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2020.11.022023年09月01日
落語自由自在(73)
第55回文蔵組落語会~ばばん場出張編~
東京高田馬場【ばばん場】より、生配信「文蔵組落語会」を観ました。何とこの会、本日で55回目です。ゲストは、三遊亭兼好師匠、思えば師匠は第1回目のゲストでした。
初めてのオンライン落語会
あの時(2020年4月)は、緊急事態宣言の直後でしたから、小さなスタジオで観客もなく、噺の途中で救急車のサイレンが聞こえてきたりもしました。
視聴する側も配信は初めてで、スマホで申し込んで、小さい画面を食い入るように観たのを、昨日の事のように覚えています。
あの日の演目は、橘家文太さんが「からぬけ」。兼好師匠が「崇徳院」。文蔵組長は「子別れ(下)」でした。
今はパソコンをテレビにつないで、大画面で楽しんでいます。我ながら、オンライン落語会に慣れたものだと思いました。
オープニングトーク 文蔵&兼好
オープニングトークは、文蔵組長と兼好師匠との出会いで大盛り上がり。場所は二代目文蔵師匠の葬儀会場でしたので、笑ってはいけないのに、つい引き込まれ大笑いしてしまいました。
金原亭駒平さんと、橘家文吾さんの後は、いよいよ文蔵組長です。
「試し酒」橘家文蔵
大店(おおたな)の旦那が酒好きで、友達の近江屋さんに「一献傾けたい」と言いますが、生憎近江屋さん医者に酒を止められていて、誘いに乗れません。
共の下男が五升飲んだと話すと「それなら、もしここで五升飲んだら、小遣いをあげましょう」と持ち掛けます。下男は「ちょっと考えさせてもらいたい」と表へ行き、帰ってきて「では飲みます」と宣言、大きな盃を傾けます。
この噺は、お酒を飲む仕草がポイントで、組長演ずる男が、徐々に酔っていく様子があまりにも見事なので、ばばん場の観客も私も、かたずをのんで見守ります。そして、飲み干すと割れんばかりの拍手が起こりました。
「小言幸兵衛」三遊亭兼好
麻布古川の家主、田中幸兵衛のある一日を描いた噺です。
幸兵衛さん、長屋を回っては、あちこちで小言を言うので、みんなから小言幸兵衛と呼ばれています。大家ですから、家を貸すのが仕事ですが、文句をつけて中々家を貸そうとしません。そのため、長屋には、いつも空き部屋があるのです。
今日も入居希望者がやってきますが「仕事は? 家族構成は?」と、矢継ぎ早に質問した揚句「口の利き方がなっていない」と小言を連発。言われた者は気分を害し、散々悪態をついて去っていきます。
続いて仕立屋の男がやってきます。入居が決まるかと思いきや、うっかり言った一言で、事態が一変。話は心中事件にまで及びます。
兼好師匠は、次々現れる登場人物を、巧みに演じます。この噺、仕立屋の後に、また別の人物が登場するのですが、本日はここで高座を降ります。
いつになったら幸兵衛の気に入る入居者が現れるのやら、ハラハラしどうしの一席でした。
オンライン落語会は、家にいながらにして特等席で楽しめますので、これからも観覧と配信のハイブリット落語会をお願いしたいと、切に思いました。
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