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2020.11.022023年05月30日
落語自由自在(70)
「TOIRO寄席」立川志の春 独演会
コロナ禍は、毎月配信で「志の春落語劇場」を楽しみ、昨年(2022年)は師匠の地元千葉県の柏まで追いかけ、本日はさいたまスーパーアリーナにやってきました。
立川志の春 独演会へ
さいたま新都心駅に降り立った途端、ものすごい人でごった返していて圧倒されました。
立川志の春師匠の人気も、ついにここまできたかと、密かに喜びました。が、隣の建物で三代目 J SOUL BROTHERSのコンサートがあるようで、皆そこへと消えて行きました(笑)。
私が目指すはTOIRO寄席、十人十色の十色(TOIRO)です。
「やかん」立川縄四楼
立川談四楼師匠のお弟子さんで、沖縄出身です。6月からは二つ目に昇進、琉四楼となります。
知ったかぶりをする隠居のところに、八五郎がやってきます。いつも高飛車な隠居を困らせてやろうと、物の名前の由来を次々にたずねると、隠居はこじつけて、煙にまいていく噺です。
途中講釈の言い立てが聞かせどころですが、省略してしまって残念。言い間違えるよりは、リズムが崩れなくて良いと言えば、それまでですが、きちんとお稽古して聞かせて欲しいと思いました。
「絶校長」立川志の春
田舎の学校に呼ばれた売れない落語家と、校長との会話で物語は進んでいきます。一癖あるおかしな教頭に圧倒され、やがて誰をも傷つけない笑いにしてほしいと、無理難題を吹っ掛けられて、噺家は散々な目にあいます。
「見ざる聞かざるEXILE」が口癖の校長、実はお隣で開催されている三代目 J SOUL BROTHERSに、初代志の春が対抗した一席でした。楽しくて、あるある話のオンパレードで、場内は爆笑の渦に包まれました。
「夏どろ」立川志の春
気の弱い泥棒が、深夜長屋に盗みに入り、寝ていた男に気づかれます。貧しくて盗る物がないと分かり、帰りかけると、男から相談を持ち掛けられます。
「死にたい」と言われ、そうさせてはならないと、次々に飛び出す要求に応え、ついには有り金全部を渡してしまいます。気のいい泥棒と、それに付け込んで、とことん甘える男のやり取りが、おかしくて惹き込まれました。
「不動坊」立川志の春
マクラとサゲは営業妨害になるので、いつの頃からか書いてはいけないとなりましたが、志の春さんのマクラは本当に素晴らしいです。先日の配信での話を、使い回すのかと思いきや、全く違う話で、はるばる埼玉まで来た甲斐がありました。
吉兵衛が風呂屋に、慌てて鉄瓶をぶらさげて行ってしまう件は、手拭に持ち替えないのかとハラハラしましたが、これが効果的に笑いを誘い、一気に聞かせます。
サゲは独自のものでしょうか。初めて聞きましたが、納得のいく素晴らしいものでした。ここでサゲを書けないのは残念ですが、また行ってみたいと思わせる魅力たっぷりな会でした。
皆さんも、ぜひ、志の春師匠の会に足を運んでみて下さい。本日の木戸銭2000円也。
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