めてみる
指先を動かすと、脳を刺激でき、脳血流を促進できます。
ボタンを留める、パソコンやスマートフォンを操作する、財布から必要な小銭を選んで掴む、靴紐を結ぶ、本のページをめくる、料理をする……などは、すべて指先を使う作業です。
私たちは毎日何気なく指先を使っていますが、それらは膨大な脳の神経細胞によってコントロールされています。
年齢を重ねると繊細な作業が難しくなるのは、加齢によって神経細胞の働きが衰えるため。
指先をよく動かすようにすると、神経細胞の働きを改善できます。楽器の演奏や手芸など、指先を動かす趣味は脳の活性化につながるためおすすめです。
4:湯船に浸かる
シャワーだけで済ませている人は、湯船に浸かるのもおすすめです。お風呂にゆっくりと浸かることで全身の血行が良くなる効果が期待できます。
ゆっくりと入浴して体を温めることにはリフレッシュ効果もあるため、ストレス解消にも向いています。
5:ぼんやりする時間をつくる
これまでは「何かしているときの脳の活動」が注目されることが多かったものの、近年では「ぼんやりしているときの脳の活動」に注目が集まっています。
何もせずにぼんやりしているとき、脳では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれるシステムが活性化。取り入れた情報や記憶の整理整頓、新しい情報のつなぎ合わせを行い、脳の疲れを取ってくれています。
デフォルト・モード・ネットワークを活性化させる活動には、以下のようなものがあります。
- ぼんやりする
- 散歩したり、歩き回ったりする
- 料理をする
- 音楽を聴く
- 水回りの掃除をする
- トイレに行く
どれも、難しいことを考えずにルーティンとしてできる行動です。仕事などの作業時間の合間に、ぼんやりする時間を取り入れましょう。
6:栄養バランスの良い食事
脳の重さは体重の約2%ほどですが、脳がうまく機能するためには人間の1日分の消費エネルギーのうち約20%も必要だといわれています。
脳にしっかりと栄養を届けるためには、栄養バランスの良い食事をしっかり食べることが欠かせません。
特に、朝食をしっかり取って、脳を活性化させましょう。
7:よく噛んで食べる
食事の際は、よく噛んで食べることで血流アップにつなげられます。
噛むという行為は脳への血流を良くし、血液によって届けられる酸素や栄養素の供給量を増加させます。硬く歯ごたえのある食材を取り入れるのもおすすめです。
8:血管を強くする
血管が硬くなると、血流が悪くなります。血管を強く、しなやかにすることも脳血流を良くするために大切です。
血管の硬化は血液の流れが低下するだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、狭心症、閉塞性動脈硬化症などの重大な病気のリスクを高めてしまうことに。
健康な人であっても、歳を重ねることで血管は硬くなっていきます。特に、60代以降は急激に血管の硬化が進むといわれているため、注意が必要です。
血管を強くするために、以下の7つの生活習慣を取り入れてみましょう。
- 体に良い食事
- 運動
- 肥満気味の場合は体重を減らす
- 適正血圧を維持する
- コレステロールのコントロール
- 血糖値を減らす
- 禁煙
9:血液をサラサラに保つ
血液がドロドロになると血の流れが悪くなるため、血液をサラサラな状態に保ちましょう。
血液中の糖質や脂質(コレステロールや中性脂肪)の増え過ぎ、水分不足などが、血液がドロドロになる原因です。
血液をサラサラに保つために、運動による筋力維持や、血管と血液をきれいにする食習慣を実践しましょう。
また、血行促進作用のあるビタミンEなどの栄養を取り入れるのもおすすめ。オメガ3系脂肪酸も、脳の血流改善に効果的です。
10:睡眠の質を高める
漢方では、夜0時を挟んだ2時間で体の「陰」と「陽」が入れ替わると考えられています。この陰陽がうまく入れ替わることで、深夜1〜3時頃に血液がつくられます。
しっかりと血液をつくるためにも、なるべく夜は23時までに眠るようにしましょう。
寝つきが悪い人や、睡眠のリズムが崩れがちな人は、朝起きたらカーテンを開けたり、外に散歩に出掛けたりして太陽の光を浴びるのがおすすめ。日の光を浴びることで体内時計がリセットされて、夜に睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌されやすくなります。
睡眠の中でも深い眠りである「ノンレム睡眠」は大脳を休ませるための大切な睡眠のため、しっかり眠って脳を休息させましょう。
11:ツボ押しをする
脳血流を良くするためのツボを押すのもおすすめです。仕事や家事の休憩中など、空き時間に手軽にできます。
左右の眉頭の下のくぼみにある「攅竹(さんちく)」というツボを刺激すると、脳の血流量がアップ。頭がスッキリして、集中力を高める効果が期待できます。
人差し指の腹で、痛気持ちいいくらいの力で5秒間ほど刺激するのを5回ほど繰り返しましょう。
脳血流を悪くする原因
脳血流を良くするためには、脳血流を悪くする原因を生活から取り除くことも大切です。ここからは、脳血流を悪くする原因について解説します。
タバコ
タバコの煙には、ニコチンを始めとして、活性酸素、シアン化水素、一酸化窒素、一酸化炭素などの有害化学物質が多く含まれています。
ニコチンは、一時的に脳血流を促進するものの、その後で急激な血管の収縮が起こり、血流量が低下。これを繰り返すと脳血管に大きな負担がかかり、脆くなっていきます。
また、タバコは血栓形成や動脈硬化を進行させるため、虚血性心疾患や脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)リスクを高めてしまう要因です。
ストレス
ストレスも、タバコと動揺に血管を収縮させ、脳の血流を悪くしてしまいます。また、強いストレスは活性酸素が増える原因にも。
脳の神経細胞は、血流の低下による酸素不足と、活性酸素によるダメージを受けやすい部分です。ストレスは脳の血流に悪影響があるだけでなく、さまざまな症状や病気の原因になります。
ストレスが限界に達してしまう前に、ストレスを解消しましょう。
お酒の飲み過ぎ
アルコールの取り過ぎも、脳に悪影響を与えます。
アルコールが肝臓で分解される際に発生する「アセトアルデヒド」は、脳の神経細胞にダメージを与える有害物質です。
厚生労働省では、節度ある適度な飲酒量を「1日平均純アルコールで約20g」としています。これはビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒なら1合(180mL)、ウイスキーならダブル1杯(60mL)ほどの量です。
お酒はほどほどに、飲み過ぎないようにしましょう。
スマホによる脳過労
最近、スマホによる脳過労が問題視されています。スマホによる脳過労が起きた人の脳を調べたところ、前頭葉の血流の減少が見られたという結果が出たといいます。
30〜50代の働き盛り世代でも、スマホ依存によって意欲や判断力が低下し、物忘れが激しくなる可能性があります。
息抜きのつもりのスマホが実際には息抜きになっておらず、脳疲労を悪化させてしまっているケースは少なくありません。スマホからは文字や映像など膨大な情報が入ってくるため、脳の情報処理が追いつかなくなり、負担になってしまうのです。
血流アップで脳も体も元気に!
脳には、全体の約20%もの血液量が供給されています。脳血流が悪くなると、血流によって届けられている酸素や栄養素の供給不足になり、脳の機能低下につながることに。
脳の血流が良くなるということは、体全体の血流が改善されるということです。脳や体を元気にして、認知症予防や生活習慣病予防につなげるためにも、脳血流を良くする習慣や方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:藤澤素子さん
理学療法士。東京都小金井市にある自費リハビリ施設『脳卒中リハビリセンターMOMOKA』 副代表。脳卒中リハビリセンターMOMOKAは、脳卒中を中心に後遺症で悩まれている方がもっと自立して人生を楽しめるお手伝いをする、量と質を兼ねそろえたリハビリを提供。公式LINE:https://lin.ee/3MS7RWX
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