横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・6
10月:思いを手紙にしたためて。おはぎにはくるみを
10月:思いを手紙にしたためて。おはぎにはくるみを
更新日:2022年11月05日
公開日:2021年06月25日
心から伝えたい「思い」は、自分の言葉で便箋に
雑誌「ハルメク」の連載「信州・四季の手遊び」で季節に寄り添った暮らしの愉しみ方を毎月提案している料理研究家・横山タカ子さん。
「暮らし自体が趣味なの」と話す横山さんは、料理だけではなく、家の中のしつらい、四季の行事の迎え方にも毎日を豊かにするこだわりが詰まっていて、そのライフスタイルに幅広い世代の女性たちから注目が集まっています。
横山さんが暮らす信州は、9月に入ると朝晩は涼しくなり、秋の深まりを感じるようになります。家での秋のひとときを、横山さんはどのように過ごしているのでしょう。 横山さんに教えていただきました。
■ 受け継いだ机と、こだわりの万年筆で思いを込めて
スマートフォンを使い始めてから、家族や友人、仕事関係のやりとりが、ずいぶんと便利になりました。時代の波に乗ってみるのも刺激的で楽しいものです。
でも、どれだけメール主流の時代になっても、感謝や感動など心から伝えたい「思い」は、自分の言葉で便箋にしたためるようにしています。
私がペンを執るのは、姑が女子大の寮で使っていたという年代物の机(上の写真のもの)。木曽の職人に塗り直してもらい、大事に引き継いでいます。
万年筆は、年齢を重ねるほど太字に限ります。下手な字もごまかしが利きますし、手が疲れにくいのです。
文章は形式にはこだわらず、思いつくままに。自分の言葉は、より相手にまっすぐ届くもの。親しい方には「あのね」なんて話し言葉で書き出すこともしばしばです。
手紙と向き合うこの特別なひとときと空間。私の日常において、一服の清涼剤でもあります。
今月のお茶うけ:おはぎ3種

9月も中旬になり、朝晩の気温が下がって過ごしやすくなりましたね。2022年のお彼岸は9月20日(火)から9月26日(月)までの7日間。秋分の日の9月23日(金)は彼岸の中日です。
お彼岸のお菓子といえば、おはぎ。秋は「御萩」、春は「牡丹餅(ぼた餅)」と季節で形容を変えるところも、和菓子らしい風情というもの。
長野県東御市(とうみし)は、全国有数のくるみの産地。オメガ3脂肪酸をたっぷり含んだくるみは、県民の長寿を支える食材の一つ。信州の郷土食には、くるみが多く使われます。食感を残すくらいに粗く刻んでもち米にまぶすのが、信州流です。
【作り方・レシピ】
- もち米(2合)を洗って水を切り、420mLの水を加えてひと晩置いてから炊く。
- 炊き上がったらすり鉢に取り、すりこぎでつく。
- 手水(水50mL+砂糖大さじ1)をつけながら15等分に丸めて、好みの味をつける。
まぶす味はお好みで。くるみ・きな粉は、もち米の中にあんこを少し入れるのがおすすめです。
- くるみ(写真右)(5個分・以下同じ):煎ったむきぐるみ(20g)を包丁で刻み、砂糖小さじ2を加える。
- あんこ(中央):市販のつぶあん(80g)。
- きな粉(左):きな粉(大さじ3)にひとつまみの塩と砂糖(小さじ2)を加える。
執筆者プロフィール:横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。最新刊『74歳、横山タカ子の体にいいごはん』(家の光協会刊)などが著書にある。
撮影=小林キユウ 構成=小林美香( ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2018年10月号に掲載したものを再編集しています。
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