横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・5
8月:お盆に仏様を迎える「秋の七草」
8月:お盆に仏様を迎える「秋の七草」
公開日:2021年06月25日
撫子、桔梗、ススキ……秋の七草を生けて
信州のお盆は8月。私の里の安曇野では、お盆に仏様に供える花は秋の七草でした。その花を摘みにいくのが子どもの役目。とはいえ、大人から七草の種類を教わったわけではありません。
近所の子どもたちと連れ立って山へ行き、「これは七草かな?」「うん、この花を摘んでいったらお母さんが喜んだよ」と子ども同士で教えあい、自然と覚えていったものです。
仏様をお迎えする日は、 夕方になると家族そろってお墓参りをします。墓前で迎え火をたき、その火を提灯(ちょうちん)にともして持ち帰り、摘みたての七草や採れたての野菜を飾った盆棚の灯篭(とうろう)へ。
一年中、何でも手に入る今の時代。でも、仏様に供えるのは、今も昔もその季節に旬を迎える自然の恵みだけです。
旬のものをいただくことは何よりもぜいたくであり、私たちの暮らしにおいて本来あるべき姿でもある――。盆棚をしつらえていると、原点に帰る思いがします。
今月のお茶うけ:なすせんべい

「なすせんべい」は、北信地域(長野県の北部)でなじみ深いお茶うけ。なすが旬を迎えると、姑がよく作ってくれた懐かしの味です。
「せんべい」とはいっても、パリンとした歯ごたえではなく、どちらかというと、お好み焼きのようなソフトな食感。そのままでもほんのり味噌の風味があっておいしいですが、お好みで酢じょうゆをかけて召し上がれ。
【作り方・レシピ】
- ボウルに卵(1/2個)を溶き、水(100mL)、砂糖(大さじ1)、味噌(大さじ1/2)を混ぜます。
- そこへ中力粉(1カップ)と厚さ5mmのたんざく切りにした、なす(1本分)を加えます。
- フライパンに薄く油をひいて生地を流し込み、両面をこんがり焼いたら出来上がり。
執筆者プロフィール:横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2018年9月号に掲載したものを再編集しています。
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