人生相談:もったいない病の私…物が捨てられない
2022.11.052022年09月13日
片付け上手さんに学ぶ「捨てコツ&仕組み」#7
79歳で移住!物を1/3捨てて身も心も軽くなった
片付け上手さんに、捨てるテクニックと心構えを学ぶ特集です。第6回は、60歳から物を減らし始め、79歳で東京から石川県に移住した作家の竹田真砂子さんが登場。80歳と85歳が体力の境界線だから、その前に片付けられて良かったと語ります。
作家・竹田真砂子さんのプロフィール
たけだ・まさこ
1938(昭和13)年、東京・牛込神楽坂生まれ。法政大学卒業。82年『十六夜に』でオール讀物新人賞、2003年『白春』で中山義秀文学賞を受賞。京都「鴨川をどり」など邦楽舞台作品の台本なども手掛ける。近著に、新田次郎文学賞受賞作『あとより恋の責めくれば 御家人大田南畝』『桂昌院 藤原宗子』(ともに集英社刊)、『美しき身辺整理 “先片付け”のススメ』(新潮文庫)などがある。17年10月、神楽坂から石川県加賀市に移住。現在、新潮社ウェブサイトに「竹田真砂子の加賀便り」を連載中。
79歳で移住!広さ半分以下の家に入る量に減らしました
石川県加賀市の古い空き家をリフォームした、竹田さんのコンパクトな住まいは、床暖房が完備され、すっきりと片付き、所々に愛らしいぬいぐるみが飾られています。
2017年、79歳のとき、竹田さんは、生まれたときから住み続けた東京・神楽坂を離れ、加賀市に引っ越しました。
「神楽坂は便利で愛着がある街でしたが、人生は冒険だと思う私は、一度も住む場所を変えずに人生を終えていいのか、と自問自答いたしましてね。石川県は、私のデビュー作の挿絵を担当してくださった西のぼるさんの出身地で、以前イベントに呼んでいただいて以来ずっと、ご家族ぐるみでお付き合いいただいている場所でした」
他にも候補地を考えたものの、竹田さんも上演に関わった復曲能『敷地物狂』の舞台である加賀市の神社の近くに移住を決意。広さ半分以下の新居に入る量にするため約1年かけて本格的な片付けを進めます。
もともと竹田さんは、59歳までは年を“取り込む”、60歳以降は年を“取り除く”ものと考え、還暦から物の片付けを開始。1万枚あった写真をシュレッダーにかけて1/10に、たんす3棹のきものは親戚などにあげて1棹の量にしました。
「69歳の頃、茶道具をご縁のあった市に寄付するなど物を減らしてきましたが、本は作り付けの本棚にぎっしり。79歳での片付けはひと苦労でした」と言います。かなりの量を数人の知人に引き取ってもらいましたが、
本格的な老い、病の前に片付けられました
「私も含め亡くなった母や周囲の方を見ていると、80歳と85歳が一つの境界線。それ以降は体力、気力がガクンと落ちると思います」と竹田さん。片付け後、加賀に持っていったのは、厳選した本と家族の写真、死んだら棺に入れてほしいというきもの、人形などです。
「この地に移住して5回目のお正月を迎えますが、ご近所の方に恵まれ、若い方と女子会をするなど、80代の今、身軽ですがすがしい毎日です。今後は、本当に書きたい作品に取り組みたいと思います」
竹田さんの物を片付けるコツ
【1】大切な物から、行き先を考え始める
【2】リサイクルショップ、寄付など人脈やプロの力をフル活用する
■片付け上手さんに学ぶ「捨てコツ&仕組み」特集■