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ほくとぴあ亭特別編「遊雀と期待の若手共演・新春初笑い」に行ってきました。
瀧川はち水鯉「雑排」
鯉朝師匠のお弟子さんで、はち水鯉と書いて、はちみりと読みます。
八五郎が横丁のご隠居に、雑排を教わるという噺で、お題を出しては、五七五に読み込むのが面白くて、二人でやり合います。テンポが良くて、コントみたいな感じに仕上げていました。
三遊亭兼矢「茶の湯」
兼好師匠のお弟子さんで、2022年3月に二つ目に昇進。からくり人形みたいな動きが、チョイチョイ出て、笑いを誘う陽気な「茶の湯」でした。
春風亭朝枝「加賀の千代」
呑気な甚兵衛さんが、隠居にお金を借りに行く騒動を描きます。たびたび借りに行くので、今回は断られる恐れがあると思い、女房が知恵をつけ、加賀 千代女の句「朝顔や つるべとられて もらひ水」を、甚兵衛さんに教えるのですが……。
さがみはら若手落語家選手権に優勝した朝枝さん、独特の風格がありました。
柳亭信楽「腰痛」
映画「転校生」みたいに、人がぶつかって入れ替わったり、次々にギックリ腰になったりと大騒ぎ、どんどん増える登場人物に、信楽さん自身も分からなくなったようで、取り違えた部分もありました。
これは好みの別れる噺です。笑いは取れたけど、結局何が言いたいのか、伝わらないまま終わり、観客も少々戸惑い気味でした。遊雀師匠が、後程これに触れます。
柳家あお馬「風呂敷」
ドライブ中に、警察官に呼び止められた夫婦、妻がドンドン夫を追い詰め、罪を重くするのがおかしくて、笑いが沸き起こります。たっぷりマクラをふって場内を温めてから、噺に入ります。
てっきり「厩火事」と思いきや、名作古典落語「風呂敷」でした。この意外性も、計算のうち、技なのでしょう。上手くなりました。前座の頃から見守っている私としては、胸がいっぱいになり、危うく泣きそうになりました。
林家喜之輔 紙切り
騎馬武者・野球・ライオン・獅子舞という注文に応えて、鮮やかに切りました。
三遊亭遊雀「二番煎じ」
「期待の若手の噺を、ずっと脇で聴いていたのよ。みんないいよね。一人変なのがいたけど」で、場内どっと笑いに包まれます。その後「あれはあれでいいんだよ。いろいろなのがいて」とフォロー、師匠のやさしさを感じました。
「今日は、冬の噺をさらってきたのよ」というので、冬に聞きたい噺といえば「うどん屋」「時そば」「鰍沢」「夢金」「二番煎じ」などがあり、さて何だろうと、頭が目まぐるしく回転しました。
生憎この日は17度と温かく、困った師匠「外はあったかいけれど、ここは寒いのよ」と断ってから「二番煎じ」に入りました。さすが真打、年期が違います。グイグイ噺に惹きこんでいきます。フレッシュな若手もいいけれど、ここぞとばかりに真打の実力を魅せつけました。
笑っているうちに、あっと言う間に終演、新春初笑いに相応しい会でした。
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