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- 中山庸子さん5つの捨てコツ「損得で考えない」
片付け上手さんに、捨てるテクニックと心構えを学ぶ特集です。第2回は、イラストレーターの中山庸子さん。物を捨てるときの判断は「損得」ではなく「どれだけ好きか」という感性こそ大事にするべきと話します。実践しやすい捨てる5つのコツも教わりました。
中山庸子さんのプロフィール
なかやま・ようこ
1953(昭和28)年、群馬県生まれ。女子美術大学卒業後、美術教師を経て独立。自らの夢を叶えてきた経験をつづったエッセー『夢ノート』シリーズで支持を集める。『書き込み式 新 いいこと日記』(原書房刊)など著書多数。
物を「損得」で考えると捨てられなくなる
2019年、引っ越しに伴ってトラック2台分の物を手放した中山庸子さん。おかげで「物が少ないほど暮らしやすいと気付き、今では毎週ゴミの日の前に家中の不要な物をチェックする“捨てグセ”がつきました」と笑います。
「“高かったから”とか“まだ使えるから”と捨てられないのは、物を損得で考えているんだと思うんです。でも、どんなに高くてまだ使えても、結局好きな物しか使わないですよね。だから損得勘定ではなく、どれだけ好きか、を基準に。そうしたらラクに手放せるようになりました」
捨てないと決めた物は、とことん使うのも中山さん流。「使い切って罪悪感なく手放したいから」と、プラダのナイロントートをエコバッグにする思い切りのよさです。
「まだ手放せないのは、母から譲り受けた着物。自分の中で“好き!”と“そうでもない”が生まれるまで、もう少し温めようと思います」
中山さんの捨てるコツ1:好きかどうかを軸にする
「使うかどうか」ではなく「好きかどうか」を軸にすると、捨てる判断がつきやすくなります。引き出し1つ分あった腕時計も、ほとんど処分。「きっかけは、ブランド物の修理に10万円かかると言われたこと。若い頃に買ったけれど、修理代を出すほど好きではなくなっていたと気付きました」。逆に、ノーブランドでもチャーミングな愛用品は残しています。
中山さんの捨てるコツ2:収納を小さくする
収納を小さくすることで、「本当に必要な物」をあぶり出すことができます。「収納が広いと不要品が見逃されがちですが、“ここに収まるだけ”と決めると、本当に必要な物以外は手放すしかなくなります」。本や洋服も同じ方法で捨てられるそう。
中山さんの捨てるコツ3:「いい物」ほど使い切る
大切なものや高価な物は使わずにしまい込みがちです。しかし「『いい物』こそ普段の暮らしの中で使い切ることが、捨てるコツ」と中山さん。
母から譲り受けたアンティークの茶碗やヘレンドのティーセットは、リビングに飾りながら積極的に日常使いに。「使っていて割れたら、気持ちよく手放せます。しまい込まれたままより、使われて命をまっとうした方が、茶碗も幸せでは(笑)」
中山さんの捨てるコツ4:「手放す候補」を日頃から選別する
“手放そうかな”と感じた物があればその場で入れられるよう、各階に紙袋を設置。夫にも協力してもらっています。「洋服は、すぐに決心しにくいので “手放す”と“迷い中”の2つの紙袋を用意。“迷い中”から誰かにもらってもらえることも。何か月もそのままなら、諦めがつきます」
中山さんの捨てるコツ5:新しい物を買ったら代わりを捨てる
中山さんは新しい物を購入したときの高揚感を、そのまま捨てるエネルギーにするそう。買い物は、家に帰って買った物を収納し、その代わりを捨てるところまでが1セット。「ずっと手放せなかった物も、新しいお気に入りと比べたら“もういいかな”と感じて手放しやすくなります」。増えたら減らす、を常にすると、ムダ買いの抑止力にも。
取材・文=松尾肇子、原田浩二(ハルメク編集部)、撮影=林ひろし
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年5月号を再編集しています。
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