落語自由自在(61)

おもしろハッピー落語会

公開日:2022.09.07

今年(2022年)2月に続いて2回目の「おもしろハッピー落語会」を配信で観ました。東京在住だと、中々観る機会のない上方落語の会です。

気分はタニマチ!?

木戸銭から1人500円ずついただいて、お客さまにタニマチ気分を味わっていただこうという思考で、前回は桂 二葉(によう)さんには、ご本人の希望で高価な雪駄をプレゼント。今回、桂 九ノ一さんには反物だったそうです。

上方落語界らしい発想ですね。私も二葉さんの雪駄の箱とか、あるいは鼻緒の一部を買ったのかと思うと、何だかうれしいです。九ノ一さんの反物は、絹の上等な物らしいので、3cm程買えたかも(笑)。

桂 源太「元犬」

江戸落語でもおなじみの演目で、人間になりたい犬が、願掛けをして、ついに願いが叶い、お店に奉公に行くという騒動を、源太さんが面白おかしく演じました。

桂 二葉「向こう付け」

桂 二葉「向こう付け」

2021年NHK新人落語大賞を受賞し、今や大人気の女流噺家二葉さんです。

本日の演目「向こう付け」は、江戸では「三人無筆」と言います。文字が書けないのに、葬儀の受付を押し付けられ、困ったあげく、故人の遺言だからと、弔問客めいめいに書いてもらおうと企みますが……。

二葉さん、ご自分のおばあさんの葬儀のエピソードを入れながら、いきいきと楽しそうに語られました。

桂 九ノ一「青菜」

今回、反物を貰った噺家さんです。青い絹の着物地に、喜びを隠せない様子でしたが、仕立て代は自分なので、と弱音を吐き、さらなるご支援をと言って笑いを取っていました。

夏になると、あちこちの高座で掛けられる、おなじみ過ぎる演目「青菜」でご機嫌を伺いました。

桂 華紋「竹の水仙」

2019年にNHK新人落語大賞を受賞した華紋さんですが、私は文枝一門で、他はみな米朝一門なので、アウェイ感がスゴイとぼやきました。

左甚五郎が登場する「竹の水仙」は、江戸でもしばしば演じられますが、途中大名行列の場面で、鳴り物が入り、江戸にはない新鮮さを感じました。

桂 雀太「代書屋」

二葉ちゃんが8月で米朝事務所を辞めます。雀太が辞めさせたんだろうと、皆言うけど違いますよ。でも、あんまり言われるので、しまいには面倒になり「そうです」と言ってしまいました。

盛大な笑いがおこります。

演目は「代書屋」えっ、それはないでしょ。「向こう付け」同様、この噺は文字が書けなくて、履歴書を、今でいう行政書士に頼むという噺ですから、江戸では噺がつくと言って、ご法度なのです。上方では良いのかな? と思いつつ、爆笑の高座を楽しみました。

5人のチームワークが良くて、ずっと笑い通しでした。

いざ!全国ツアー

NHK新人落語大賞受賞者二人(華紋・二葉)を擁して「おもしろハッピー落語会」は、全国ツアーを展開するそうです。どうか日本中を笑いでつつみ、ハッピーにしてほしいものです。

 

 

■もっと知りたい■

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

注目企画