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2020.11.02ユーロスペースの落語会
この落語会は、持ち時間が1人30分あるのが魅力です。また、落語界の身分制度の中で、二つ目は寄席のプログラムの二番目に出て来る演者のことで、通常の寄席では一人しか登場しませんが、渋谷らくごでは複数の二つ目が出演します。
本日も、真打は入船亭扇辰師匠だけで、柳亭信楽さんと三遊亭青森さんは二つ目、後は講談の田辺いちかさんです。
では、二つ目の二人を、ご紹介します。
「約束」柳亭信楽
信楽さんは、証券マンからお笑い芸人を経て、柳亭楽輔師に入門、2018年8月に二つ目に昇進。
昨日から、青森さんが四国にいて、台風で飛行機が欠航なので、まだ来ていませんと、なぜかうれしそうに話します。今日は無料配信があるので、初めて落語を聞く方もいるかと思います。最初が私でいいのでしょうか? と、つぶやきます。
信楽さんの生の高座をよく聞いている私も、ふと不安になりました。変に肩に力が入っているのが、画面を通してもわかるからです。
「約束」は、少年野球ファンのおじさんの噺で、少年に「次の試合でホームランを打ってくれ」と頼むのです。「打ってくれたら手術を受ける」と言うのですが、果たして少年は、この面識のないおじさんのために、ホームランを打つのでしょうか?
時間が、10分近く余ってしまいました。落語って難しいですねとボヤいてから、もう1席やります。
「俺の夢」
ある日男が「会社を辞めて、夢を叶えたい」というので「夢は何?」と聞いたら「幕府を開くこと」「脱サラして、幕府を開いた人なんかいないよ」と言う同僚をも、男は誘おうとします。その想像力のすごさに、拍手と爆笑が湧き起こりました。
最初の不安はどこ吹く風、これを聞いたら、落語が初めての方も、きっと興味を持ってくれることでしょう。
「粗忽長屋」三遊亭青森
本当に間に合うのかと、心配していましたが、ひいきのロックバンドのライブで高知に行っていて、新幹線でギリギリ楽屋入りできたそうです。
青森さんは、三遊亭白鳥門下で、2019年2月に二つ目に昇進。
ロックのノリで、俺の名刺代わりの「粗忽長屋」始めまぁ~す。当然新作落語だと思っていたのに、古典だったので、正直戸惑いましたが、新しい切り口で笑いを取り「哲学版粗忽長屋」に仕上がっていました。
これは若い人には絶対受けますし、そうでない人も、いささか聞き飽きた噺に、新鮮な魅力を感じたことと思います。サゲもおなじみのではなく、うゎぁ~というものでした。
NHK新人落語大賞の動画審査で、落選したネタだそうですが、これはこれで面白いし、青森さんの別の落語も、聞いてみたくなりました。
10月の「渋谷らくご」は、下北半島の怪物三遊亭青森が5日間連続主任(トリ)で出演と発表されました。二つ目の身分で、5日間連続出演、しかも主任(トリ)というのは、異例中の異例です。10月13日~17日までで、13日は配信もあります。楽しみです。
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