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- 12月:元気の出る「手作りのはたき」で年末の大掃除
移ろう四季の色、音、香り。この連載では、そんな小さな変化を楽しみ味わう、料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けします。11月頃から少しずつ“ちょこちょこ年末掃除”を始める横山さん。そんなとき、手作りの“はたき”が大活躍します。
真っ赤な紅絹(もみ)のはたきに、魔除けの意味も込めて
![横山さんの手作りのはたき。中央にあるのが、真っ赤な紅絹(もみ)のはたき](https://halmek.co.jp/media/uploads/b70ecc7f0f159696a9d1e38fbe5e608d1605504491.4512.jpg)
真っ赤なはたきは、着物の紅絹(もみ)で作ったものです。貴重な紅絹ではたきを作るのは、半ば申し訳ない気持ちもあるのですが、お掃除も一つの楽しみとして、こういうものを使うと気持ちがよく、ちょっとうれしいなと思って。
赤には昔から魔除けという意味もあるらしいので、お掃除するときにその気持ちを込めて、埃(ほこり)も邪気も払い落とすっていうのかしら。
以前から、はたきは残り布や和紙、ストッキングなどを庭にある黒竹や棒に糸でくくりつけて作っています。黄色い糸は喜びの色で、さらに元気が出ますね。
和紙で作ったはたきは、障子にやさしいんですよ。私、掃除は上手じゃなくて(笑)、忙しいときは、棚の上や障子の埃をはたきでさーっと払っています。信州の年末は寒いので、大掃除は12月にせず、11月頃から少しずつ取り組みます。今年もそろそろ始めましょうか。
今月のお茶うけ:カボチャと干しリンゴ、プルーン煮
カボチャの煮物といえば、小豆と一緒にというのが定番ですが、今回はちょっと変化球で、干しリンゴ、干しプルーンと煮てみました。
カボチャ300gを一口大に切り、100mLの水で、弱火で軟らかくなるまで煮ます。干しリンゴ15gは水で少し戻して、干しプルーン35gはさっと洗い、鍋に加えます。塩をほんのひとつまみ入れ、ひと煮立ちさせて完成。
十分甘味がありますが、好みではちみつを加えても。レーズンと煮てもいいですね。
■執筆者プロフィール
横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2019年12月号に掲載したものを再編集しています。
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