部屋を片付けられない人の特徴や原因とは?対策も解説
2023.04.072023年04月08日
整理収納アドバイザー・Rinさんに学ぶ
散らからない部屋にする片付けのコツと収納アイデア
片付けてもすぐに散らかる、物がどこにあるかわからないなど、生活の中で感じる小さなストレス。実は、収納場所を工夫するだけで意外と簡単に解消できます。整理収納アドバイザー・Rinさんが実践している部屋の片付けのコツと収納アイデアを紹介します。
使う場所にまとめて収納!ラクしてキレイに整理整頓
テーブルやキッチンカウンターの上に余計な物が一切なく、驚くほどすっきりしているRinさん宅。その理由は、自分や家族の動線を考えて、使う場所に使う物をまとめて収納しているから。
そんなRinさんも、以前は部屋を片付けてもすぐに散らかることに悩んでいたそう。
「以前は部屋をキレイに見せることが優先だったので、使う場所としまう場所が離れていたり、使いたい物がどこにあるのかわからなくなったり。この使い勝手の悪さこそが、片付けてもすぐに部屋が散らかる原因だったんです」
そこで、それぞれの部屋でどんなふうに過ごすか、動線を追いながら、どこに、何が、どんなふうに収納されていると便利かを考えたそうです。
「物は種類ごとに分けるより、使う場所に使う物をまとめて収納するのが一番です。手を伸ばした長さとほぼ同じ、半径50cm程度の位置に収納するようにしてから、片付けがラクになりました」
Rinさんのご自宅を回りながら、リビング・ダイニング・台所など、それぞれの部屋の片付けのコツと、ラクしてキレイになる収納アイデアを10個教えてもらいました。
リビングの片付けのコツ:ソファなど家族の定位置が起点
家族が集まって長い時間を過ごすリビングは、特に散らかりやすい場所。すっきり片付いたリビングにするためには、家族がよく集まる場所に注目するのが大切です。
Rinさん宅の場合、テレビの前にあるソファが家族の定位置。ソファから手が届く範囲に、よく使うものを収納するのがポイントです。
収納アイデア1:引き出しやかごなら出し入れがラク
テレビ台の引き出しには、ソファでよく使うひざ掛けと本をセット。横のかごには、繰り返し読みたい雑誌を収納しています。雑誌は1冊増やしたら1冊減らすのがルール。毎日使うものや家族みんなが使うものは、すぐ出して、すぐしまえる収納を心掛けましょう。
ダイニング片付けのコツ:動線を意識した収納でキレイに
ダイニングテーブルは、面積が大きいため、部屋の印象を決定づける場所と言っても過言ではありません。
どんなにインテリアが素敵でも、ダイニングテーブルの上がごちゃごちゃしていたら、台無しです。文房具や常備薬を出しっ放しにするのはNG。常に整理整頓を心掛けましょう。
収納アイデア2:文房具は手作り引き出しに収納する
100円ショップで購入した引き出し型ファイルケースに強力両面テープを貼って、引き出しに。文房具などで散らかりやすいダイニングテーブルも、これならすっきり整理整頓できますね。
収納アイデア3:リモコン置き場は動線上の棚に設置
部屋に入ってすぐに使うエアコンのリモコンは、入り口近くの棚の上に置くのがおすすめ。ドアを開ける動作とセットでリモコンをON・OFFして、そのまましまえるので、リモコンをどこに置いたのか忘れる心配もなくなります。
収納アイデア4:仕事用かばんは、かごに入れるだけ!
毎日使う仕事用のかばん置き場は、キッチンカウンターの下に置いた大きめのかご。「帰宅後ポンと放りこむだけで簡単なので、習慣化できました」とRinさん。
床に直接置くと散らかっている印象を受けますが、かごに入れるだけで、整理整頓されたキレイな部屋に早変わり!
収納アイデア5:郵便物もファイルボックスに入れるだけ
郵便物もキッチンカウンターの上のファイルボックスに差し込むだけ。「重要」「一時保管」「明細」など、ざっくりと仕分けておけば、後で整理するときも苦になりません。
台所の片付けのコツ:ムダを減らして家事をラクに
家事の中でも頻度が高い料理。負担を減らすためにも、なるべく手間をかけず、ラクにスムーズに調理を進行することが大切です。
そのためには、台所でなるべく動かず調理でき、後片付けもラクである必要があります。調理道具や食器は動線を意識して、収納場所を工夫しましょう。
収納アイデア6:調理道具はガスコンロ前に吊るす
毎日使うフライパンなどの調理道具はコンロの前に吊るしておくと、取り出しやすく、洗った後もラクに片付けられます。
収納アイデア7:調味料はガスコンロの下がラク!
ガスコンロ下の引き出しに、鍋・米びつとともに、調味料を収納しているRinさん。調理中でもガスコンロから動かず取り出せて、作業効率もアップしたそう。調味料のふたには、頭文字を明記してわかりやすくするのがポイントです。
収納アイデア8:食器は使用頻度別にしまう
食器棚は2つのスペースに分け、頻繁に使う“1軍”を右側に、たまに使う“2軍”は左側に収納。こうすると、いつもは食器の出し入れが右扉の開閉だけで済むので、ラクちんです。
洗面所の片付けのコツ:汚れを防ぐ&掃除がラクな配置を
家の中の片付けで意外と忘れがちなのが、洗面所です。水回りは掃除が面倒だと感じる人も多いのではないでしょうか? でも、ちょっとした工夫で、汚れを防いで、ラクに掃除できるようになるんです。
収納アイデア9:小物は空中に吊るして汚れを防ぐ
水回りに物を置くと、カビや水アカで汚れる原因になりがち。そんなときに活用したいのが、洗面台の吊戸棚の下です。棚と小物の両方に磁石を貼り付けて、コップや掃除用ブラシなどの小物を空中に吊るすことで、洗面台の汚れ防止につながります。
置き場所に困るせっけんも、ビール瓶のフタなどを埋め込めば、磁石につきます。空中でしっかり乾かせば、水で溶けることもありません。
収納アイデア10:浴室から手が届く位置にごみ袋をセット
洗面台の下の扉の内側には、タオルフックにかけられたごみ袋がスタンバイ。浴室から手が届く場所にごみ袋があると、お風呂掃除もラクになります。
年齢に合わせたラクしてキレイな片付け方法を!
普段、介護支援専門員として働くRinさんは、高齢者の家を多数訪問する中で、片付けについてアドバイスすることも多いと言います。
「自分に合う片付け方は、年齢や体力とともに変わります。今の私は、これまで当たり前だったことをやめてみることに挑戦中。予想以上に家事もラクになり、快適です」
生活の動線を意識した収納方法に変えたことで、料理や掃除など家事の負担も、今までの4分の1くらいに減ったというRinさん。
片付けてもすぐに散らかる我が家にストレスを感じている人や、家事の負担を減らしたい人は、ここで紹介した片付けのコツを実践してみてくださいね。
■教えてくれた人
Rin(りん)さん
居宅介護支援専門員として働く傍ら、整理収納アドバイザー1級を取得。ブログ「Rinのシンプルライフ」は月間100万PV、こちらでも情報発信中。最新刊は『50代からの暮らしの整え方』(オーバーラップ刊)。
取材・文=大門恵子(ハルメク編集部) 撮影=安部まゆみ
※この記事は雑誌「ハルメク」2018年5月号に掲載された内容を再編集しています。
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