古い着物の5つの使い道│売れる?価値あるアンティーク着物の見分け方も!
古い着物の5つの使い道│売れる?価値あるアンティーク着物の見分け方も!
更新日:2025年04月24日
公開日:2025年04月16日
古い着物とは?アンティーク着物とリサイクル着物の違い
ただ「古い着物」といっても、どれも同じわけではありません。古い着物は大きく「アンティーク着物」と「リサイクル着物」の2つに分けられます。
リサイクル着物
リサイクル着物とは、昭和後期(戦後)に作られた着物のことです。「レトロ着物」や「ヴィンテージ」「古着」と呼ばれることもあります。
昔の日本では、着物が日常的に着られていました。しかし時代が流れ、現代では洋服が普段着です。
多くの現代人にとって着物は「イベントごとでだけ着る特別な服」になったため、飽きのこないデザインのものが多い傾向にあります。
リサイクル着物の柄や色使いは、現代のものとほとんど変わらないとされています。
アンティーク着物
一方のアンティーク着物は、リサイクル着物よりもさらに古い時代に作られた着物を指します。
具体的には、明治時代、大正時代、戦前の昭和初期に作られた着物が、アンティーク着物と呼ばれます。
アンティーク着物は、色や柄のパターンが非常に豊富なことが特徴です。戦前までは着物が普段着として着用されていたため、アンティーク着物でしか見られない遊び心のある着物もたくさんあります。
以下で、時代ごとのアンティーク着物の特徴を見てみましょう。
- 明治時代……明治初期〜中期は渋い色の素朴なものが主流。明治後期からは明るい色や色彩鮮やかな模様のものが増加
- 大正時代……西洋文化が入ってきたことで、華やかな着物が増加。洋花柄(バラ、ダリア、チューリップなど)も登場。アールヌーヴォー調やアールデコ調なども見られるように
- 昭和初期……大正に続いて幾何学模様やポップなデザインが好まれ、水玉、トランプ、飛行機、自動車など西洋文化を取り入れた柄などが作られるように。着物に西洋の小物を合わせるコーディネートが流行
時代ごとに流行があり、当時の人たちが着物ファッションを楽しんでいた様子が想像できます。
アンティーク着物の見分け方
自分の手元にあるのが「アンティーク着物」なのか、それとも「リサイクル着物」なのか迷ったら、以下をチェックしてみましょう。
- 裏地の素材・色……アンティーク着物は裏地に紅絹(もみ。赤色や薄桃色に染めた絹の布)が使われ、色鮮やかなものが多い
- 袖丈(そでたけ)……アンティーク着物は袖丈が長い(現代の着物は約49cmほど、アンティーク着物は袖丈約57cm以上)
- 共衿(ともえり)……アンティーク着物は共衿が短め(現代のものは約49cm、アンティーク着物は約38cmほど)
- 袖付けの付けどまり位置……アンティーク着物は、袖付けの付けどまり位置が高め
- 全体的な大きさ……昔の人は小柄だったためアンティーク着物は全体的に小さめに作られている
古い着物はどうする?5つの使い道
古い着物の使い道はさまざまです。例えば、以下のような選択肢があります。
- 洗って着る
- 親戚・友人・知人に譲る
- リメイク・リフォームを楽しむ
- 売る
- 寄付する
ここからは、それぞれの方法について詳しく解説します。どうするか迷ったら、手元にある着物を見ながらどうするか考えてみてはいかがでしょうか。
1:洗って着る
古い着物はもちろん、着て楽しむことも可能です。アンティーク着物であれば現代の着物にはない色や柄もたくさんあります。
お気に入りの着物や、譲り受けた大切な着物であれば着てみるのもいいかもしれません。
毎日着物を着るとなるとハードルが高く感じるかもしれませんが、「おしゃれ着」として美術館や博物館へのお出かけや食事に着て出かける程度であれば、負担に感じにくいでしょう。
長い間タンスの肥やしになっていた古い着物は、シミ、カビ、変色などのトラブルが起こっていることも。着る前にチェックしてみましょう。
古い着物の洗濯方法
着物を洗う方法は、大きく「クリーニング店を利用する方法」と「自宅で洗う方法」の2つがあります。
着物は繊細な生地が使われているため、基本的には着物専門のクリーニング店に依頼するのがおすすめです。
自宅で洗える着物も中にはあり、洗濯機で洗える素材、手洗いのみOKな素材などさまざま。洗濯する前に洗濯表示で生地や取り扱いを確かめてみましょう。
古い着物の着こなしのコツ
現代の着物とは違った魅力がある古い着物を着こなすときは、帯まわりの小物を現代のものにするのがおすすめ。
昔の帯は豪華な柄は刺繍が多く、すべて時代の古いもので揃えると、古めかしい印象になってしまうことがあります。
古い着物に、現代の帯・帯揚げ・帯締めを合わせることで、古臭さを感じさせないコーディネートにできますよ。
2:親戚・友人・知人に譲る
古くても状態の良い着物であれば、親戚や友人、知人に譲るという方法もいいかもしれません。
着物は元々、子どもや孫、親戚に引き継いでいく習慣があり、上質なものが多くあります。
大切な着物を捨ててしまうのは罪悪感を感じるかもしれませんが、よく知っている人に使ってもらえるのであれば心に負担なく手放せるはずです。
ただし近年は日常的に着物を着る人は少なく、引き取ってくれる人を探すのに手間がかかる可能性もあります。
3:リメイク・リフォームを楽しむ
「着ることはないが、思い入れがあって手放し難い」という場合は、古い着物のリメイク・リフォームをする方法もおすすめです。
ジャケット、布ぞうり、クリスマスツリーなど、リメイクの可能性は無限大。複雑な縫い物は苦手という人は、テーブルランナーやランチョンマットであれば、比較的シンプルでチャレンジしやすいでしょう。
大切な着物を別のアイテムに生まれ変わらせることで、新しいお気に入りのものが作れます。
自分でリメイクやリフォームをするのが手間に感じる、裁縫が得意ではないという方は、着物リメイク専門業者に依頼するのも一つの方法です。
プロに依頼すれば、洋服の他にも日傘や印鑑ケース、テディベア、綿入りベスト、ハンドバッグ、ショルダーバッグ、サコッシュなどさまざまなリメイクができます。
業者にリメイクを依頼する場合は費用と時間がかかりますが、思い入れの詰まった古い着物を捨てずに新しいアイテムに生まれ変わらせたい人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
4:売る
高級着物や状態の良い着物は、売却も可能です。着物の売却には、以下のようにいくつかの方法があります。
- 着物専門買取業者(着物のみを取り扱い)
- 総合型買取業者(着物以外のブランド品や貴金属・宝石なども取り扱い)
- リサイクルショップ
- フリマアプリ、オークション
高級着物や有名作家・ブランドの着物の場合、着物に詳しい鑑定士が在籍している着物専門業者に持ち込んだ方が高く売れやすいです。
シミや色褪せなどがあると買取が難しいことがあるため、状態がいいものは専門業者に買取してもらうといいかもしれません。
総合型買取業者やリサイクルショップの場合、シミや色褪せがある古い着物でも買い取りしているところもあります。ただし、鑑定士が在籍していないところの場合は査定額が低くなる可能性があるでしょう。
フリマアプリやオークションで売るのも一つの方法です。スマホを使って簡単に出品でき、自分で値段を決められるメリットがあります。一方、出品や商品説明、梱包や発送の手間がかかる点はデメリットです。
古い着物の買取価格はがっかりするほど安いことも
基本的に、古い着物は購入時に比べて大きく価値が下がります。
価値の低い素材のものや、希少性が低いものは数百円程度になることもあるようです。また、虫食いやカビがある着物は、買取不可となる場合も少なくありません。
有名作家・ブランドのものなど高額買取の可能性あり
古い着物の買取価格は、品物の質や状態によって大きく変わります。
アンティーク着物は一般的に3万円〜6万円ほどが目安。価値のあるものであれば、数十万円以上になることもあるといいます。
また、有名作家やブランドのものなども、高額買取の可能性があるでしょう。
証紙(産地・織り元・伝統工芸品マークなどが書かれた証明書のようなもの)や落款(作者や製作工房の印)があると、価値を証明できるため査定額アップにつながります。
5:寄付する
寄付をして誰かに着てもらったり、ハンドメイド素材として活用してもらうのもおすすめの方法です。
「捨てる」のではなく、「必要としている人に使ってもらう」と考えると、気持ちよく手放せることは大きなメリット。
着物の寄付はさまざまなNPO法人や市民団体が行っているので、活動内容をチェックして、共感できるところを利用してみるといいでしょう。
古い着物についてのよくある質問
ここでは、古い着物についてのよくある質問について解説します。
Q:古い着物はいくらくらいで売れる?
着物の買取価格は基本的に、購入価格の10%〜20%ほどといわれています。
相当希少なものであればさらに高い値段がつく可能性がありますが、そうでなければ10%ほどが目安です。
着物は状態も重要で、シミや汚れ、色褪せがあると価値が下がってしまいます。古い着物の場合、保存状態の悪さから査定額が下がってしまうケースも少なくないようです。
Q:状態が悪くても買い取ってもらえる?
総合型買取業者やリサイクルショップ等の場合、状態が悪くても買い取ってもらえる可能性があります。
ただし、虫食いやカビなど状態がひどいもの、広範囲に汚れが見られるもの、強い臭いがついているものなどは、買取が難しいことが多いでしょう。
また、ポリエステルのような化学繊維素材の着物は新品でも安価なため、中古品の需要が低く、買取できないこともあります。
その他、着用する人が限定されてしまう丈の短い着物、サイズが小さい着物、喪服は買取できないケースもあります。
古い着物をどうするか迷ったら「寄付」という選択肢も
自宅にある古い着物をどうしようか迷ったら、「寄付」という方法もあります。
例えば『ハルメク 古着でワクチン』は、着物の寄付に加え、開発途上国の子どもたちにポリオワクチンを届けることができる取り組みです。
回収キット(中サイズ)を1つ購入するだけで、20人分のポリオワクチンの寄付が完了。着物を詰めて着払いで送ればいったん反物に戻されて、テキスタイルとして世界中で再利用されます。
大切な着物をせっかく売っても安い値段しかつかないと、がっかりしてしまいます。しかし、寄付であれば他の必要な人に着物を使ってもらうことができ、さらに社会貢献にもなります。
『ハルメク 古着でワクチン』は、「ワクチン寄付」「雇用創出」「資源再利用」と、多くの人の役に立つ仕組みになっています。
古い着物の処分に迷ったら、寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
古い着物はタンスから出して、新しい使い道を見つけよう
古い着物の使い道はさまざまです。状態がよく、価値のある着物であれば数万円で売れることもあります。
友人や知人に譲ったり、自分で着たりして楽しむことも可能です。リメイクやリフォーム好きな人は、この機会に古い着物を使ったリメイク・リフォームにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
古い着物の手放し方に迷ったら、寄付もおすすめです。寄付であれば捨てずに活かすことができ、社会貢献ができます。
ぜひこの機会に、古い着物の新しい使い道を見つけてみてください。
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