着物の素晴らしさを伝えたい。私のきものリフォーム

日常で着られる二部式のカジュアル着物を作りました

公開日:2020.11.19

きものリフォームでいろいろな作品を作ってきたやまきさん。着物研究科のシーラ・クリフさんに刺激を受け、モダンな作品が次々に出来上がりました。やまきさんの作品はバラエティーに富んでいて、きものリフォームの楽しみ方のヒントを教えてくれます。

古い絣(かすり)の着物から作ったワンピース

絣の着物で作ったワンピース
絣の着物で作ったワンピース

先日、たまたまテレビで「世界はほしいモノにあふれてる」という番組を見ました。

シーラ・クリフさんというイギリス出身の着物研究家(十文字学園女子大学教授)が着物姿でロンドンの街の着物店を紹介されていました。異人さんがさっそうとKIMONOで闊歩されていました。

その姿を見て、「すごい! きれい! 似合っている!」帽子に靴にサングラスにイヤリング! 帯締めは細いベルト!と、驚きの組み合わせが奇抜でなく、かわいかったり、豪華だったり、さりげなかったりしているのを見て、とても刺激を受けました。

そして、使い続けられたつぎはぎの着物や農家の野良着が「BORO (ボロ)」と呼ばれ人気だとか。およそ廃品レベルで、破れ、接ぎ当て、くたびれた繊維の着物をさらに裂いて着ている。摩耗したジーンズの感覚かしら?

私は、生地が薄くなってあちこちに穴のある絣を一枚だけ保管しています。着物をほどくときには縫い目からほこりが立ちました。縫い糸が布地と一体になっていて、一目ずつ糸を抜かないと布地が破れてしまいそうだったので、手間がかかりました。

ゆっくりほどいてやさしく洗いましたが、洗剤液がアクのような灰色になりました。陰干しにしてアイロンをかけましたが、張りはなく、どこまでも柔らかく、柄もくすんだままです。

その絣でワンピースを作ってみよう。さすがに穴の部分や擦り切れそうなところは捨てました。

アンティークなワンピースが出来上がりました。ポケットは残り布を接ぎあわせて作りました。継ぎ目に絞りの端布を挟み、背に房をつけました。

実際にはにおいませんが、においをかいでしまいそうになるくらい、着古された感のあるワンピースです。

さて、これを着てどこへ行きましょうか? しばらく部屋に飾っておきましょう。

呂の帯から作ったカーディガンジャケット

夏帯で作ったカーディガンジャケット
夏帯で作ったカーディガンジャケット

やっぱり新しいもので作りたいと思った私は、母からもらい受けた未着用の帯を一本処分することにしました。織りの帯は裏側に長い糸が渡してあるものが多いのですが、これは余計な糸が出ていません。

母の帯から単衣のジャケットができました。

ウールの着物を二部式にした「カジュアル着物」

カジュアル着物
カジュアル着物

番組の中でシーラさんが呼び掛けておられました。「きものはよいものです。もっと着ましょう」と。

私自身は普段から、行事や外出の際に着物を着ていますが、周りの人にも着てもらいたくて、私なりにセーターやTシャツの上に着られて、帯も不要な自称「カジュアル二部式着物」を推奨しています。

考案というほど大げさなものではありませんが、自身が着やすいように徐々に改良して、行き着いた二部式です。

ウールの着物をリフォームしました。まず、セーターを着て、巻きスカートを巻く。その上にジャケット感覚で上衣を着る。足元は2本指ソックスが合うと思います。


 

■もっと知りたい■

やまきひろの

3世代6人家族で暮らし、家事を担当する主婦です。孫の世話もしており、旅行も孫連れが多いです。趣味はきものリフォームで、完成に至るまでのいきさつを交えながら作品を紹介していきます。

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