横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・9

お正月の祝いのお膳には、慶びを和紙で添えて

お正月の祝いのお膳には、慶びを和紙で添えて

公開日:2020年11月19日

横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・9
横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・9

四季の変化を楽しみ味わう、料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けします。今回のテーマは「正月準備」です。無地の和紙に筆で文字を書き入れる、銚子飾りを折る。そのひと手間が、家族への感謝と新年への祈りに繋がります。

家族を想い、和紙に筆を入れる。来年への祈りも込めて

無地の白い和紙は、買い置きをしておくと、暮らしに何かと重宝します。例えば、「あの方のお孫さんに入学祝いを」と思い立ったら、朱の筆ペンを和紙に走らせて「のし」と書けば立派な熨斗紙、熨斗袋に。

筆使いは一度走らせたら、躊躇して手を止めないことが大事。手書きの線は太さのムラやうねりもあるけれど、ぬくもりや味わいがあっていいもの。「おめでとう」の気持ちが、相手に一層伝わるように思います。 

お正月の祝いのお膳にも、私流のひと手間を。お屠蘇(とそ)には、本で覚えた折形の銚子飾り。竹筒の器に盛り付けた黒豆には、「まめまめと」と願いをしたためた和紙でふたをして、紅白の水引を結んで。家族の人数分、一文字一文字、心を込めて筆を入れます。

さぁ、新年の支度が整いました。どうか明るく、平安な一年となることを願って。

今月のお茶うけ:まんぷくいか

まんぷくいか
まんぷくいか

海のない信州では、「塩丸(しおまる)いか」という塩漬けのいかが昔からよく食べられてきました。冷蔵技術が発達した今でも、いかは身近な食材。塩丸に加え、生やボイルものが食卓によく並びます。おせち料理で余った紅白なますを、生いかのお腹いっぱいに詰めてなます液に半日漬け、調味したのがこの一品。作ってから冷凍しておくと輪切りにしやすいですし、1か月ほどおいしく食べられます。なますのアレンジレシピとして、いかが?

【なますの作り方】
大根(250g)とにんじん(50g)を千切りにして2%の塩でもみ、30分置き、水分を切る。水(100mL)、酢(大さじ5)、砂糖(大さじ3と1/2)、塩大さじ1/2をよく混ぜてなます液を作り、そこへ大根とにんじんをひと晩漬ける。

※生いかは、アニサキスによる食中毒を予防するため、はらわたを取ってから24時間以上冷凍したものを使いましょう。

>>第10回目:豆を飾って鬼やらい。赤カブで作る椿に思う、春の訪れをチェック!

■執筆者プロフィール

横山タカ子さん

横山タカ子さん

よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。

撮影=小林キユウ 構成=野田有香(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2019年1月号に掲載したものを再編集しています。

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横山タカ子
横山タカ子

1948(昭和23)年長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。