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- 【断捨離のコツ】提唱者が語るシンプルライフの始め方
「断捨離(R)」を生み出した、やましたひでこさんに物を減らしシンプルに暮らす習慣をインタビュー。「物が減れば暮らしの質が上がる。そう実感すれば、捨てる意欲が湧いてきます」と話す、やましたさん。物に執着しない断捨離のコツを聞きました。
【断捨離】提唱者・やましたひでこさんとは?
1954(昭和29)年、東京都出身。一般財団法人断捨離(R)代表。クラター・コンサルタント。学生時代に出合ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を、日常の「片付け」に落とし込んで応用提唱し、誰もが実践可能な「自己探訪メソッド」を構築しました。
断捨離を、人生を有機的に機能させる「行動哲学」と位置付け、空間を新陳代謝させながら新たな思考と行動を促すその提案は、年齢、性別、職業を問わず圧倒的な支持を得ています。また『新・片づけ術「断捨離」』(マガジンハウス)をはじめとするシリーズ書籍は、中国、台湾でもベストセラーを記録し、国内外累計400万部を超え、ヨーロッパ各国の言語でも翻訳、国内外で「断捨離」を広めるべく活躍中です。著書に『定年後の断捨離 モノを減らして、愉快に生きる』(大和書房刊)、『断捨離したいナンバーワン、それは夫です』(悟空出版刊)。
※ 断捨離はやましたひでこさん個人の登録商標です。
40年間暮らした、家を断捨離したやましたひでこさん
コロナ禍で大流行の「断捨離」ですが、特に50代から70代には断捨離がおすすめなのだそう。
実際、やましたひでこさんも64歳のときに、新たな“断捨離”を行いました。40年間暮らした石川県小松市を離れ、沖縄県那覇市へと移住したのです。
「息子が家を離れたし、ちょうどいいタイミングでした」
一軒家からマンションへ。家を手放すという大きな“断捨離”は、普段の生活を見直すきっかけにもなったと言います。「2人暮らしになったら暮らしを小さくしましょうとよく言われますが、“量のスイッチを切り替える”を意識することが大事」とやましたさん。
「例えば6枚切りの食パンを1斤買ってきても、2人では結局食べきれず冷凍庫へ。それならおいしいパンを1つ、2つ買ってくる方がいいですよね」
食べ物に限らず、ふとんや食器なども、2人分の物があれば十分。「必要ない分を減らせば、物をより大切にし、空間にも心にもゆとりが生まれます」
50代から70代の片付けでは、ためこみ期だと意識する
「50代から70代は“ためこみ期”。私はそう名づけています。それをまず自分で意識してみましょう」とやましたさん。
“ためこみ期”とは、散らかっているわけではない、片づいていないわけでもない。しかし、自分のいる空間に対し、必要以上に物がたまっている状態に慣れてしまっている時期のこと。それはもう“収納”で解決するのは難しく、物を部屋から出す(=捨てる)ことが大切だと言います。
「今は常に情報があふれ、24時間いつでも物を買うことができます。一方で、捨てるのはもったいない、面倒くさい。だから物がどんどんたまっていってしまうんですね。そこで少しずつでも物を“出す”習慣を身に付けましょう」
まずは手軽に始められる平面から。冷蔵庫の扉やテーブルの上など、物を置かず必要なときにその都度出すよう心掛けます。
「それだけで空間にゆとりが生まれ、スッキリしますよ」
突っ込んで収納するのが、片付けではない
平面の次に手をつけるべきは、隠れている引き出しや棚。
「引き出しや棚の中も物の居場所は快適に。ぎゅうぎゅうのところにいたら出し入れしづらくて、“巡り”が悪くなります」
キッチンまわりは特に消耗品の買い置きがスペースを占拠していることも。「レジ袋は小ケースに納まる分だけ。保存袋などの買い置きもしません」とやましたさん。それぞれ置き場所が決まっているので、出し入れしやすく、巡りもよくなって、スッキリ見えると言います。
重いし、思い入れもあって、実は一番捨てづらい器は「食パンの考え方と一緒。2人暮らしに5枚セットのお皿は必要ないんです」とやましたさん。
お気に入りの器が並ぶ食器棚を開けるたびに、今日はどれにしようかと選ぶウキウキ感が大切。自分だけのギャラリーにするつもりで片付けましょう。
「本当は本棚は見せたくなかったんです」とやましたさん。確かに他の棚に比べるとぎっしり詰まっているよう。「私が一番捨てられないのが本。だから心に余裕があるときにじっくり減らすようにしています」
減らしにくいものはいったんそのままで。無理をしないのが習慣づけるコツです。
洋服は、1着増やす前に「出す」のを心掛ける
「私は洋服を買うのが大好き。でも、買う前に1つ出すようにしています」とやましたさん。
「クローゼットに余裕があると、お店みたいに服を選べるでしょう?」
また、やましたさんにとって、洋服は食材と同じ“旬”がある物だと言います。「“おいしい”と思う服を着ればいいんです。気に入ってとっておいた20年前の洋服、旬が過ぎていませんか? 普段着に一生物はないんです」
クローゼットを整理すると、お気に入りのショップのようになって実際、買い物をする頻度が減ったという人も多いと言います。
「無意識のうちに物が増えていくのはしょうがないこと。なので、意識的に物を減らして、気持ちよい空間をキープすることがシンプルな暮らしにつながるはずです」
取材・文=三橋桃子、長倉志乃(ともに編集部) 撮影=栗林成城
※この記事は2019年2月号「ハルメク」を再編集しています。
次回は、やましたひでこさんの家のお写真とともに、やましたさんが提唱する「キレイが続く生活習慣8」をお届けします。
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