おもしろハッピー落語会
2022.09.072021年12月08日
落語自由自在(52)
鈴本30日会・金翁ロードショー
東京・上野鈴本演芸場からの生配信「鈴本30日会・芸歴80周年 記念の会・金翁ロードショー」を観ました。三遊亭金翁師匠、現役最古参92才です。
金翁師匠は小金馬さんです!
金翁と言っても、なじみがないと思います。昨年(2020年9月)に金馬を、ご子息に譲り、二代目金翁を襲名したからです。金馬の前は、小金馬でした。
小金馬さんと言えば、国民的コメディー番組、NHKの「お笑い三人組」で、一斉を風靡しました。この番組は1955年(昭和30年)11月から60年3月までラジオで放送され、1956年11月から、66年3月までテレビで公開生放送されました。
つまりは、ラジオとテレビで同時に、放送されていた時期があったのです。その当時は、ラジオが主流で、テレビのある家は少なかったためです。
ちなみに、お笑い三人組とは、落語家の三遊亭小金馬、ものまね芸人の江戸家猫八、講談の一龍齋貞鳳の三人です。
NHKホールの思い出
ある日、番組を観に行きたくて、妹と一緒にNKHに勤めていた母に頼み、連れて行ってもらいました。
まず驚いたのは、舞台下に管弦楽団が控えていたことです。指揮者がタクトを振り、演奏が始まると、おなじみの出演者が次々登場し「三遊亭小金馬です」などと、自己紹介をします。
舞台装置がゆっくり廻ると、それに合わせて音楽が演奏され、場面が変わるのを、ワクワクしながら見つめていたのを、今でも鮮明に覚えています。子供心にも、贅沢をさせてもらったと、その時思いました。
鈴本演芸場のくいつきは80年の歩み
鈴本の開口一番は、人気女性噺家柳亭こみち(敬称略)続いて一之輔、五代目金馬、橘之助、扇遊という豪華メンバーで繰り広げられ、お仲入りとなりました。
お仲入り(休憩)後の幕開けを、くいつきと言いますが、何とくいつきは、舞台中央のスクリーンに、金翁師匠の昔の写真が映し出されました。それを見ながら、五代目金馬と、柳家喬太郎が質問し、80年を振り返ります。
12才で昭和の名人・三代目金馬に入門。1945年に小金馬となり、深い場所(お客がたくさん入っている所)に出たくて、腹話術にチャレンジするなど、苦労を重ねたそうです。「お笑い三人組」の写真も映し出されました。懐かしいお顔が並んでいますが、残念ながら、今ご健在なのは小金馬さんお一人です。
渾身の一席「影清」
ホンキートンクの漫才の後、この状況で、喬太郎が「午後の保健室」をぶち込みます。続いては紙切りの正楽、そしてトリは本日の主役金翁でした。マクラで場内を沸かせ「影清」というおめでたい一席を30分間熱演、おひらきとなりました。
あの日、NHKホールに連れて行ってくれた母は、9年前に亡くなりましたが、金翁師匠が今もお元気でうれしいです。芸歴80周年は、前人未到ですが、目指すは100周年だそうです。益々のご活躍を、お祈りしております。
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