眉丘筋って?コリをほぐしてなくすマッサージを伝授!

眉毛の上の膨らみは筋肉?できる原因・対策・治療法

徳永理恵
監修者
逗子メディスタイルクリニック院長
徳永理恵

公開日:2023.10.16

眉山あたりにある「眉毛の上の膨らみ」はインターネット上では「眉丘筋(びきゅうきん)」と呼ばれ、老け見えの原因になるため、悩んでいる人も多いようです。できる仕組みや原因、日常生活での対策、美容医療の施術について解説します。

眉毛の上の膨らみとは?できる仕組み

眉毛の上の膨らみとは?できる仕組み

眉毛の上の膨らみとは、眉毛の眉山部分にできる、こんもりとした膨らみのこと。目を大きく開けたときや、驚いたりして眉を上げたときに盛り上がり、目立つのが特徴です。

眉毛の上の膨らみができると、実際の年齢よりも老けた印象に見えたり、男性のように骨ばった印象を与えてしまうので、若々しく女性らしい印象を与えたい方には気になる部分です。

眉の周囲には、以下のようなさまざまな筋肉が存在しています。

  • 前頭筋……おでこにある筋肉。眉毛を引き上げる。おでこのシワの原因にもなる
  • 皺眉筋……眉間にシワをつくるときに働く筋肉。眉を内下側に引く働きをする
  • 眉毛下制筋……眉頭を下に引き下げる筋肉
  • 鼻根筋……眉間の間にある三角形の筋肉。眉間にシワを寄せたり、眉頭を引き下げたりする
  • 眼輪筋……目の周囲にある筋肉。瞬きの際に動いたり、眉を下げたりする

眉を上げると、前頭筋が収縮します。(このとき、おでこにシワができた状態になります)

前頭筋が収縮すると、前頭筋の上に重なっている脂肪や皮膚が盛り上がり、これが「眉毛の上の膨らみ」につながるという仕組みです。

皺眉筋が発達している場合、この眉毛の上の膨らみと重なることで余計にぽっこりと膨らみが目立ってしまうこともあります。

なお、眉毛の上の膨らみは、インターネット上では「眉丘筋(びきゅうきん)」や「眉弓筋」と呼ばれることがありますが、眉丘筋や眉弓筋は医学的な用語ではありません。が、美容的には時々使われます。

眉毛の上の膨らみができる・筋肉が目立つ原因

ここからは、眉毛の上の膨らみができる原因や、眉毛の上の筋肉が目立つ原因について解説します。

筋肉の発達

眉毛の上の膨らみは、眉毛を大きく上げたときや、目を大きく見開いたときに盛り上がります。

しかし、皺眉筋など眉毛の上の膨らみにかかわっている筋肉が過剰に発達し過ぎると、無表情のときでも眉毛の上の膨らみが目立つように。

筋肉が発達し過ぎると、「つり眉」や「上がり眉」といって、眉毛がつり上がったような状態に見えることもあります。

表情の癖

目をしっかりと開こうとしたとき、まぶたの筋肉ではなく眉毛を持ち上げる癖や、眉間にシワを寄せる癖があると、眉毛の上の膨らみの原因となる筋肉の発達につながります。

表情の癖は本人でも気づかないうちに行ってしまっているため、表情の癖がないか、チェックしてみましょう。

おでこの筋肉を使わないとしっかりまぶたを開くことができないという場合、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)のゆるみによる眼瞼下垂の可能性も考えられます。

目を開けるときにおでこの筋肉を使う癖があると、おでこのシワにつながることも。表情の癖を直さないとシワが深く定着してしまうことになるため、早めの対処がおすすめです。

目の使い過ぎによる表情筋のコリ(コリ=過緊張)

眉間にシワをつくる働きをする皺眉筋は、凝りやすい表情筋です。

現代人は長時間パソコンやスマートフォンを操作することも多く、目を使い過ぎることで目や眉の周囲の筋肉が緊張してしまっていることも。

その他にも、長時間のテレビ視聴や読書、細かい作業も眼精疲労につながります。

目元の筋肉のコリをケアせず放置してしまうと、疲労がたまり続けて凝り固まり、ぽこっと盛り上がって見えることに。

眉毛を細くし過ぎている

眉毛を整える際、毛を抜き過ぎたり剃り過ぎたりすると、筋肉部分を覆う眉毛がなくなることで、筋肉の膨らみが目立って見えることもあります。

例えば、眉と目の距離を近づけようとして眉毛の上の方を剃り落とすと、眉毛の上の膨らみが目立ちやすくなることも。

年齢を重ねると、眉毛の下部分の毛が抜けて少なくなるため、眉毛の処理のし過ぎには注意が必要です。

眉毛の剃り過ぎ・抜き過ぎやメイクが原因で眉毛の上の膨らみが気になっている場合、メイクを工夫してみるのもおすすめ。

眉毛は、その人の顔の印象を大きく左右する部分です。眉の形や角度、太さを変えるだけで大きく印象が変わるため、ぜひ試してみてください。

骨格によるもの

人によっては、骨格が影響して眉毛の上の膨らみが目立っている可能性も。生まれつき眉骨が前に出ている人は、眉毛の上の膨らみが目立ちやすいこともあります。

皺眉筋のコリセルフチェック!

皺眉筋のコリがあるかどうかわからないという人は、簡単な方法でセルフチェックが可能です。

  1. 人差し指と親指を使い、眉毛の筋肉ごとつまむ
  2. 眉頭から眉尻まで順番にぎゅっとつまんでいく
  3. つまんだ際に「痛い」と感じた場合は皺眉筋が硬く凝っている可能性がある

眉毛の上の膨らみの日常でできる対策

眉毛の上の膨らみの日常でできる対策

ここでは、普段の生活でできる眉毛の上の膨らみの対策についてご紹介します。

目の酷使を避け、定期的な休憩を取る

長時間のスマートフォン操作やパソコン作業は目の負担になります。少しでも負担を減らすために、作業環境の明るさを適切な状態に調整し、1時間に1回、3分ほど目を休めるための休憩を取るといいでしょう。

現代人の目の疲れは、「近くの見過ぎによる毛様体筋(目の中にあり水晶体を調節する筋肉)の緊張」が原因となっていることが多いです。

毛様体筋の緊張をほぐすためには、遠くを見るのがおすすめ。室内の場合は5m以上先のものを見るようにしましょう。

ホットタオルなどで目の疲れのケアをするのもおすすめです。

目を細めたり眉に力を入れたりする癖を直す

目を細める、眉を寄せるといった表情の癖がある人は、なるべく癖を直すように意識しましょう。深呼吸を取り入れると、全身の力が抜けてリラックスできます。

眩しいときについ目を細めてしまうという人は、サングラスや帽子、日傘を活用することで目を細める機会を減らせます。

メガネやコンタクトレンズの度数を合わせる

物がよく見えないときに目を細めたり、眉間にシワを寄せたりしてしまうという人は、今使っているメガネやコンタクトレンズが自分に合っていない可能性があります。

度数が合わないメガネやコンタクトレンズを使い続けると、目が疲れやすくなるため、自分に合ったものに変えるようにしましょう。

表情筋トレーニングを行う

おでこや眉間にシワを寄せる悪い癖のある人は、眉間とおでこのシワを取る表情筋トレーニングの「眉ロック」がおすすめ。

眉やおでこの筋肉の緊張をほぐしつつ、おでこにシワを寄せずに目を開く新しい表情の癖を身につけていけます。

  1. 姿勢を正し、頭・顔・体で1本の軸を作るイメージでいすに腰掛ける
  2. 眉に指を当てて揺らし、眉と額まわりの緊張をほぐす。額が緊張している場合は、額にも指を当てて頭を左右に軽く揺すって無駄な力を抜いていく
  3. まぶたの力を使い、目を大きく見開いて5秒キープ。このとき、額の筋肉は使わないように注意する。どうしても額にシワができてしまう人は、手で押さえてシワを伸ばす
  4. 目をぎゅっと閉じる。眉間にシワが寄らないように注意しながら目を細めて5秒キープ。眉間にシワが寄ってしまう人は指で眉を押さえてシワができないようにする
  5. 目をぎゅっと閉じたら、リラックスする
  6. 目を大きく見開く動きと、目を細める動きを3〜5回ほど繰り返し行う

おでこや眉間にシワが寄ってしまう人は、最初のうちは手で押さえてOK。表情筋トレーニングを繰り返していくうちに、手を使わなくてもできるようになります。

皺眉筋マッサージ

皺眉筋が凝っている人や、普段から目を酷使して眼精疲労を感じている人は、皺眉筋マッサージがおすすめです。

  1. 眉の骨に沿って、同じ側の親指の腹を当てる
  2. 同じ側の人差し指で眉毛の筋肉を挟むようにしてしっかりつまむ
  3. 眉頭から眉尻にかけて、3か所に分けて痛気持ちいいくらいの強さで2秒ずつつまむ
  4. 左右3セットを1日1回行う

眉毛の上の膨らみを治療する美容医療の施術

眉毛の上の膨らみは、美容医療の施術でも改善につなげることができます。

なお、美容医療の施術にはダウンタイムや痛み、副作用やリスクがあります。施術を受ける際には信頼できる病院やクリニックなどの医療機関に相談することが大切です。

ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)

眉毛の上の膨らみは、筋肉の発達やコリ、表情の癖などが原因によって起こります。

筋肉が原因となっていると考えられる場合、ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)の施術によって改善できることが多いでしょう。

ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)とは、ボツリヌス菌が生み出すボツリヌストキシンを薬として加工したもの。

ボツリヌストキシン製剤には筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があり、眉毛の上の膨らみの治療の他にも、肩こりの改善、歯ぎしり、表情ジワ、エラ張り、脇汗の改善などさまざまな治療に用いられています。

ヒアルロン酸注射

ボトックス注射は筋肉に作用する治療法であるため、骨格が原因となって目立っている眉毛の上の膨らみの改善は難しくなります。

眉骨が先天的に前に出ている人で、眉毛の上の膨らみを改善したい場合は、ヒアルロン酸注射による治療法が考えられるでしょう。

また、加齢とともに、こめかみの凹みが出てきます。

ヒアルロン酸注射によっておでこやこめかみにボリュームを出すことで、眉毛の上の膨らみが目立たないようにするというものです。

ヒアルロン酸注射もボトックス注射と同じく、効果は永久的なものではありません。時間の経過によって、少しずつ施術の効果が薄れていきます。

効果の持続期間は、使用するヒアルロン酸製剤の種類などによって違いがあります。

アートメイク

眉毛の抜き過ぎで眉毛が無くなってしまった方や、筋肉の左右差で上手に眉毛を描けない方など、あらかじめアートメイクを入れておくと便利です。

筋肉の収縮を考慮してもらってプロにデザインしてもらうとかなり印象が変わってきます。

気になる眉毛の上の膨らみはさまざまな方法でケア!

眉毛の眉山部分にできる「眉毛の上の膨らみ」は、老け見えにつながることも。眉毛の上の膨らみは骨格が原因の場合もありますが、筋肉の発達や表情の癖が原因になっていることもあります。

気になる場合は、マッサージや日常生活でケアを行いましょう。

眉毛の上の膨らみの症状を改善したい場合は、美容医療の施術を受けるという選択肢もあります。ただし、美容医療の施術にはリスクもあるため、信頼できる医師に相談することが大切です。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵さん

徳永理恵さん

国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、『医療の力でQOLを上げる』をコンセプトに、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。3人男子の育児にも奮闘中。所属学会:日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会

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