落語自由自在(56)

ミュージカル落語・三遊亭究斗(きゅうと)さん

公開日:2022.04.07

ミュージカル落語というのがあることは知ってはいましたが、なかなか出会えずにいました。

延期、やがて中止のその果てに

数年前に、ミュージカル落語の記事を書きたいと、ハルメクWEBの編集の方にお伝えいたしました。「ぜひ、取材して」と言われました。その方、元舞台俳優で噺家役をやるために、寄席にも通い詰めたことがあるそうです。それだけに「面白いから」と、私の原稿を待っていてくださいました。

当時、数少ない公演が私の日程と合わず、月日が過ぎてしまい、その間に編集者さんも退社。約束が果たせないままで、とても心残りでした。

2020年3月、待望のチケットが手に入りました。元編集の方も、記事になればどこかできっと読んでくださると思い、いい原稿を書きたいと楽しみにその日を待っておりました。ところが、コロナで公演が8月に延期となってしまいます。8月、今度こそと思っておりましたが、その前日に公演中止の連絡があり、よくよくご縁がないのだと諦めておりました。

先日、ヤマハミュージック名古屋店にて、ミュージカル落語のハイブリット公演(観覧20名と配信)があり、配信はなんと無料というお知らせがきました。満を持してとは、このことです。

三遊亭究斗師匠のご紹介

1988年 劇団四季入団、10年間に多くのミュージカルに出演し、ロンドン・中国・シンガ

    ポ―ルなどの海外公演も経験

1997年 春風亭小朝に入門し落語家に転身「えびー太」となる

2001年 三遊亭円丈門下に移籍「あろー」となり、翌年二つ目昇進「亜郎」になる

2014年 真打昇進「究斗」と名がかわり、日本で唯一のミュージカル落語家となる

「音楽」×「落語」三遊亭究斗 ミュージカル落語の世界

「音楽」×「落語」三遊亭究斗 ミュージカル落語の世界

ヤマハミュージック名古屋店から、【不滅の恋人ベートーベン】の生配信です。

ご存知作曲家のベートーベンが、テレーゼと出逢うシーンから始まります。

近所のおせっかいおばさんが歌い出します。

あたしが何とかしなきゃ~

あたしが何とかしなきゃ~

陽気な歌です。さすが劇団四季出身だけに、歌も本格的です。

高座では袴姿の師匠が、正座のまま歌っていますが、頭の中には華やかなステージが浮かびあがります。ライトがキラキラ、やがてベートーべンが出逢ったばかりのテレーゼに、ピアノを弾いて聞かせます。

音楽と語りが一体となって、物語は進行していき、最後は交響曲第九番の有名な「喜びの歌」を歌い上げます。皆さん聴き入ってしまって、笑いはあまりおきませんが、心の中に爽やかな風が吹き抜けました。

YouTubeで、究斗師匠の「ミュージカル落語」が、いつの間にか見られるようになっていました。ミュージカル落語と検索して、ぜひお楽しみください。

落語ミュージカルは別の師匠(金原亭世之介)ですので、お間違えの無いようにお願い致します。

 

■もっと知りたい■

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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