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2020.11.022023年03月05日
落語自由自在(67)
楽しい「巣ごもり寄席」
「巣ごもり寄席」は、東京都豊島区巣鴨のスタジオフォーで、毎週水曜日に開催されます。13時開演、出演者3名で木戸銭1000円というのも魅力です。
巣鴨のスタジオフォーへ
今回は特に、今をときめく三遊亭わん丈さんの噺が聴けるというので、出かけてみました。
スタジオフォーは、都電荒川線(東京さくらトラム)の庚申塚駅下車2分ですが、まずは庚申塚にお参りです。ここは長命、疫病退散のご利益があります。
春雨や晴太さんにばったり
スタジオフォーの入り口で、春雨や晴太さんにばったり。「あっ、晴太さん」と、お声がけしたかったのですが、とっさに声が出ず、軽い会釈しかできませんでした。
「鹿政談」春雨や晴太
「鹿政談」は、奈良が舞台。奈良は、鹿を大事にする土地で、鹿を殺した者は親族もろとも死罪になるというお触れが出る程です。
正直者で評判の豆腐屋の与兵衛さん。ある朝豆腐を仕込んでいると、軒先で音がするので、見ると大きな犬がおからを食べています。脅かそうと棒を放り投げると、当たり所が悪く、犬は倒れてしまいました。
驚いて近づくと、それは鹿だったのです。奉行所に連れて行かれた与兵衛さんの運命やいかに、というお噺です。
良く通る声でマクラから引き込まれました。注目すべき若手が、また1人現れました。
「雛鍔(ひなつば)」古今亭祐輔
前座時代は金原亭乃々香として、テレビの密着取材などで見かけましたが、いつの間に廃業してしまい、今度は古今亭志ん輔門下で、祐輔として復帰しました。サラッとやって、わん丈兄さんにつなぎますと言っていたのに、バカに長い「雛鍔」でした。あっ、丁寧なでした。
「鰍沢(かじかざわ)」三遊亭わん丈
いよいよお目当ての、わん丈さんの登場です。
20歳から7年間バンドのヴォーカルとして活動、自身で企画からパーソナリティーまでつとめるラジオ番組や、イべントの司会もしていました。
東京を訪れた際に落語に出会い、三遊亭円丈師に入門。滋賀県初の江戸落語家となり、年間1000席高座に上がり、古典落語や創作落語を自在に操ります。受賞歴も多数で、人気上昇中です。
夏に、林家たま平さん・柳家あお馬さん・林家きよ彦さんと一緒に「鰍沢」の舞台【身延山】に出かけた模様を、Twitterで中継していて、私も聴いていました。マクラでそのエピソードを語り、あまりのおかしさに、大笑いしてしまいました。
鉄砲を持って追いかけられ、雪の中を逃げまわるという恐ろしい噺ですから、昼間からする噺ではありませんと断りつつも、果敢に笑いを取ろうとし、観客に瞬きする間も与えませんでした。
晴太さんが、冒頭で「来て良かったと思ってもらえる落語会にしたい」と言っていましたが、まさにそういう会でした。終演後、写真撮影にも快く応じてくださり、とっても楽しい巣ごもり寄席でした。
2022年8月より行われていた「全国若手落語家選手権」の決勝戦が2月6日に行われ、わん丈さんが優勝しました。おめでとうございます!
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