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- 60代ですべき片付けとは?【実家の片付け体験談も】
片付け上手さんに、捨てるテクニックと心構えを学ぶ特集です。第6回は栄養管理士の本多京子さん。60代前半で実家の片付けを経験した本多さんは、家族に迷惑をかけないためにも自分の物を処分したそう。安心につながる一人暮らしの知恵も教わりました。
栄養管理士・本多京子さんのプロフィール
ほんだ・きょうこ
1948年生まれ。医学博士・管理栄養士。実践女子大学食物学科卒業後、早稲田大学教育学部体育生理学教室研究員を経て東京医科大学で医学博士号を取得。日本体育大学児童スポーツ教育学部で「子どもの食と健康」を35年担当し、プロ野球などスポーツ選手の栄養指導などを行う。NHK「きょうの料理」などに出演し、栄養や食に関する著書は60冊を超える。
実家の片付けで実感!片付けは先延ばしにしてはいけない
本多京子さんが片付けに着手したのは、60代前半のことでした。夫が病に倒れて他界し、一人暮らしになり、老後のために家を建て直したことがきっかけでした。3階建ての一軒家を賃貸に出せるように各フロアが独立した住居に建て直し、生活拠点を1フロアにしたのです。
「居住空間を小さくしたので、かなり物を減らしました。さらに本棚や食器棚など背の高い家具は防災対策のために作り付けに。物を収納する箱自体が小さくなったことで30人分あった食器は6セットに、本は1/6の量に減らしました」と本多さん。
それからしばらくして父も他界。つらい出来事が続きましたが、残された母が住む家の片付けが大変で悲しみに浸る時間はなかったと言います。
「母は90歳を過ぎても3階建ての一軒家で一人暮らしでした。階段の上り下りはできていたのですが、家中が物であふれ、ごみ捨てがなかなかできずにいました。捨ててもいいかと母に聞いてもその判断能力がない。さらに『今に使うことがあるかもしれない』が口癖で、妹と二人で途方に暮れました」。
その後、母の施設入居が決まり本格的に家の中の物を処分することになりました。
「不要品の処分だけでもひと苦労でした。10年前に賞味期限が切れたペットボトルの水が数十本もあり、来客用の布団は10組、骨董品や重箱、大量のきもの……。不要品、ごみも入り交じっていました。しかも母は盗難対策として家のあちこちに現金を隠していたので業者に頼めなかったんです」
物を捨てる判断能力が衰えた母を見て、「年を取ると考えることが億劫になり、片付けも面倒になる。だからこそ、いずれそのうちに、と片付けを先延ばしにせず、自分ができるうちにやらないと周りに迷惑をかけるだけだ」と思ったと言います。
「以前使っていた物も“今”必要なければ“今後”使う機会は訪れません。まずは“今の自分の生活に合わせて必要な物”だけ残すことが大切です」
江戸時代の骨董品やブランド食器でも査定額は二束三文
実家の片付けでは「中古品を売るとき、その時代の需要と供給で価値が決まる」ことに気付いたことも大きかったと本多さん。というのも、母親が集めた江戸時代の骨董品や漆器を業者に査定してもらったところ「中古品」だからと引き取り拒否。ブランド食器は美品にもかかわらず...
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